Photo:Shota Kikuchi | Styling:Hisataka Takezaki | Hair&Make-up:Masaki Takahashi | Model:Dos Monos | Text:Yuzo Takeishi | Edit:Atsushi Hasebe
—デスボム・アークとの契約が決まった経緯について教えてもらえますか。
荘子it:自分たちの音楽を気に入ってくれる人は、むしろ海外にいるんじゃないかと思って、最初から海外のレーベルにアプローチしたんです。その過程でいろんなレーベルを調べているとき、PitchforkっていうメディアのBEST NEW MUSICに選ばれていたJpegmafiaを聴いたらすごくカッコよくて……。その彼が所属してるのが、デスボム・アークだったんですよ。面白そうだから音源を送ってみたらすぐに「他の曲も聴かせて」みたいなレスポンスがあって、何度かラフなやりとりをしてたらいつの間にか契約しちゃった(笑)。
TAITAN MAN(以下TAITAN):メール7通くらいの往復で「じゃあ、契約で」みたいな。向こうもゴリゴリのメジャーレーベルって感じじゃないから、純粋に音が気に入ったアーティストには声かけて……みたいなスタイルらしく、展開は速かったですね。
—どのへんの音が気に入った、みたいな話はありましたか。
荘子it:直接、「オマエらの音楽のどこが好きだ」とかはまだ言われてないんですけど、デスボム・アークのインスタに「ブーンバップなヒップホップのノリに、フリージャズの小さなバンドがいくつも同時に演奏してるようなうわものが乗っかってて、これはすごく面白い」みたいなことが書かれていたんです。このコメントって、自分がトラックを作っているときに頭の中で想像している情景にすごく近いんですよ。日本でもライブはやってるんですが、やばいノリばかりがクローズアップされて、音については具体的に語られないですからね。だから、音を初めてちゃんと言語化してくれたデスボム・アークは、すごくフラットに聴いてくれたんじゃないかと思いますね。
—フリージャズとかプログレのエッセンスがDos Monosのサウンドのアクセントになっていますが、こうした音楽はいつ頃から好きだったんでしょうか。
荘子it:高校1年くらいですかね。中学で楽器をやるようになってから、いろんな音楽を聴くようになって、掘っていくうちにフリージャズとかプログレも聴くようになりましたね。こういう音楽って、今のシーンではあんまり聞こえてこない音だから面白いですよね。
TAITAN:初めはニルヴァーナとか、90年代ロックのコピーバンドとかやってたんですけど、だんだん逸れていきましたね。キング・クリムゾン、ピンク・フロイドから始まって、気づいたらプログレにどっぷり。だから、実は僕らってヒップホップ畑じゃないんですよ。
荘子it:ヒップホップは一番最後に聴いたジャンルかもしれないですね。先に現代音楽とかを聴いて、ようやくヒップホップにたどり着いた感じ。
TAITAN:プログレって、展開がころころ変わって、興奮の渦がどんどんできていくのが、当時の僕には最高の快感だったんですよ。だから、ヒップホップみたいにずっとループしてる音楽は、一番遠いところにあったんですよね。