編集部が厳選した今注目すべきブランドに毎週1ブランドずつ登場してもらい、新作アイテムの紹介とデザイナーへのロングインタビューを5週連続で実施していく人気企画『ブランド大特集』。過去2回、僕らのファッション感に大きな影響を与えてきた偉大なる“先輩たち”を中心に話を聞いてきた本企画だが、今回は少し目線を変え、「これから先10年の東京メンズシーンを支えるブランド」というテーマを基に5週連続、計5ブランドにフィーチャーしていく。
第2回目となる今回は、Mark McNairy(マーク・マックネイリー)と倉石一樹のコラボレーションで作り上げる話題の気鋭ブランド[MARK McNAIRY for Heather Grey Wall(マーク・マックネイリー フォー ヘザー グレイ ウォール)]が登場。2012年までは、スポットアイテムとして不定期で展開されてきた[MARK McNAIRY for Heather Grey Wall]だが、2013年の春夏シーズンより、新しいレーベルとして本格始動を果たし、この秋冬で2シーズン目を迎える。“自然体”という言葉がピッタリな2人のデザイナーの対談と、遊び心のあるコレクションをじっくりと楽しんで欲しい。
→VOL.01:[WHIZ LIMITED]はこちらから
→VOL.03:[DIGAWEL]はこちらから
→VOL.04:[Sasquatchfabrix.]はこちらから
→VOL.05:[CHRISTIAN DADA]はこちらから
→2011年秋のブランド大特集はこちらから
→2012年春のブランド大特集はこちらから
「一樹を見た瞬間に一緒に仕事ができそうだなと思った」(Mark McNairy)
—まずはMARK McNAIRY for Heather Grey Wall]というブランドがスタートすることとなったきっかけ、そして不定期で展開されていたコレクションを定期化することになった理由を教えて下さい。
マックネイリー:確か初めは共通の友人の紹介で会ったんだと思う。その時に一樹が[CASHCA(カシュカ)]の服を持ってきてくれたんだけど、それが凄く良くてね。何か一緒にやろうってことになったんだよ。僕はなんでも直感的に判断することが多いんだけど、一樹を見た瞬間に一緒に仕事ができそうだなと思った。最初はスーツのセットアップと靴を作ったんじゃなかったかな。
倉石:そもそも僕がマックネイリーさんの作る服が好きだったということがあるんですけどね。共通の知人を通してオファーをしたらすぐに引き受けてくれたので、驚きました。スポットじゃなくて、定期のコレクションになったのは、お互い作りたいものが増えてきたので、まとめることになったという感じです。
—この秋冬で2シーズン目、先日展示会が終わった2014S/Sコレクションで3シーズン目となりますが、シーズンを重ねてみての感想ってありますでしょうか。
マックネイリー:どんどん良くなっていると思うよ。一樹との作業は楽しいし、最高だよ!
倉石:アイディアがたくさんあるので、アイテムが増えましたね(笑)。
—[MARK McNAIRY for Heather Grey Wall]はお二人のコラボレーションブランドなわけですが、実際の作業はどのようにして進んでいくんでしょうか。役割分担があったりするんでしょうか。
倉石:年に2回のカプセルの時には必ず会いますし、それ以外にも僕が買い付けの用事などで年に2回ぐらいニューヨークに行っているので、一年の間に少なくても4回ぐらいは直接会う機会があるんです。大事なところはその時に直接会って話をしますね。あとはメールのやり取りです。例えば、元々マックネイリーさんは[J.PRESS(ジェイプレス)]をやっていて、トラッドを良く知っているから3ピースって今どう?っていうアイディアを僕が投げると、「今やるならスタイルはこうで、ボタンはいくつだ」みたいな答えが返ってきて、それだったらこんな生地があるけどって僕がまた提案するっていうような流れで進んでいったりしますね。
マックネイリー:コレクション全体の雰囲気やパッケージは一樹に任せて、私はプロダクトのアイディアを出してくって感じかな。
—シーズンのコンセプトや、テーマなどを先に設けるのではなくて、プロダクトのアイディア、ディテール、生地みたいなところからモノ作りがスタートしていくという感じなのでしょうか。
倉石:コンセプトが先にあるっていうことはないですね。ひとつのアイディアから生まれてくる感じです。お互いの作りたいものがまず先にあって、そこから全体をまとめていくという流れです。マックネイリーさんからプロダクトに関するアイディアがポンポンと出てきますし。
マックネイリー:私はいつもノートを持ち歩いていて、気になったものを書き留めておくんだけど、このアイディアは[MARK McNAIRY for Heather Grey Wall]にいいなと思ったら、一樹にすぐ連絡を入れてる。「やりたいことがあるんだけど」ってね!
次のページに続きます。