対談:PUNPEE × カレー屋まーくん ~夏とカレーと加山雄三~

by Mastered編集部

1966年にリリースされた、"サライ"、"君といつまでも"などと並ぶ加山雄三の代表曲、"お嫁においで"。昨年より秘密裏に行われていた、この永遠のクラシックナンバーの加山雄三公認リミックス・プロジェクトが遂に本日、9月16日(水)、陽の目を浴びることとなった。

リミックスを担当したのは当サイトの前身となるCluster時代に提供してくれたエクスクルーシヴMIXも大反響を呼んだご存じ、PUNPEE。しかも、プロジェクトの企画を行ったのは、今や伝説となった『タイ衆居酒屋 三角』のオープニングパーティー『大三元』を主催し、『今夜が田中面舞踏会』をはじめとした数々のパーティーで、グッドミュージックラバー達の胃袋を興奮のるつぼへと陥れたカレー屋まーくんである。

この素晴らしいプロジェクトのローンチを記念し、カレーとグッドミュージックを愛する我々EYESCREAM.JPでは、PUNPEEとカレー屋まーくんによるエクスクルーシヴな対談企画を公開。2人の出会いから、都市伝説のように脈々と語り継がれる数々の"加山雄三伝説"に至るまで、たっぷりと話を聞いた。

Photo:Keiichi Itoh、Texr&Edit:Keita Miki

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初めての会話で「俺はDJブースに立つからには”適当”とかって言葉は使っちゃいけないと思ってる」って言われました。(PUNPEE)

— まずは今回のプロジェクトがスタートした経緯について教えてください。

カレー屋まーくん:僕が加山さんのマネージャーとたまたま知り合いだったんですが、彼と一緒にいると、彼は加山さんの凄さとか、楽曲の素晴らしさについて、とにかく熱く語る訳ですよ。それで段々と僕自身も気になってきて、試しに昔の曲とかを掘ってみると、確かにめちゃくちゃ良い曲が多いと。で、その中でも僕は”ブラック・サンド・ビーチ“をはじめとしたインストのサーフロックがすごく好きで。なんとなく直感的に、これをRub N Tugとか、エリック(Eric Duncan)にリミックスさせたら超面白いだろうなと思ったんですよね。丁度その頃、元CISCO、現Manhattan Recordsの野口さんという、この業界で一番お世話になっている姉さんが、昔の日本の音源をレアグルーブ的解釈で紹介しつつ、今のアーティスト達にリミックスしてもらうvolkutaって名前のレーベルをやろうとしていた事もあり、簡単に言うと、僕が勝手に加山さんの曲でリミックスをやろうと盛り上がってしまった訳です。

PUNPEE:あれ? そういえば野口さんとのレーベルって、1発目の音源はもうリリースされたんですか?

カレー屋まーくん:うん、もう出てるよ。1発目はKuniyukiさんに、朝崎郁恵さんっていう奄美の民謡を唄っている人の音源をリミックスしてもらったんだけど、すごく良い出来。

カレー屋まーくん:話は戻りますが、そんな風に盛り上がっていたところ、加山さんがTHE King ALL STARSをやっていて、あれは”ブラック・サンド・ビーチ”の現代版みたいな部分もあるから、ひとまず、その音源のリミックスをやってみない?って先ほど話していたマネージャーが声をかけてくれまして。でも、音源を聴いている内にやっぱり昔の曲をやりたくなってきちゃって、結局、僕の方から再度オファーを出したという流れです。実は最初はSick Teamにもリミックスを頼もうとも思っていたんですけど、Sick Teamだといまいち加山感が無いというか、なんか少し距離が遠い感じがして。そんな風に悩んでいた時にPUNPEEがふっと頭の中に浮かんできたんです。

— PUNPPEEくんの方に話が来たのはいつ頃の話ですか?

PUNPEE:去年の5月ぐらいですかね。ジャケットどうしようとか、PVどうしようとか、色々と並行してやっていたら結局1年以上かかってしまいましたけど。

カレー屋まーくん:PUNPPEEに話を振った時点で、なんとなく音の大枠みたいなものは頭の中にあったんですよ。ポップなんだけど、少し調子外れのフックが加山さんの曲に入ったら最高じゃんと思って。それで、とりあえず打ち合わせをしようってことになったんですけど、初回は2人でお酒を飲みながら5時間ぐらいレコードを聴いただけで、ほとんど打ち合わせをせずに終わりました。

PUNPEE:とにかく、5時間ずっと4つ打ちを聴かされましたね(笑)。まーくんはお酒の知識がすごいんですよ、麦焼酎とかすごい詳しくて。色々なお酒を出されて、利き酒をして、実際の打ち合わせは最後の15分ぐらいでした。情け島っていうお酒がおいしかったです。

— そもそも2人はどんなきっかけで出会ったんですか?

PUNPEE:『りんご音楽祭』っていう長野の音楽フェスで会ったのが最初です。YOU THE ROCK★さんが楽屋で色々と面白い話をしている横で、黙ってそれを聴いている坊主の人がいて、「この人は一体誰なんだろう」って思ってたんですよ。で、その坊主の人がまーくん。その時は特に何も話さなかったんだけど、瓦レコードでやった『りんご音楽祭』のアフターパーティーで初めて話しかけられて、なんか、いきなりすげぇダメ出しをされたんですよ。

一同笑

カレー屋まーくん:あの日は結構酔っ払ってて、会場にいたメンバー全員に絡んでたからね(笑)。もちろん全員にダメ出しをした訳じゃないんだけど、PUNPEEに関しては、ほぼ全てダメ出し(笑)。

PUNPEE:初めての会話で「俺はDJブースに立つからには”適当”とかって言葉は使っちゃいけないと思ってる」って言われました。

カレー屋まーくん:いやいや、あれはYOUさんからのメッセージだよ(笑)。

PUNPEE:「俺は、がしがしアナログ2枚使いでいくから。いつかやりあいたいね。」とか言われて、この人何なんだ?って(笑)。それが第一印象です。

カレー屋まーくん:うわ~、それすごい印象悪いじゃん………

一同笑

PUNPEE:でも、マー君は基本、ダメ出しスタート多いですよね。

カレー屋まーくん:あの頃はそれがブームだったからね。最近は酔っ払ってるとやたら人を褒めるんだけど、何を褒めてるのか、なんで褒めてるのか、そもそも自分の名前すら良くわからなくなってることが多いよ(笑)。

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