私の選んだ腕時計。荻原桃子(UN3D.):Seiko Lukia『SSQV032』

by Mastered編集部

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昔から物事の根底を辿ってしまうクセがある

藤内裕司 /WISLOM™ (OVERGARMENTS)デザイナー
ワイズフォー リビングの企画としてキャリアをスタート。複数のコレクションブランドの企画、パタンナーアシスタントを経て、2005年よりアングローバルへ入社。MHLのMENS & WOMENSの企画・デザイン・素材開発など、7年間幅広い分野に携わる。2015年8月、唯一無二のテキスタイルを追求した実験的なLABブランド、WISLOMを立ち上げる。ユーティリティー性の高い日常着としてブランドを展開している。

—AstronとWISLOM™で共通点を感じるところはありますか。

藤内:時計のデザイン要素って、もしかしたら服よりも限られてしまうものだと思うんですよ。時計は大体の幅とフェイスの大きさと重さとが、全て決められた制約の中で作っていますよね。僕も、3ボタンのジャケットやステンカラーが、すでに世の中に認知されていて完成された型であるように、それらを自分なりに昇華する感覚で製作しているのでそういう点も似ているなと思いました。既存のものを、今の気分や最新の技術を詰め込むんで試行錯誤するっていう構造設計に共感しましたね。あとは、金のモジュールだったり、ガラスの質感だったり、色の置き方も含めて細部まですごく考えられていて。これが単純に2つの素材感だけだったらまだ違うものになってしまいますし、全ての要素がマッチしてそのデザインの中に収められている。僕も服を作る時に、生地の色とボタンの色と縫製する縫い糸の色と裏側のパイピングの色と、もっというとポケットの中の袋布に至るまで、全ての色合いの調和を見て考えているので、デザインにおいてはそこが共通しているのかなと感じます。

—着眼点がデザイナーさんならではで面白いですね。物の趣向や見方は昔から一貫して変わらないのでしょうか。

藤内:学生時代から過度なデザインのものよりは、シャツであればそのシャツが最高の着心地になる素材を選んで作られたものだったり、無意識に素材に目がいっていたかもしれません。僕は1977年生まれで、完全に裏原世代なんですけれども、完全にそっちじゃなくてもうちょっと落ち着いた80年代のような雰囲気が好きでした。服以外では、三島由紀夫が好きで、ああいう刹那的な美しい世界観とか破滅的なものに憧れを抱いていました。その時の王道ではないものに惹かれるというか、カウンターカルチャーが好きで。裏原が全盛の時に、「やっぱりYohji Yamamoto(ヨウジ・ヤマモト)いいよね」って一人で言っているような学生でしたから(笑)。日本の文化や歴史みたいなものを掘り起こしていくのが好きなんですよね。「こことここが繋がっていて、元を辿るとこうなってるんだ」っていう発想の癖みたいなものがあって。服作りも同じで、こういう佇まいの服を作りたいってなった時に、わたまで辿ってしまうんですね。時計をパーツごとに分解してデザイン要素について考えを巡らせてしまうのも、昔からのそういう気質が反映されている気がします。

—最後に、WISLOM™のデザインは素材とシルエットのどちらから発想することが多いのですか。

藤内:素材からの側面と形(機能)の側面と両方からですかね。素材からデザインを考えるのか、シルエットからデザインを考えるのかは、ケースバイケースで、袖が上がりやすいジャケットを、ちょっとカジュアルなジャケットで作ったらどうなるんだろうとか、そういう考え方も併せながらトータルで考えていく場合が多いですかね。あとは、 LABO的考え方なんですけれど、実験的に作ってみて驚くようなファブリックができたらその素材を活かすような形と落とし込み方を考えたり。時計も機能を追求したもの、美しさを追求したものなどさまざまなアプローチのタイプがあるじゃないですか。そういうところでも、Astronのデザインに対する潔いアプローチの仕方に惹かれたんですよね。

—物選びや服作りにおいて、学生時代から着眼点が一貫している藤内氏。彼のエピソードを聞いているとそんな思考と共通点の多いAstronを身に着けた姿がしっくりくる。

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【Seiko Astron】
品番:SBXB111
価格:200,000円 + 税
世界中のタイムゾーンに対応し、ボタン操作ですばやく正確な時間を知ることができる真のグローバルウオッチ、Seiko Astron。1969年にセイコーが世界に先駆けて発売した、クオーツウオッチ<クオーツアストロン>から名を受け継ぐ。8X Series World-Timeは、 GPSソーラーウオッチとしては世界最薄(*)の12.4mmとシャープなルックスも特徴。ケース曲面はザラツ研摩仕上げが施されてあり、腕に装着した時にカーブの美しさが際立つ。さらに、光の反射を99%以上抑え、ガラスの存在を感じさせない「スーパークリア コーティング」や、時計を擦り傷、小傷から守る「ダイヤシールド」で快適に愛用できる。機能やデザインのトータルで、洗練されたラグジュアリーを追求したコンテンポラリーなモデルとなっている。
※2017年9月現在、セイコーウオッチ株式会社調べ。

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