Seiko 5 Sportsとクリエーターに共通するスタイル – SODEEPがダンスを通じて伝えたいメッセージ –

by Nobuyuki Shigetake and Mastered編集部

1968年に誕生し、当時の若者はもちろん、海外でも絶大な人気を獲得した機械式カジュアルウォッチの傑作、Seiko 5 Sports(セイコー 5スポーツ)が、デビューから約50年の時を経た2019年、新たなデザインをまとって復活した。
そのコンセプトは“Show Your Style”──。自分のスタイルを信じる人に着けてほしいというメッセージが込められた5つのコレクションは、いずれも機械式時計のトラディショナルな作りを守りつつも現代的なルックスを併せ持った、若い世代にアプローチする仕上がりだ。
そんな新生Seiko 5 Sportsと同様、次世代への架け橋となるクリエーターたちの、”スタイル”を探るこの企画。今回は、間もなく結成から25年を迎え、多くのダンサーたちからも圧倒的な支持を得るハウスダンス・チーム、SODEEPが登場。長年、ハウスダンスというスタイルを貫いてきた彼らが、ダンスを通じて次の世代に伝えたいメッセージとは何か?

Photo:Takeshi Hoshi | Styling:Hisataka Takezaki | Hair&Make-up:Reina(TRS) | Model:SODEEP | Text:Yuzo Takeishi | Edit:Atsushi Hasebe、Nobuyuki Shigetake

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SODEEP
1995年にSubaruとNaoによって結成されたハウスダンス・チーム。その後、クラブで知り合ったTakesaburoが参加し、1998年にはOhishi、Yoqo、Tomo、Uematsuらが加わり現在のメンバーになる。数々のコンテストで優勝を果たし、全国各地で行われるパーティやイベントへの出演、さらにはダンスDVDも数多くリリースし、多くのダンサーから注目を集める。来たる2019年12月8日には東京・恵比寿のNOSにて、ニューヨークのレジェンドダンサー、EJOE(イージョー)がホストを務めるイベント『EJOE’S HOUSE 19』にも出演。

2020年で結成から25年を数えるSODEEPはシーンのなかでも別格の存在だ。メンバーのうちの3人、Subaru、Takesaburo、Ohishiは、ダンスを始めた動機について「モテたいから(笑)」と冗談交じり(半分以上本気)に話すが、今やSODEEPは単に”モテる”だけではなく、若いダンサーたちから”リスペクトされる”ポジションにいる。それは、テクニックはもちろんのこと、長きにわたって活動してきたことも大きいはずだ。そもそも、25年も活動を続けているダンスチームは、他にはないのだから。

「普通は、長く続けているといろんな刺激が入ってくるから、好きなものが変わったり、スタイルが変わったりすると思うんです。でも自分たちは、25年前に出会ったときからベースは変わらない。メンバー全員、とにかく音楽が好きで、その延長線上にダンスがあるんですけど、当時聴いていた音楽は、今聴いてもメンバー全員のテンションが上がるんですよ。たとえば”もうこの曲って古くない?”って言うヤツがいたら一緒に踊ることが難しくなるけど、SODEEPは全員感覚が同じ。それぞれのメンバーは進化しつつも、根っこの部分は保たれているから一緒に続けていられるんですよね」(Takesaburo)

そのブレない姿勢は、初代モデルが掲げた”自動巻き”、”防水”、”デイデイト表示”、”4時位置のりゅうず”、”耐久性に優れたケース&バンド”という”5”つの性能を継承しているSeiko 5 Sportsはもちろん、腕時計において精度と高いクオリティを追求し続けてきたSEIKOのアイデンティティにも通じるものだ。

「それにSODEEPは、チームに対する共通の思いがあったうえで、個々のメンバーにそれぞれブレない柱を持っていて、みんながそれを突き詰めてるからね。単純にチームだけを見て活動していると、どこかでやりたいことが違ってきたときにうまくいかなくなると思うけれど、ウチらの場合は”俺にはできないけれど、アイツのやってることも理解できる”って思える各メンバーのカッコいい柱が、戦隊ヒーローみたいに上手くハマったと思うんですよ。それって、すごくラッキーなことですよね」(Ohishi)

そんなSODEEPが25年にわたって追求しているのが、ハウスダンスというスタイルだ。単純に言ってしまえばハウスという1ジャンルに合わせて踊るものだが、ハウス自体がR&Bやラテン音楽、テクノといったさまざまな音楽を吸収してできあがった音楽であり、結果、そこに乗るダンスもさまざまな要素が取り入れられているという。

「ハウスの自由度が高いこともあるけれど、何より”いいものをいい”って言える環境にあったからこのスタイルを続けてこられたんでしょうね。流行りのスタイルを追求するダンサーもいっぱいいるんですけど、そうすると、流行が変わったときにそれに合わせていかなければいけなくなる。たとえ流行りのスタイルでも”これがいい!”って思ったから取り入れたはずなのに、流行りだけを追いかけてしまうと本当に自分のやりたいこととブレていく。だから生き残れない人が多いんじゃないかって、僕は思うんですよ」(Subaru)