ファッション業界で一番ダサいTシャツを探せ! 『ダサTわらしべ長者』 第2回

by Keita Miki

春夏秋冬、1年365日のうち、リアルに340日ぐらいはTシャツを着ているMastered編集部だからこそ、気付いたことが1つある。
最近、世の中のTシャツがちょっとお洒落になりすぎた……。
人々の”安くてお洒落なTシャツ”への需要に応えるかのように、Tシャツのシルエットは改善され、”どん詰まり”の首もとは淘汰され、グラフィックは洗練されたものへと変化。気付けば、地方の土産屋のTシャツでさえ、「なんだよ、思ったよりお洒落じゃん……」、という始末である。
ダサい、どう着てもダサい、目も当てられないほどダサい。だけど、なんだか笑えるくらいにダサくて、いつまでたっても捨てられない。そんな僕らの愛した”ダサT”たちは、一体何処へ消えてしまったのだろうか。
”深イイ話”ならぬ”ダサイイTシャツ”は、最早、絶滅危惧種なのだろうか。
上記のような無駄に熱い”ダサT”への想いを胸に、Mastered編集部がお届けする連載『ダサTわらしべ長者』では、毎回、ゲストに自慢の”ダサT”を持ち寄ってもらい、それを現在編集部が所持している”ダサT”と物々交換。この物々交換を続け、”キング・オブ・ダサT”を見つけ出そうという青春系企画であります。
遂にゲストをお迎えしての本格始動となる第2回には、Masteredでも年末恒例の『Mastered的 レコード大賞』やファッション特集『The Godfather』など、様々な企画に協力してくれているYouth Records / Factory1994の庄司信也さんが登場!

Photo:Kazuki Miyamae

前回のおさらい

前回は編集 重竹が所持していたLIGHTS OUTのグラフィックTシャツをゲット!

今回はこのTシャツと、庄司さんの自慢の”ダサT”を交換してもらいます。

庄司信也(Youth Records / Factory1994)

1978年山形県生まれ。2005年にYouth Recordsを設立。2008年にYouth Records Labelを発足。2010年にFactory1994を設立。CDジャケット等のディレクションほか、各種撮影、プロデュース、DJ、選曲、イベントオーガナイズ、執筆業など、その活動は多岐にわたる。

— 人生で初めて自身で購入したTシャツを教えてください。

Sex Pistolsの黄色のTシャツ(アルバムのジャケのデザインのやつ)。

— Tシャツが似合う有名人と聞いて思い浮かぶ人は?

江口洋介。

— この夏イチオシのTシャツを教えてください。

TANGTANG(タンタン)のTシャツ。どれも素敵です。

— 何かお知らせがあればどうぞ!

カネコアヤノの撮(録)り下ろしライブ映像作品&音楽作品を今夏発売予定です。よろしくお願いします。

庄司信也さんのダサT – 後輩が勝手に作った”尾藤武”風のTシャツ

2004年から2005年にかけてフジテレビで放送されていたコント番組『リチャードホール』。その中で、劇団ひとりさんの演じた”尾藤武”というキャラクターが着ていた衣装を真似て作ったTシャツです。キャラクターのモデルは言わずもがな、ビートたけしさんなんですが、当時、仲間内でこのキャラクターが爆発的に流行りまして、あまりの盛り上がりに後輩のグラフィティアーティスト・Mao Simmons(マオ・シモンズ)が”尾藤武”風のTシャツを勝手に作ったんです。尾藤武になったつもりで、昔、良く着ていました。

うわ、滅茶苦茶なつかしいですね、『リチャードホール』。僕は下衆ヤバ夫が大好きでした。けど、一見するとそこまでダサくないというか、むしろイケてる感じにも見えるのですが、どの辺が”ダサT”ポイントなんでしょうか?

いい歳の大人がお笑い番組のキャラクターに憧れ、本気でそれになりたいと思ってオリジナルでTシャツまで作り、それを仲間内でみんなで着ているっていう姿勢が絶望的にダサいですよね(笑)。そもそも”尾藤武”というキャラクター自体もそんなに格好良いものでは無いし、イケてないことを一生懸命にやるダサさというか。デザイン自体は『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』のショップに置いてあったTシャツの模倣なんですが、そんなことは若い人たちには伝わらない訳で。本当に心意気だけで着てましたね。絶対にモテない。

着込んだ感じがビシバシ伝わってくる、首もとのダルダル具合がまた何とも哀愁を誘いますね。すごく良い”ダサTエピソード”をありがとうございました!

ということで、第2回ではLIGHTS OUTのグラフィックTシャツと”尾藤武”のTシャツを交換!

次回は、この”尾藤武”風のTシャツと、自慢のダサTを交換してくれる方を捜索し、ゲストとしてお迎えしてお届けします。

それでは皆様、第3回もお楽しみに。