毎週お届けしている、ニューバランスとClusterの7週連続特別コラボレート企画も、いよいよ今回で最終回。はじめてご覧になる方のためにご説明いたしますと、現在アメリカ国内でのみ行われている「US574」のパーソナルカスタムサービスを、ニューバランス ジャパン全面協力のもと特別に利用し、日本のファッション界をリードする7名に自分の好きなカラーの一足を作ってもらおうという、スニーカーファンならずとも要注目の短期集中連載であります。
「大トリ」となる第7週目にご登場いただきますのは、「キャシディ ホーム グロウン」の八木沢博幸氏。30年以上の長きに渡って、店頭に立ち続ける原宿の生き字引的存在である八木沢氏は、US574を一体どのように調理するのか。どなたさまも必見です!
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US574 by H.YAGISAWA (CASSIDY HOME GROWN)
ニューバランスの伝統色ともいえるグレーを敢えて避け、ネイビーをベースにオーセンティックなバランスで仕上げられたこの1足。なぜ、ネイビーに行き着いたのか?そこに秘められた思いとは?
インタビュー
— それでは、まずはじめにニューバランスとの出会いについてお話を伺いたいと思います。ニューバランスを初めて意識したのはいつ頃だったのでしょうか?
八木沢:1980年代の後半、モデルはM1300ですね。それ以前も、ニューバランスの存在は知っていたのですが、きっかけはニューヨークに出張に行っていた80年代の後半なんです。
その頃のニューヨークには、”シティアスリート”と言われる人たちが居て、その人たちはグレーのスウェット上下にグレーのニューバランスを履いている、というようなスタイルでした。それまでのアメリカのスポーツウェアは、もっとカラフルだったりラインが入っていたりしたのですが、そういったものとは違っていて、すごく保守的だけれどリッチ、質素だけれどスタイリッシュという彼らのスタイルがすごく新鮮で、憧れていました。
— 当時は、どのようなスタイルに合わせていたのですか?
八木沢:”シティアスリート”のスタイルが気になっていたからといっても、僕自身はアスリートではないので、ジーンズやチノーズに合わせて履いていました。
80年代後半にプレッピー世代の社会人、いわゆる”YUPPIE(Young Urban Professionals)“と呼ばれるような人たちがビジネススーツにスニーカーを合わせるというスタイルを始めて。それ自体は無理やり合わせている感じがして、あまり格好良いとは思わなかったのですが、そのなかから、裾の長さを短くしたり、自転車に乗るためにバンドを巻いたりだとか、スタイリッシュな合わせ方をする人も出てきたんですよね。そういうことにどこか憧れを持っていました。
— 先ほど、80年代以前にもニューバランスの存在を知っていたとお話いただきましたが、それはどちらでご覧になられたのでしょうか?
八木沢:80年代の『L.L.ビーン(L.L.BEAN)』のカタログなんかにもニューバランスのシューズって載っているんですよ。あとは、アメリカのランニング専門誌「Runners World」が毎年発表していたシューズランキングのランニング部門で、最高位にランクされていて。そういうこともあり、性能からくる格好良さというか、信頼のおけるスニーカーというのがニューバランスのイメージでした。
— なるほど。一番好きなモデルというのは?
八木沢:もちろん、M1300が頂点ではあるのですが、M420から900番台までのあいだが個人的には好きですね。
— ちなみに、いわゆるスモール”N”とビッグ”N”ではどちらがお好みですか?
八木沢:断然、ビッグ”N”が好きですね。マーク自体はあまり好きではないのですが、1976年に発売されたSUPER COMPとか355、M620、M420など、好きになった当時はビッグ”N”のモデルしかなかった。だから私の中ではニューバランスといえば、ビッグ”N”なんです。
— なるほど。好きなカラーはやっぱりグレーですか?
八木沢:グレーですね。もともとボストンという保守的な街で始まったブランドですし、保守的なアメリカ人のトレーニングウェア/シューズというのは、グレーの『チャンピオン(CHAMPION)』のスウェットに、グレーのニューバランス。僕の中ではそういうイメージが強いんです。
— 現在は、どのようなスタイルで合わせていますか?
八木沢:先ほどお話した昔の”YUPPIE”的な感じというか、リラクシングかつベーシックなスタイルですね。
— ちなみに今回のカスタムモデルはどういったイメージでお作りになられたのですか?
八木沢:最初はせっかくのカスタムなんだから、何か面白いものを作ったほうが良いのかなと思いましたが、それは自分が履くかな?と(笑)。だから、自分の履きたいものをオーダーさせてもらいました。
そこで、カラーは自分の好きなグレーとネイビーのどちらかにしようと考えて。でも、グレーは通常のラインでも多くやっていっしゃるので、ネイビーのシューズでちょっとだけ変わったものができればなぁと思ってカスタムしたんです。
— Nマークがリフレクターというのは何かこだわりがあるのですか?
八木沢:リフレクターというのは、僕の中では都会的な素材で、ニューバランスの持つ都会的なイメージに合うのではないかなと思ったんです。自転車の裾バンドだとかナイトジョガーみたいなイメージですね。
— こちらは、どういったスタイルに合わせたいですか?
八木沢:ジーンズやチノーズでも良いのですが、グレーのパンツに合わせてみたいですね。今シーズン、キャシディ ホームグロウンではグレーのパンツを推していて。素材はウールでも、プレスの入っていないカジュアルなものが良いと思います。
— 今回のカスタムサービスを利用しての、率直な感想をお聞かせ願えますか?
八木沢:すごく楽しくカスタムさせていただきましたが、欲を言えば、アッパーの素材を表革とスエードとでチョイスできればよかったと思いました。あとは、ステッチの色も指定できれば最高ですね。
— 最後に、これからのニューバランスに願うことは?
八木沢:ニューバランスはアメリカでスポーツシューズを作れる唯一の製造会社。僕はずっとアメリカに憧れがあるので、これからもアメリカでスニーカーを作り続けて欲しいと思います。
トラッドを基軸とした名セレクトショップ「原宿キャシディ」のオープン当時より30年以上、店頭に立ち続ける原宿のゴッドファーザー。昨年8月には、「原宿という土地で育ち、この土地で生きていく」という意志が込められた「キャシディ ホーム グロウン」を開店。店名と同じ名を冠するオリジナルレーベルのデザインも手掛けている。
http://www.cassidy.co.jp/CASSIDY/HOME_GROWN.html
現在、ニューバランス ジャパンでは、オフィシャルFacebookファンページにて、”44 styles of newbalance”と題して、日本を代表する44人のクリエイターがニューバランスについて語ったインタビュー動画が公開中。
リレー方式で44人、毎日更新されるスペシャルコンテンツとなっていますので、こちらもあわせてチェックしてみてください!
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