『挑戦する色としての「黒」』橋本敦(スタイリスト)

by Mastered編集部

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同じパンツを3回裾上げに出したり

— なるほど。ちょっとプライベートな話になってきたんでお伺いしたいんですが、橋本さんは生まれたときから西東京のあたりなんですか?

橋本:そうですね。一時期親の転勤で地方に行ったことはあったんですけど、また高校入る前に戻ってきました。免許とってからは福生によく行ったりしてましたね。そこでの出会いも大きい影響を受けましたね。

— そのころからテニスはされていたんですか?

橋本:高校のときにやってました。大学目指してたんですが、ひじを怪我して諦めたんです。で、最近15年ぶりにまた始めました。

— やっぱり格好にもこだわってやってる訳ですよね?

橋本:昔はそれこそフレッドペリーとかポロの鹿の子素材のポロシャツがあったぐらいじゃないですか。それが今やナイキのドライフィット(DRI-FIT)のような機能素材が当たり前で、しかもホントに着やすいし快適。当時ナイキを着ている(アンドレ・)アガシという選手がいたんだけど、その人のモデルが欲しくてね、でもお金もなかったから買えなかったんだよね。その反動!?なのか、今はプロの選手バリに全身ナイキでやってます! とりあえずまずはカッコから..。

— 全身ですか?!

橋本:ウェアから靴下、靴まで全部(笑)そんなところも楽しんでね。復刻モデルを買って当時の思いを払拭したりね(苦笑)…ここだけは無駄が多いかも。

— 運動自体は結構ハードですか?

橋本:初めはちょっときつかったけど、別で簡単なトレーニングもやるようになってからは大丈夫です。2セット(3時間)やっても、気持ちよく疲れたな、ってくらい。始めた当初は家に帰ると何も出来なくなってましたけど、馴れてくるもんだなぁって。

今となっては、早くい上手くなりたいから出来るものなら毎日でもやりたいぐらいなんですけどね。平均で週1が限度ですね。

— まぁ、それぐらいが現実的ですよね。

橋本:体動かす趣味も作りたいな、と思ったときに、どこかで仕事が疎かになっちゃう怖さもあってね。でもその点テニスは時間のロスが少ないんですよ。さいわい自宅のそばにテニスコートもテニススクールも多いんですよ。だから今通ってるところも家から車で10分ぐらいで行けるし。そこがイイなぁって。丸一日潰れちゃうような感じだと、なかなか続けられないですからね。

— それはありますよね。お手軽感と言いますか。

橋本:そう、お手軽お手軽。まさにそんな感じ。
とにかく20代の頃って仕事しかしてなかったし、実際仕事が好きだったしね。もちろん今も仕事は好きですけど、上の人たちがサーフィンやゴルフに行ってどうの…みたいな話を聞くと、そういうのもやっぱり大事だなぁって。自然と一緒に過ごすこととか。
昔は本当に服のウェイトが大きかったけど、食事もすごく大事だと思うようになったし、衣食住のすべてにすごくこだわりを持つようになりましたね。

— それは、僕もここ最近とくに感じます。

橋本:もともと20代から比較的気にしていたほうだとは思うんだけど、より最近は生活にかけるウェイトが徐々に高くなってきてます。
やっぱさぁ、ファストフードだけ食べていいモノを着ててもしょうがないし。とにかく一週間仕事を頑張って、週末は友達や彼女と食事しに行くゆとりがあったりとか、そういうのがすごく大事。家族がいるヤツも増えてきたからちゃんと決められた時間の中で集中して盛り上がって話して、終電前に帰る。それがリフレッシュかなって。

— なるほど。僕はまだついつい深酒してしまいがちですが…(笑)
すこし話を服に戻してお聞きしますが、洋服を買う量というのは昔に比べていかがですか?

橋本:昔みたいに、失敗をするような買いモノはしなくなりました。好みがある程度決まっている分、ほとんど失敗しなくなったんでしょうね。ただ、買ったパンツを納得いくまでの「驚愕の3回裾上げ」に出したこともあります。

— (笑)すごいですね。

橋本:3cm、もう1cm、あと5mm…っていう感じで。誰も気づかないんだけど(笑)
でもこれだったらサルトリア、これだったら縫い屋、とかお願いするところを分けてたりします。ダブルなんかは自分でやるよりキレイにやってもらえますし。タタキだったら自分でやっちゃいますね。でも生デニムなんかはチェーンステッチがいいから別に出したりね。そんなのを楽しんでます。
結構色々買ってはいますけど、「着ないで終わっちゃうようなモノ」は無いですね。でも、靴はものすごい割合で買っているかも。全体を10とすると、5ぐらいは靴。

— 買ってますねぇ(笑)全体のバランスはいかがですか? やっぱりスニーカーが多め?

橋本:スニーカーが6か7で、残りが革靴かな。

— スニーカーだとどの辺が多いですか?

橋本:やっぱり今のいわゆるハイテク的なシューズよりは、ローテクと呼ばれるモノですかね。履く形は昔からバンダルだったり、最近だとダンクとハイブリッドになってるヤツだったり。あとバンズはエラとかスケートハイ、あとはスリッポン。オールドスクールとかは履かないですね。

— あとはダブル アール エルですか?

橋本:ダブル アール エルは、このウェスタンシャツのモデルが気に入ってます。で、今回は2色ラルフ・ローレンから貸してもらいました。買おうかなと思ってるカラーと、自分が持ってる赤と。毎シーズン買い足してますね。

— どれくらい持っているんですか?

橋本:10枚あるかないかくらいですね。ラルフ・ローレンの中でもダブル アール エルはデイリーに仕事にもオフにも着れるので、クタクタになって色が落ちて着た頃がなじんでいいですね。なので気兼ねなくガンガン洗って着てます。

— インディゴのアイテムもお好きなんですか?

橋本:コットンニットをインディゴ染めした色がすごく好きで。リペアがバンバン、ってのはとくに好きっていうワケではないんですけど、これは雰囲気があっていいですね。あと全身インディゴみたいなコーディネイトも結構好きだったりします。

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