ファッション業界で一番ダサいTシャツを探せ! 『ダサTわらしべ長者』 第3回

by Keita Miki

春夏秋冬、1年365日のうち、リアルに340日ぐらいはTシャツを着ているMastered編集部だからこそ、気付いたことが1つある。
最近、世の中のTシャツがちょっとお洒落になりすぎた……。
人々の”安くてお洒落なTシャツ”への需要に応えるかのように、Tシャツのシルエットは改善され、”どん詰まり”の首もとは淘汰され、グラフィックは洗練されたものへと変化。気付けば、地方の土産屋のTシャツでさえ、「なんだよ、思ったよりお洒落じゃん……」、という始末である。
ダサい、どう着てもダサい、目も当てられないほどダサい。だけど、なんだか笑えるくらいにダサくて、いつまでたっても捨てられない。そんな僕らの愛した”ダサT”たちは、一体何処へ消えてしまったのだろうか。
”深イイ話”ならぬ”ダサイイTシャツ”は、最早、絶滅危惧種なのだろうか。
上記のような無駄に熱い”ダサT”への想いを胸に、Mastered編集部がお届けする連載『ダサTわらしべ長者』では、毎回、ゲストに自慢の”ダサT”を持ち寄ってもらい、それを現在編集部が所持している”ダサT”と物々交換。この物々交換を続け、”キング・オブ・ダサT”を見つけ出そうという青春系企画であります。
第3回には、Masteredでもお馴染みのパジャマブランド・NOWHAW(ノウハウ)の十河幸太郎&チューソン夫妻が登場!

Photo:Kazuki Miyamae

前回のおさらい

前回は庄司信也さんが所持していた”尾藤武”風のTシャツをゲット!

今回はこのTシャツと、十河さん夫妻の自慢の”ダサT”を交換してもらいます。

十河幸太郎&チューソン(NOWHAW)

パジャマによる「新しく思いがけない驚きのある休日と世界」を過ごす為のノウハウを提供すべく、2012年にパジャマブランド・NOWHAWをスタート。”寝心地最優先”、”睡眠至上主義”、”健康第一”といったスローガンのもと、私生活では2人の子宝にも恵まれ、今日も元気にパジャマを製作中。

— 人生で初めて自身で購入したTシャツを教えてください。

十河:MICHIKO LONDON(ミチコロンドン)のTシャツ。小学校5年生くらいの頃です。

チューソン:そんなのいちいち覚えちゃないよ!

— Tシャツが似合う有名人と聞いて思い浮かぶ人は?

十河:パッと思いついたのは加賀美健さん。お会いする時はいつもTシャツだし、日焼けして色褪せたTシャツってイカすと気付かせてくれたのも加賀美さんです。

チューソン:反町隆史だね! ”ポイズン”って書いてあると尚更いいね!

— この夏イチオシのTシャツを教えてください。

十河:Somewhere in Tokyo(都内某所)のTシャツ。ロゴデザインが五木田智夫さんや中村譲二さんなのです。

チューソン:イチオシのTシャツは知らないけど、イチオシのゲームは『The Last of Us』だよ!

— 何かお知らせがあればどうぞ!

十河:僕らはパジャマを作っているのですが、”ダサT”って夏のパジャマの最高峰のひとつだと思っています。そんな寝間着に丁度いいダサTをお届けしたいと、3枚パックTシャツ『”sleepy 3p” tee』をNOWHAWのオンラインショップ・ROOM SERVICEに並べています。季節のパジャマやここでしか買えないパジャマもあるので、ぜひ覗いてみてください。

チューソン:『The Last of Us Part II』が遂に出たよ! 正座してみんなで一斉にスタートだよ!

十河幸太郎&チューソンさんのダサT – お揃いで買った娘の名前が入ったTシャツ

まず、はじめに誤解してほしくないんですが、このTシャツのデザイン自体は決してダサい訳では無く、むしろすごく格好良いんです。東京発のストリートブランド・HOMERUN(ホームラン)さんのTシャツで、たしか女優の菊地凛子さんとのコラボレーションモデルだったと思います。発売当時、娘が産まれて「りんこ」と名付けたばかりのタイミングでリリースされたのを、たまたまhave a good timeの店頭で見つけて、「これは!」と舞い上がって購入したのですが、冷静に考えると「胸に娘の名前がドーンと入ったTシャツを夫婦でお揃いで着ている」って状況は、驚くほどダサいんですよね(笑)。

なるほど。表面的なデザインでは無く、着こなしとしての”ダサさ”の提示ですね。連載第3回目にして、早くもなかなか深いテーマです。たしかに1人で着る分には全く問題ないし、娘さんの名前がもし「りんこ」じゃ無かったら2人で着ていても全然お洒落だと思います。

そうですね、こんなに格好良いTシャツでも、着方次第では見事に”ダサT”に変化するところをお見せしたかったというか。流石に家の外に着ていくことはもう無くなりましたが、時折、家の中で風呂上りに意図せずペアルックになったりしているところが、また最高にダサくてですね……(笑)。

結局のところ、”ダサい”って価値観は人それぞれな部分もあるので、真剣に掘り下げていくと結構難しいんですよね。世の中の”ダサい”に一石を投じるという意味でも、素晴らしい”ダサTエピソード”でした。ありがとうございます!

ということで、第3回では”尾藤武”風のTシャツとお揃いで買った娘の名前が入ったTシャツを交換!

次回は、このTシャツと、自慢のダサTを交換してくれる方を捜索し、ゲストとしてお迎えしてお届けします。

それでは皆様、第4回もお楽しみに。