New Balance × Cluster 7週連続特別企画:Vol.1 草野健一(ビームス プラス ディレクター)

by Mastered編集部

ニューバランスの中核をなす人気モデル「ML574」をベースに、各パーツのカラーを自由に選び、U.S.Aメイドで自分だけの一足を作ることができるという、スニーカーファンならずとも感涙モノの「US574」パーソナルカスタムサービス
現在はまだ残念ながらアメリカ国内限定のサービスなのですが、「どうしても使ってみたい…!」という我々のわがままをニューバランス ジャパンさんにぶつけてみたところ、なんと!特別に利用させてもらえることになりました。

しかし、単に我々編集部が使ってみましたよ、という内容では、読者の皆様にとっては面白みに欠けてしまうだろう…ということで、日本のファッション界をリードする7名に「US574」の作成を依頼!それを毎週お届けしたいと思います!

…というわけで、記念すべき第一回目は、古き良きアメリカを今に伝える人気ショップ、ビームス プラスを取り仕切るディレクター、草野健一氏が登場。同氏らしいネタ選びが光る「US574」の配色、そして”アメリカ”というキーワードのもとに紡がれていく草野氏とニューバランスの過去・現在・未来をお楽しみください。

→Vol.2 斎藤悟(アーバンリサーチ プレスマネージャー)編はこちらから
→Vol.3 川口大輔(メタファー デザイナー)編はこちらから
→Vol.4 栗野宏文(ユナイテッド アローズ 上級顧問・クリエイティブアドバイザー)編はこちらから
Vol.5 江川芳文(ヘクティク ディレクター)編 9月12日(月)更新予定

写真:鳥居 洋介

US574 by Kenichi Kusano (BEAMS PLUS)




ベースをニューバランス伝統のグレーカラーが占めながら、「N」ロゴとヒールに用いられたネイビーが印象的な草野モデル。果たして、この配色に込められた真意とは!?
 

インタビュー

— まず、草野さんとニューバランスとの出会いについてお伺いできますでしょうか。

草野:僕が大学一年か高校三年生ぐらいのとき、熊本のビームスでグレーのM1300を取り寄せてもらったのが最初ですね。スポーツシューズとしてではなく、完全にファッションアイテムとして見ていました。

— 当時はどういったスタイルで履いていたのですか?

草野:夏だったら、ラコステのポロシャツにM-65フィールドパンツ、もしくはベイカーパンツを合わせて、足元にはM1300というスタイルですね。冬だったら、ポロシャツがボタンダウンシャツに変わるくらいのもので、とにかく軍パンにニューバランスというコーディネートでした。僕らより上のビームススタッフが、こういう格好をしていたんですよね。

— 思い入れのあるニューバランスというとどのモデルになるのですか?

草野:もちろん、M1300ですね。当時雑誌で、そのクッション性の柔らかさをくちびるのようだと謳っていたのですが、それを見て「一体どれくらいだろう?」と(笑)。これは試さなければいけない、と思ったわけです。それで実際に履いてみたら本当に衝撃的で、すっかり虜になってしまいました。

草野:そのあとに、アメリカ製のM576、カラーはネイビーのモデルを履いていましたね。当時、僕らの世代はアメリカものにハマっていましたから、「アメリカ製のスニーカー」というのが大きかった。当時アメリカ製のスニーカーって、ニューバランスとコンバース以外ほとんど無かったと思うんですよ。
それから、アメリカ本国ではDとかEとかウィズが選べるというのを聞いて、すごく真面目にランニングシューズを作っているんだなと感心しました。

草野:M1300に関していえば、軍パン以外にも、デニム、リーバイスの501XXにも似合う感じだし、ヴィンテージ好きにもハマる、そういうところがあったのかもしれないですよね。

— そして本日お持ちいただいたのが、ビームス プラス別注のM990ですよね。

草野:そうですね。これは、2009年にビームス プラスの10周年を記念して別注した、M990EXです。ああでもない、こうでもないと試行錯誤した結果、やっぱり思い入れの強いM1300カラーのグレーでやらせてもらおうよ、ということで、このモデルができたんです。

— 今回、カスタムしていただいたNB574もグレーをベースにしていますよね。

草野:これには元ネタがあるんです。先日発行されたばかりの『TAKE 8 IVY』という本があるのですが、そのなかの1ページで女性が履いていたものをモチーフにしているんです。ただ、もしこれがレディースだけのカラーだったら嫌だなと思っていたんですが、探してみたらバッチリメンズのモデルがあったんですよね。1980年に発表されたM620というモデルなんですが、これを元にカスタムしました。

— このシューズには、どういうスタイルを提案したいですか?

草野:僕らは、秋冬シーズンであればウールのパンツ、春夏シーズンであればウールトロピカルのパンツといったように、ドレスダウンのアイテムとしてニューバランスを履いて欲しいと思っています。今回のコーディネートでもそうですが、通常であればレザーシューズを合わせるところに、ハズしの意味でニューバランスを持ってくる、といった感じですね。

— 実際にこのカスタムサービスを使ってみた感想はいかがでしょうか?

草野:率直に言うと、もうちょっとカラーを変えられる場所を増やして欲しいな、と思いました。カラーバリエーションはこれ以上増やすと迷ってしまうんじゃないかな思います。

— 最後になりますが、これからニューバランスに期待することはなんでしょうか?

草野:やはり、「走るための靴」であり続けて欲しいと思います。ウィズが選べるとか、フィッティング、クッション性であるとか、そういった走るための道具としてのランニングシューズであって欲しいですね。

プロフィール

草野 健一(くさの けんいち)

ビームス入社から3年後の1999年、「永年着られる飽きのこない本物の男服」をテーマに掲げた新コンセプトショップ、ビームス プラスの立ち上げに参画。バイイングとともに、レーベルと店鋪のディレクションも手掛ける。
http://blog.beams.co.jp/beams_plus/

現在、ニューバランス ジャパンでは、オフィシャルFacebookファンページにて、”44 styles of newbalance”と題して、日本を代表する44人のクリエイターがニューバランスについて語ったインタビュー動画が公開中。
リレー方式で44人、毎日更新されるスペシャルコンテンツとなっていますので、こちらもあわせてチェックしてみてください!

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