Leeの『101』を通して考える、僕らのスタンダード – ホフディラン –

by Marina Haga

新進気鋭なラグジュアリー・ストリートの波やインディペンデントブランド、そしてメディアに上がるスタイルサンプルの数々など、さまざまな価値観の混在するなかに身を置く僕らは、たまに何を基準に服を選べばいいか分からなくなることがある。それは服だけでなく、音楽や食べ物においても同様だ。
本特集では、Lee(リー)が開発したデニムの元祖モデル『101』を、スタンダードと所縁のある多様なミュージシャンに着こなしてもらうとともに、“スタンダード”について、彼らの記憶を辿りながら再考。
第5回目は、20周年を迎えた昨年、5年ぶりのアルバム『帰ってきたホフディラン』をリリースし話題となったホフディランが登場。90年代を代表する名盤『多摩川レコード』を思わせるサウンドに原点回帰した理由を、彼らの今のムードを交えながらたっぷり語ってもらった。
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※本特集内に掲載されている商品価格は、すべて税抜価格となります。

Photo:Shota Kikuchi 、Styling:Hisataka Takezaki、Hair&Make-up:Masaki Takahashi、Model:Newspeak、Edit:Atsushi Hasebe、Text:Marina Haga

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20年経って古巣ポニーキャニオンに戻り、原点に立ち返った気がする(小宮山雄飛)

ホフディラン
小宮山雄飛と渡辺慎から成る、日本が誇る2ピースPOPグループ。ロックやフォーキーなサウンドが評価され、独自のポップスを奏でてきた。デビュー20周年を迎えた昨年は、デビューアルバムにして90年代の名盤ともいわれる『多摩川レコード』再現ライヴや、それを強く想起させる9枚目のアルバム『帰ってきたホフディラン』をリリース。その他にも、小宮山雄飛は、カレーの本の執筆や渋谷区の観光大使兼クリエイティブディレクターを務めるなど多彩なフィールドで活躍。一方で、ワタナベイビーは忌野清志郎風のメイクと衣装をまとった『ニセ忌野清志郎』の活動でも知られている。

小宮山雄飛(Vo/Key)
AMERICAN RIDERS 101Z(LM5101-446)13,000円(Lee Japan TEL:03-5604-8948)、brusco,kのジャケット 69,000円、プルオーバージャケット 30,000円(ともにOVERRIVER TEL:03-6434-9494)、VA-VAのストライプシャツ 16,000円 (VA- VA TEL:03-6434-1373)、MARKAWAREのスニーカー 32,000円(PARKING TEL:03-6412-8217)、その他 本人私物

—ホフディランは、比較的スタンダート色の強い印象があるのですがいかがでしょうか

小宮山雄飛(以下、雄飛):実は今まではそこまでそうでもなくて、音楽のテイストも、何かに縛られることなく変化させてきたと思っていたんですけど、昨年古巣ポニーキャニオンに戻って、『帰ってきたホフディラン』をリリースしたときは、タイトルもそうですし確かにスタンダードを意識していたかもしれません。結成から20年経って初めて自分たちってこうだよねっていうことがいえるようになった気がしましたし、できあがった自分たちのスタンダードみたいなものを自然と受け入れられるようになってたんですよね。

ワタナベイビー:昨年のアルイバムを出したタイミングくらいから、ホフディランの方向性がスタンダードに向きはじめた気がします。

—これは何かきっかけがあったのでしょうか。

雄飛:多分、これは僕の個人的なムードがそうなってきているせいもあって。歳をとった今、飾らないずっと愛されているものの方が、自分にも時代的にもフィットしている気がしたんですよね。

—20年経って今原点に戻った時に見えてきた2人にとってのスタンダードな部分とは、具体的にどんなところなのでしょうか。

雄飛:最先端を追わないっていうことですかね(笑)。例えば、96年のデビュー当時から、60年代のThe Beatlesに影響を受けたようなことをどこかに取り入れたりすることをしていたのですが、それだと世の中のその瞬間のスタンダードとは全然かけ離れているわけですよ。特に渡辺くんは、そういうのが少し強いような気がします。

ワタナベイビー:確かに、初期はフォークとリズムボックスの組み合わせみたいな、オールドスクールな音楽が多かったですからね。僕自身は、すごくスタンダードな人間なんですが(笑)。

雄飛:わかりますよ。20年前のスタンダードを聞いているけれど、それって今のスタンダードではないんですよね。

ワタナベイビー:僕はThe Beatlesが好きでチャップリンも好きだったんですが、そういう人って学年で誰もいなくて(笑)。広い世界を見ると最もスタンダードだったはずなのに。

雄飛:渡辺くんは、多分、いわゆるスタンダードのなかでも本当にいいものをかいつまんで聞いてきた感じなんでしょうね。