近年、「MADE IN JAPAN」への回帰志向も手伝ってか、再び[MOONSTAR(ムーンスター)]に熱い注目が集まっている。1873年の創業以来、福岡県久留米市に腰を据え、真摯に靴作りと向き合ってきた[MOONSTAR]。国内ではごく僅かな工場でしか生産することの出来なくなってしまった昔ながらのヴァルカナイズ製法(加硫製法)で生み出される彼らのシューズ、そして彼らの打ち出す"MADE IN KURUME"というスタイルに、今世界中のファッションを愛する人々が惹かれつつある。
そこで今回、EYESCREAM.JP編集部は遠く久留米まで足を運び、[MOONSTAR]の140年以上にも及ぶ歴史が詰め込まれた工場を徹底取材。彼らの靴作りにおいて欠かすことの出来ない要素の1つである「ヴァルカナイズ製法」、そして彼らが掲げる"MADE IN KURUME"というスタイルの本質を探った。
Photo:Shuhei Nomachi、Text&Edit:Keita Miki
てな訳で、ドンッ。前フリもそこそこに、やって参りました[MOONSTAR]本社。着いた瞬間、とにかくその広大な敷地に驚愕。明治6年の創業だけあり、建物は年季が入っているけれど、それも独特の味となって実にフォトジェニックだ。それと個人的に感心したのは、久留米駅から乗車したタクシーで運転手さんに「ムーンスターまで」と一言伝えただけで、カーナビも使わず、本社まで連れてきてもらえたこと。
東京のタクシーにシューズメーカーの名前を伝えただけで本社まで連れて来てもらえるなんて事はまずありえないので、ちょっぴり拍子抜け。やはり140年の歴史は伊達じゃ無く、久留米という街全体に[MOONSTAR]の歴史はしっかりと刻み込まれているのである。
ちなみに[MOONSTAR]の工場全体を上から眺めるとこんな感じ。敷地の外はぐるりと[MOONSTAR]のブランドロゴが入った壁で囲われているので、久留米に足を運んだ際には[MOONSTAR]のシューズを履いて、ぜひとも記念写真を。
更に余談になるが、敷地内に置いてある植木鉢がちゃっかりゴム製になっているのも好印象。