Road to VULCANIZED
– 「MADE IN KURUME」の象徴、[MOONSTAR]を訪ねて –

by Mastered編集部

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「おい、貴様。一体いつになったら、ヴァルカナイズ製法の話が始まるんだ」と思った、そこのあなた。非常に正しいご指摘ありがとうございます。それでは満を持して[MOONSTAR]のスニーカーの大きな特徴の1つであるヴァルカナイズ製法について、話をスタートさせたいと思うが、まずはヴァルカナイズ製法に関して簡単なおさらいを。
ヴァルカナイズ製法は靴の製法であり、ソールとアッパーを手作業で接着し、その後、特殊な窯に入れて加熱を行うことで、加硫圧着しながら同時に本底を成型するというもの。この製法で作った靴にはソールがしなやかで柔らかい、丈夫で壊れにくい、美しいシルエットが保てるなど、たくさんのメリットがあるのだが、なにぶん手作業で行う工程が多いので、生産に大きなコストを伴い、時代と共にヴァルカナイズ製法で靴作りを行うメーカーが少なくなってきてしまっているという訳。
写真は、前述したソールとアッパーを手作業で接着している工程。

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なるほど、これはコストも時間も掛かる訳である。そして、ヴァルカナイズ製法の特徴の1つであるラバーテープにも注目。スニーカーの本体部分とゴム底の境目を補強する為、ヴァルカナイズ製法で作られたスニーカーには必ずと言っていいほどラバーテープが巻かれているのだが、[MOONSTAR]のラバーテープは美しいグラデーションカラーがポイント。
このグラデーションは2種類のゴムを重ね合わせて成形するという昔からある技術を使い、半透明のゴムの厚さを徐々に薄くして下のゴムの色を透けさせることで誕生しているのである。たかが、ラバーテープ、されど、ラバーテープ。こんな所にも[MOONSTAR]の培ってきたたしかな技術の片鱗を垣間見ることが出来る。

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工場のお姉さん(not おばちゃん)たちが1つ1つ丁寧に組み上げたシューズたちは、窯に入るのを待つべく、綺麗に並べられる。窯と聞くとついつい焼き物で使うような土で出来たモノを想像してしまうけれど、[MOONSTAR]で使用している4基の窯はかなりインダストリアルなイメージ。
男心をくすぐるクールな窯のビジュアルに自然と体温も高まる。

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