Photo:Shota Kikuchi 、Styling:Hisataka Takezaki、Hair&Make-up:Seiko Harada、Model:The ManRay、Edit:Atsushi Hasebe、Text:Marina Haga
—はじめに、今の若手バンドは都会っぽい、いわゆるシティポップが多いなかで、The ManRayはそれに逆行する土臭いロックなような気がします。それに至った理由はあったりするのでしょうか。
コガコウ(以下、コウ):他と同じような事やってても面白くないってのと、自分たちがグッとくるポイントがそこだったんですかね。
アサトタクロウ(以下タクロウ):みんな共通で好きなのは、The Beatlesとかぐらいなんですが、結局バンドサウンドでやるってなって、やってたらグッとくるのが土臭いものになったのかなと。
—それはバンドを続けているうちにそうなっていったんですか。
タクロウ:そうですね。例えば、別に田舎(沖縄)に執着するつもりはないけど、都会に住んでいても都会っぽく生きてないし、生きられないんですよね。渋谷や原宿にもあまり行かないし、華やかなこともしないですし。
—そういう思考性になったきっかけとかはあったりするのですか。
コウ:あー、それは実は自分でも考えたことがあったんですが、結局よくわからなかったんですよね(笑)。土臭さってのとは少し別ですが、最先端よりも懐古主義な部分が強く、そういう思想になったのはおそらくですが、映画が入り口だったのかなとは思います。そのほかにも、ファッションとか小説とかいろいろな要素に影響されてこのような考え方になってきた感じはあります。
オオシロリュウジ(以下、リュウジ):音楽も映画も小説でも、昔からお互いに好きなやつを教えあってましたからね。
—具体的にはどういう映画が好きなんですか?
タクロウ:ジム・ジャームッシュみたいな、ああいう世界観が好きですね。
コウ:『イージー・ライダー』とかアメリカン・ニューシネマとかにも影響受けましたね。
—なるほど、たしかにオールドファッションですね(笑)。
タクロウ:きっとああいう時代を体験してないからこそ、楽しそうに思えるんですよね。あとは憧れみたいなのもあったり。
—タクロウさんはロンドンに留学していたんですよね。音楽で影響受けたことはありますか。
タクロウ:イギリスの音楽に影響を受けたというよりも、音楽の聴き方を教えてもらった感じはあります。ちょうどルームメイトがDJやってて、それまであんまり聴かなかったヒップホップやブレイク前のジェームス・ブレイクみたいなダークで重厚なサウンドを教えてもらったり。クラシックというよりは、その当時イギリスで流行ってる今っぽい音楽を色々と教えてもらいましたね。
—そのせいなのか、バンドの初期の楽曲が今とは少し異なり、エレクトロ寄りな気がしました。
タクロウ:そうですね。昔の楽曲とかはトロ・イ・モアにハマっていたこともあってかなり影響を受けていたかもしれません(笑)。音の処理の仕方が面白くて、自分でも作ってみたくなったんですよね。
—それでバンドでやっていくうちに今のように削ぎ落とされていったんですね。
リュウジ:そそうですね。それぞれのパートが楽しみながら自由にやっていたら自然とこういうスタイルができてました。