Mark Oblowが描き出すアートとコミュニティシップ、そしてIncaseのこと

by Keita Miki

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— 過去に影響を受けたカルチャーやアーティストなどについて教えてください。

Mark Oblow:スケートボードとサーフィンのカルチャーからは間違いなく影響を受けているよ。人生全てを費やしているし、それは今も変わらない。アーティストだったら、Mark Gonzalesが僕にとって最も偉大なアーティストだよ。そして、彼はプライベートでも友人だし、彼の家族とも仲が良い。僕は自分のエゴを持ち込まないし、謙虚であろうとしているんだけど、それは自分にとって、ダリやピカソと同じくらい偉大なアーティストが友人たちだからというのが大きいかもしれない。

— スケートボードはオリンピック競技にもなり、業界としても規模がどんどん大きくなっていると思いますが、昔と現在のスケートボードシーンにおいて、どのような違いがあると思いますか?

Mark Oblow:自分がスケートを始めた時は、自分もお金がなかったし、業界にもお金が無かった。リスペクトもされないし、犯罪者扱いされるようなものだったんだ。けど、それでも僕らにとってはスケートボードが全てだった。スケーターは相手を差別しない。男だろうが、女だろうが、乞食だろうが、同性愛者だろうが、関係ないんだ。スケートボードをやる奴はスケーターだっていうことだけ。80年代は、外でスケーターに出会ったらすぐに友達になれるような感じだったしね。今は業界も大きくなっていて、そういうのはなくなってきているけど、競技としてメジャーなものになってきていて、X-Gameもあって、お金を見据えながらスタートするようなケースが増えているんじゃないかな。親がお金の為に、子供にサーフィンやスケボーを始めさせたり。それは昔とは完全に異なる点だよ。僕の両親なんて、僕がスケボーに乗ってるのを一度も見たことがないし、見せたこともない。でも、今じゃサッカーママって呼んでいるんだけど、「キックフリップするのよ!」なんて子供に大きな声で声をかけたりしているお母さんとかもいるよね。そういうことは、昔は決してなかった。お金が回るようになるのは、良いこともあれば悪いこともあると思う。でも、僕にはポジティブな要素の方が大きいよ。例えば、オリンピックとか。スケボーが公式竸技になったのはすごく良いことだと思う。それによって、世界中でスケートパークが建設されたりするし、あまり良くない環境にいるキッズにとって、スケートボードがそこを抜け出すきっかけになるかもしれないしね。僕はそもそもお金の為に始めたことでは無かったけど、スケートボードから始まったことのおかげで、こうやって世界中を回ることが出来ているしね。