— ストリート過ぎないイメージになってますよね。
ミト:そうですね。クラムボンは、着るものが1つの方向に偏っちゃうと、バランスが悪く見えちゃうんですよね。3人だからというのもあるんでしょうけど、変に流行に乗ろうとすると、3人の見え方のバランスが崩れるんです(笑)。そういった意味では、お互いこういうカラーだよねっていうのがそれぞれあって、そこに揃えていく感じです。
— 一定の方向に行き過ぎると、クラムボンぽくなくなるという感じですかね。
ミト:それは結構ありますね。やっぱり、メインストリームとは違うところにいるようにしてまいますし。モノ作りもそこを意識していますね。ファッションも取り入れられるものは取り入れますが、一辺倒にしないというような制約が潜在的にそれぞれにあるような感じがしています。お互いにあまり話はしないですけどね。
— たしかにファッションはお好きそうですが、固定化された服装のイメージがあまりありませんね。
ミト:そうなんです。各々ファッションは好きなんですけどね。でも、私たちが、オーバーサイズのスカジャンとか着ないじゃないですか(笑)。やっぱり、ちょっとメインストリームから外れたようなものが好きなんでしょうね。
— そこは3人共通してそうですね。帽子を作った時のこだわり方が、「音楽作ってる時と同じ」って、ステージで郁子さんに茶化されてましたが、何か共通しているところはありましたか?
ミト:さっきも言った通り、1ミリ変わるだけで、顔の見え方がすべて変わるんですよね。そういう部分が、例えば、Bメロのこの場所の語尾がどうにも気になる。となると、そこだけ何10テイクもかけて録り直すような感じに近いですね。
— やはりレコーディングもそのような感じでされているんですね。
ミト:そうですね。絶対他の人には分からないと思います(笑)。でも、そういうことが、他と違って見える何かになるんだろうなと思ったりします。
— メンバーはみなさんそういうところがあるのですか?
ミト:みんなそうかもしれないですね。そこそこ3人とも聞かん坊なので。そういうのってこの歳になると修正効かないじゃないですか(笑)。嗜好性がこびりついちゃってるんで。
— となると、レコーディングは結構大変そうですね(笑)。
ミト:どうなんですかね。各々のこだわりを他の人に見えないところまで磨き上げてから現場に来る人たちなので、きっと個人では死に物狂いでやっていると思うんですけど、もう最近はあんまりそういうのは見せないかな。昔は、一つ屋根の下の山小屋みたいなスタジオでレコーディングして いたので、苦労しているところも全部お互いに見ていたんですけど、最近はそういうのを見せずに磨き切った状態でスタジオ入りして、スマートにレコーディングして終わらせますね。そうすることが自分たちの自信にも繋がってます。