脅威の右脳バイイングとノンウォッシュデニムへのこだわり
— そういえば今年の春夏に「時しらず」で展開していた、ピーター・サヴィル(Peter Saville)のグラフィックを載せたTシャツはどこのモノだったんですか?
市之瀬:あぁ、アレはイギリスのなんとかっていうレコードレーベルの…
— 『ファクトリー(Factory Records)』ですね。オフィシャルなんですか?
市之瀬:そう、それ! ちゃんとオフィシャルみたい。勝手にエイベックスみたいなモノかと思ってた(笑)
— それはどういう経緯で仕入れたんですか?
市之瀬:ショールームになるのかなぁ。Tシャツとかをスポットで持ってきてくれるオッサンがいて。
その人から買った。かなりうさん臭いんだけど、とりあえず買ってみた(笑)
結構オーダーしたんだけど、結局ドロップしちゃったのも多かったな。
— やっぱり映画「Control」の公開に合わせて買ってきたと?
市之瀬:いや、全然違う。全然知らないまま買ってきて、戻ってきてから「これ、ピーター・サヴィルですよ」とか「ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)の…」とか言われて。
— (一同笑)相変わらず感覚で生きてますねぇ。
市之瀬:ウチの業態のスゴいのは、俺がなんとなく買ってきたモノを後でみんなが勝手に調べて、『市之瀬さん、コレ実はスゴいっすよ』って言われて『え〜マジでー? でも知らねえよ、そんなの』ってところ。
知らないままで普通に買ってきちゃってる…(笑) マズいよね。
— いや、逆にそれがスゴい所だと思いますけど…(笑)
あと「時しらず」お得意のデニムについて何かトピックスはありますか?
市之瀬:フルカウント(FULLCOUNT)とビッグジョン(Big John)に別注をかけたモノをやる。
それと、オリジナルのデニムを全部モデルチェンジして3型。ワイドストレート、ワイドブーツカット、ストレート。
別注モノもオリジナルも全部ノンウォッシュで。
それと今まで展開してたブランドも継続でやるかな。
— ノンウォッシュのモノが非常に多いですけど、何かこだわりがあるんですか?
市之瀬:う〜ん…だって好きだから。自分で色落としていった方が良くない?
— しかしノンウォッシュだとスニーカーなどに色移りして真っ青になっちゃうじゃないですか。
僕はそれが嫌だから1回は洗剤入れずに洗うんです。糊も落としたいですし。
市之瀬:その辺は、あんまり気にならないんだよね。全然洗わないし。
— そうなんですね。
時しらずの看板アイテムとしてデニムは変わらず数多く展開するようですが、他のパンツ類はどんな感じのラインナップになるんでしょうか?
市之瀬:かなり減らします。オリジナルなんて(デニム以外のパンツは)1本も作ってない。極端だ、また(笑)
春夏からスライドして展開するモノはあるけど、新たにっていうのは一切無い。
仕入れも抑えてるね。ノンネイティブ(nonnative)のパンツは買ってるけど、他は減らした。
— 本当にデニムばっかりなんですね。
市之瀬:あのね〜、アレをやりたいんだ将来。デニムバー。お店の中に。フレッド・シーガル(Fred Segal)みたいな。
いつも行って羨ましいなぁって思うからさぁ。『いいなぁ』って。
100坪クラスの店になったらやりたいんだよね。でも、実際その規模の店をやれる事になってから買いはじめます、ってのは難しいから。
なので、ある程度今から目星はつけておく。でも、大御所・メジャーどころはやりません、みたいな。
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