Mark Oblowが描き出すアートとコミュニティシップ、そしてIncaseのこと

by Keita Miki

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— 過去にも色々なブランドのディレクションを行って来たと思いますが、現在は特定のブランドと何か仕事をしていますか? 昨年RVCA(ルーカ)とのカプセルコレクションを発表しましたよね?

Mark Oblow:昔は、その時々でブランドの為に働いたんだ。ブランドから、ディレクターとして雇われるような形で。でも、ブランドや企業っていうのはどんどん人が変わっていく。そういう人の移り変わりっていうのは、自分にとってはあまり良いことではなかったので、4年前にそういうブランドとの関わり方を止めて、アートだけに専念することにしたんだよ。でも、自分のアートを気に入ってくれて、RVCAやSTANCE(スタンス)、ELECTRIC(エレクトリック)なんかが声をかけてくれたりして、また一緒にアイテムを作ったりするようになったんだ。自分で、TOGETHER TOGETHERっていう新しいスケートボードブランドも立ち上げたよ。今は自分のやりたいことだけを、一緒に取り組めるブランドと仕事をしたいと思っているかな。RVCAとのカプセルコレクションはセールスも良くて、どんどんコレクションが増えていっているんだ。Incaseも、自分が好きなようにやらせてもらっているし。自分の友人や周りのファミリーのこともサポートしてくれているよ。自分をリスペクトしてくれるのと同じように、自分のファミリーのことも扱ってくれるんだ。そうでなければ、僕にとってはうまくいかないんだよね。皆対等なんだ。今回は、横浜での『GREENROOM FESTIVAL』の為に来日したんだけど、せっかくだったらプライベートな時間を持ちたかったし、東京が大好きだから東京に滞在したかったんだ。そこで、Incaseに相談したら、この展示が実現した。お互いがお互いを良い形で頼っているような感じだよね。お互いが高め合うような。美しい女性がIncaseを持って歩いていたら、自分もあのカバンが欲しいって思うだろ(笑)。自分のアートはとてもパーソナルなもので、自分の感情が詰まった主観的なものだから、自分を本当に知っている人たちに発信してもらいたい。どっかの知らないモデルに着せてどうこうじゃなくて、自分と気持ちが通い合っている人との関係性の中で発信したいし、作り上げたいんだ。

— Incaseとの関係はどのようにスタートしたんですか?

Mark Oblow:数年前、僕の友人がIncaseのオーナーだったんだ。彼は元々DC SHOES(ディーシーシューズ)のオーナーでもあってさ。スケートボードの世界はとても小さいから、僕らはとても親しい友達だったんだ。サーファーのKelly Slater(ケリー・スレーター)やスケーターのPaul Rodriguez(ポール・ロドリゲス)、Craig Anderson(クレイグ・アンダーソン)なんかをマネージメントして欲しいと最初はお願いされて。スケートボードとサーフィンの両方を知ってるから、どちらもマネージメントできるし、写真も撮れるし、アートも出来る。彼らをモチベーションづける事も出来るしね。そうやって始まった後に、Incaseのオーナーが変わってしまって、一度は色々終わっちゃったんだ。僕も他のプロジェクトをやるようになって、カメラバッグのブランドや旅行用鞄のブランドとも契約したけど、Incaseみたいな複合的なマルチなブランドとは関わっていなかった。そして、結果的にまたIncaseと仕事をすることになった。Incaseはクオリティも値段も実用性も機能性も優れているし、バッテリーやケーブルまで作っているし、オーガナイザーもちょうど良い大きさだし、カメラバッグもあるし、今回、僕がイベントでペイントするような旅行用鞄もある。僕は常に旅をしているから、自分のニーズが全て満たされて、機能性としても自分の人生にとってパーフェクトなマッチングだと思ってるよ。

— 写真やステンシル、コラージュワークなど、様々なアウトプットを持っていますが、アウトプットの仕方によって製作時のスタンスは変わってくるんですか?

Mark Oblow:変わらないかな。あまりプランも決めないで制作に入るんだ。下書きもやったことないし。鉛筆が苦手なんだよね。ミスを消しちゃうのが嫌なんだ。僕にとっては間違えも間違えじゃない。すごくルーズに決めて、最初と最後には全然別のものに変化していたり。それが1つのフロウになっているんだよ。

— あなたの作品には骸骨のモチーフが頻繁に現れますが、それは何故なんでしょうか?

Mark Oblow:何かを象徴したイメージというよりは、花とかと一緒で単に形として使っているんだ。若い頃に影響を受けた、パンクロックやスケートボードのアートワークには沢山骸骨のモチーフが使われていたからね。そこから影響を受けているんだと思う。

— 日々の制作ではどのようなことからインスピレーションを受けていますか?

Mark Oblow:旅行、女性、自然、人々、エナジー、音楽、人生。