深化を続ける東京中華 – ストレンジな魅力を放つ4軒のチャイニーズレストラン –

by Nobuyuki Shigetake and Mastered編集部

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五本木 海新山

Masteredでもお馴染みのBAL(バル)やJazzy Sportのショップに行くために下車することはあるが、東急沿線に住んでいない限り、それほど降り立つことはない学芸大学。

そこにいる限り”ヒップであらねばならない”という強迫観念が街全体に渦巻いているため、個人的にはあまり好かないエリアではあったのだが、そんな捻じ曲がったイメージを良い意味で裏切ってくれたのが海新山という、レトロすぎる中華料理屋だ。

オープンから32年、場所や店名などの細かなアップデートはあるが、一貫しているのは”健康のための食事を提供する”こと。フードメニューは『スペシャルラーメン』、『上上ラーメン』、『餃子』のみの、スーパー・ストロング・スタイル。これだけで海新山が他の中華料理店と明らかに一線を画していることが分かるだろう。

上上ラーメン 1,500円(税込)
コラーゲンはレモンと一緒に食べると吸収が良くなるという。彩り豊かで見た目も楽しい。

コラーゲンといえば、”美容に良い”というイメージが先行しているが、それよりも健康によく、身体にとって必要なもの。同店のコラーゲンは、砕いた豚や鶏の骨やら生姜、葱、大根、牛蒡などの野菜、さらにはシジミ、アサリなどの貝を13時間煮込んで作る貴重な代物。一見すると高価にも思えるところだが、それは手間も原価も惜しみなくかけているが故。

塩、醤油、味噌の3種のスープは、いずれも90%がコラーゲンで出来ているらしい。となると、もちろんスープまで飲み干さないともったいないし、味も優しく軽いので飲めてしまう。店内にも「スープは全部飲んでください」と但し書きがあるため、飲後の罪悪感もない。

餃子 400円(税込)
是非ともラーメンとセットでご注文を。

手作りの皮はパリパリタイプではなく、ぷるぷるタイプで、とても軽やかな食感。何皿でもいけそうだ。中身の餡にはオリジナルの調合の健康油、ごま、熊笹、海藻、甲殻、カルシウムを使用。醤油に至るまでオリジナルだという。

「自分が食べたいから作っているし、このラーメンを食べることが人生の愉しみなんです」と語る店主のまさこさんは、とても綺麗だし、元気はつらつ。実際、このラーメンを毎日食べているらしい。食べ始めてからすこぶる体調も良いし、老眼にもなってない。週に2回、ダンスもしている。

僕らもそろそろ健康について考えるべき年齢に差し掛かっていることだし、まずは慣れ親しんだこってり系のラーメンから、深化に深化を重ねたこんなラーメンに変更してみるってのは、いかがだろうか。

【店舗情報】
海新山
東京都目黒区五本木2-53-8
電話:03-3719-7678
営業時間:12:00~15:00、18:30~22:00
定休日:水曜日 ※木曜日は昼営業のみ
その他、臨時休業などの情報はTwitterにて適宜更新