ここはあえて“逆に”の逆が無い
— あと、アルバム1枚通してキーワードになる言葉が何度か出てくるじゃないんですか。たとえば「PASMO」とか「Suica」とか、「4:3」とか。
ボーズ:便利なものってやっぱホントよくできててさ。Suicaが1,000円切ると字の色が変わるとかさ、ああいう細かいシステムがさ。「あ、入金しないと」と思って次は5,000円入れちゃうとか。
アニ:PASMOも便利だもんね。バスも乗れてさ。
シンコ:ジュースだって買えるぞ。
アニ:いっそのことtaspoも付けてくれりゃーよかったのに。
シンコ:ETCとかね。学生証になってるとこもあんだよね。
一同:へー。
ボーズ:北海道ではKitacaでしょ。
シンコ:大阪はICOCAで。
— 編集部:九州にもできましたよね。
アニ:“イクバッテン”(笑)(注:実際は『SUGOCA』)
(一同笑)
ボーズ:ゴロが悪いよ(笑)
アニ:綴りに“IC”って入ってないといけないんだよね。
シンコ:そういうことだ。“イモジョーチュー”とか(笑)
(一同笑)
アニ:でもあれで全国行けたらいいんだけどね。
ボーズ:6万円ぐらい入れといて。絶対落とせないわ(笑)でもさ、taspoとかもそうだけど、設置する費用が何兆円かかってるんだって話もあるよね。
— ですね。あと去年末にボーズさんの『明日に向かって捨てろ!!』が本になって、今回はグループの本が出るんですよね。
ボーズ:『ヤングトラウマ〜ひろ子、ドカベン、バムバータ。』ね。
シンコ:それもずっと平行してやってて、だからレコーディングはちょっとそういうムードもありましたね。ホント、『ザ・ベストテン』の話ばっかしてた。
ボーズ:『ザ・ベストテン』とか『ドカベン』とかの話ばっかしてたから、それが歌詞に出ちゃって。
— どういう本になるんですか?
— 編集部:書き下ろしです?
ボーズ:しゃべり下ろしというか。映画だったら昔こういうの、マンガだったらこういうみたいな、で、何でそれを見たり読んだりしてたんだろうって。
シンコ:一応ラジオと連動して。
ボーズ:でも結局ほとんど語り下ろしだったから関係なかったんだけど(笑)毎回集まっては薬師丸ひろ子とかを語って。
アニ:薬師丸ひろ子が大好きだったんですよ。俺の自我の目覚めと薬師丸のピークがちょうど合わさった、その奇跡といったらブロンクスでクラフトワーク? みたいな話を(笑)
(一同笑)
ボーズ:そういうのをKYON2にも訊いたりとか。あと宇多丸(ライムスター)さんとか。さすがトラウマ界の巨匠って感じだったね(笑)
— 編集部:宇多丸さんはスチャダラパーに対して凄いトラウマがあるみたいですもんね(笑)
シンコ:それをたまにちょいちょい入れてくるんだよね(笑)
ボーズ:みんなが乗った電車に俺は乗り遅れたって(笑)
— アニさんの写真集『ブリングザノイズ』も出ましたよね。
アニ:デジカメで撮った、いままでストックしてきたものが。最初は写真に全部タイトル付けようという話もあったんだけど、ちょっと勘弁してくださいって(笑)写真だけです。
— 当然写真は好きでやってると思うんですけど、それで展示会を開いたり写真集にしたりってのも自分で進んで?
アニ:進んでやってる感じではないですね。「やりますか?」と言われたら、「はい、やります!」って即答するけど。
ボーズ:基本、人任せだからね。乗っかってこうって感じだから断らない。「Tシャツ作ってください」、「やります」みたいな(笑)
シンコ:「コンテンポラリー・ダンスやってください」、「はい、喜んで」みたいな(笑)
(一同笑)
アニ:でも面白い本になりました。自分が撮った写真なんだけど、並びとかは人の手が入ってるからなんかポップになった。これちょっと俺的には格好つけ過ぎかなとか、面白いけどやめとこうかなって思ったのも入ってる。天久(聖一)さんが野球やってるのとか、電気のライヴ前とか、(ピエール)瀧がスタジオで寝てる写真とか……
シンコ:自分は珍しく起きてて(笑)
ボーズ:ふたり同時には寝ないんだよ。それじゃあんまりなんで(笑)
アニ:とにかくそういう感じで、自分だと地味なのを選びがちなんで、ここはあえて“逆に”みたいな。
ボーズ:いまの世の中逆とかねーから。
シンコ:そうだよね。逆とか案外ねーんだなって思う。
ボーズ:たまにだからいーんだなって。でも俺らはむしろ逆ばっかりだろ(笑)
ボーズさんのブログを見ている方は承知のことと思いますが、アルバムと単行本と写真集の発売が近いのはやはり年度末の決算の都合だそうです(笑)
まぁそれはともかく、ピエール瀧に宇多丸、もうそれだけで絶対チェックしないわけにはいきません。
僕もまだ本の方は見れてないので、早速明日本屋に走ります。
そしてもちろん11枚目のアルバムも! こちらも聴く価値大です!!