Photo:Shota Kikuchi 、Styling:Hisataka Takezaki、Hair&Make-up:Masaki Takahashi、Model:Newspeak、Edit:Atsushi Hasebe、Text:Marina Haga
—ホフディランは、比較的スタンダート色の強い印象があるのですがいかがでしょうか
小宮山雄飛(以下、雄飛):実は今まではそこまでそうでもなくて、音楽のテイストも、何かに縛られることなく変化させてきたと思っていたんですけど、昨年古巣ポニーキャニオンに戻って、『帰ってきたホフディラン』をリリースしたときは、タイトルもそうですし確かにスタンダードを意識していたかもしれません。結成から20年経って初めて自分たちってこうだよねっていうことがいえるようになった気がしましたし、できあがった自分たちのスタンダードみたいなものを自然と受け入れられるようになってたんですよね。
ワタナベイビー:昨年のアルイバムを出したタイミングくらいから、ホフディランの方向性がスタンダードに向きはじめた気がします。
—これは何かきっかけがあったのでしょうか。
雄飛:多分、これは僕の個人的なムードがそうなってきているせいもあって。歳をとった今、飾らないずっと愛されているものの方が、自分にも時代的にもフィットしている気がしたんですよね。
—20年経って今原点に戻った時に見えてきた2人にとってのスタンダードな部分とは、具体的にどんなところなのでしょうか。
雄飛:最先端を追わないっていうことですかね(笑)。例えば、96年のデビュー当時から、60年代のThe Beatlesに影響を受けたようなことをどこかに取り入れたりすることをしていたのですが、それだと世の中のその瞬間のスタンダードとは全然かけ離れているわけですよ。特に渡辺くんは、そういうのが少し強いような気がします。
ワタナベイビー:確かに、初期はフォークとリズムボックスの組み合わせみたいな、オールドスクールな音楽が多かったですからね。僕自身は、すごくスタンダードな人間なんですが(笑)。
雄飛:わかりますよ。20年前のスタンダードを聞いているけれど、それって今のスタンダードではないんですよね。
ワタナベイビー:僕はThe Beatlesが好きでチャップリンも好きだったんですが、そういう人って学年で誰もいなくて(笑)。広い世界を見ると最もスタンダードだったはずなのに。
雄飛:渡辺くんは、多分、いわゆるスタンダードのなかでも本当にいいものをかいつまんで聞いてきた感じなんでしょうね。