もちろん、SODEEPも流行を取り入れないわけではない。ただし、ブレないスタイルがあるからこそ流行も取り入れられるし、オールドスクールなスタイルを知っているからこそ新しいスタイルを取り入れた実験もできるという。まさに”Show Your Style”だ。
それゆえに、SODEEPは今のシーンにもしっかりとアンテナを張っている。「何よりも音楽が大切」というSODEEPは、音楽の進化をキャッチして彼らなりの解釈を落とし込むことで絶えず新しさを取り入れているし、一方では若いダンサーたちとコミュニケーションを取ることも忘れてはいない。
「たとえば、2000年以降にダンスを始めた人たちは、1990年代のヒップホップ黄金期に対する憧れはあるけれど、実際の空気は味わっていないので、当時のことを聞かれることは多いですね。ハウスにしても、このダンススタイルはこのMVがきっかけで流行ったんだよ……なんてことを話したり。やはり、その当時のことが話題の中心になるし、伝えてあげたいことかな。実際に知ってるのは、その年代の人だけですからね。もちろん逆に聞くこともありますよ。流行りの音楽を20歳前後の若いダンサーがどう感じているのか、とかね」(Takesaburo)
彼らのスタンスは、機械式時計の伝統的な作りや機能を継承しつつ流行もしっかりと取り入れるSeiko 5 Sportsと共通するところが多い。ではSODEEPは、そんな若い世代のダンサーたちに、ダンスを通じてどんなことを伝えていきたいのだろう。
「俺はダンススクールもやっていて、レッスンには、上は75歳の人から下は小学3年生の子まで来てくれるんですが、それだけ離れた年代が同じことを一緒になって楽しめるって、他にはなかなかないと思うんですよ。若い頃、お金を貯めてニューヨークに行ったとき、ハウスがガンガンにかかってるクラブで老夫婦が踊ってるのを目の当たりにしたんですが、そういうのを見ちゃうと、仕事とかお金を稼ぐとかは関係なく”ダンスってただ純粋に楽しい”って世界共通で感じられるものだと思うし、その感覚が伝わったらいいと思う。ただ、一方では”ダンスで食べていきたい”って胸を張って言える時代にもなったので、楽しみつつ仕事にもできることを、若い世代には伝えていきたいかな」(Takesaburo)
「踊ること自体が楽しいのはもちろんだけど、好きな音楽がみんなそれぞれあると思うんですよ。ジャンルはなんだっていい。好きな曲を聴いたときに、自分の気持ちが上がっちゃって抑えられない──それがダンスだと思うし、その感覚を大事にしてほしい。カルチャーとして発展している以上、ダンスをダンスとして成立させるためにはテクニックも必要になるけれど、やっぱり根本にあるダンスの素晴らしさってそういうところだから」(Ohishi)
「僕は、なんでSODEEPが25年も続いたのかが一番大事かなと思ってる。”ダンスでプロになる”、”ダンスは趣味”、どちらの選択も自由だけど、ダンスで食べていこうと考えるなら、まずは人間力が必要だと思うんです。どんなにダンスが上手くても、どんなにダンスで稼げてても、チームが持てないのであればそれは友達がいないのと同じで、イコールどの世界でも長続きしない。ダンスって死ぬまで続けられる遊びで、それがツールとして素晴らしいものだっていうことを僕らは体現していると思いますが、それを楽しむためにはまずコミュニケーションを大事にしてほしい。もちろん、それが苦手な人もいることも分かるけど、コミュニケーションのきっかけになるのがダンスだったらいいですよね。ダンスをやっていたから自分に自信が持てた、みたいな」(Subaru)
自分たちが信じるスタイルを貫きながらも、新しいことも積極的に取り入れていく。そしてダンスというカルチャーを次の世代にも継承するべく、シーンを牽引し続ける。そんなSODEEPには、やはりSeiko 5 Sportsが似合っている。なぜって、それは機械式時計のカルチャーを伝えるべく、力強いコンセプトと確かな作りを持ったニュー・スタンダードだから。