“面白い”ということが絶対条件
—バイヤー、デザイナー、ディレクターなどさまざまな立場を経験されておりますが、物に対して趣向の変化などはありますか?
阿久津:原点回帰というわけじゃないですが、今は1度離れた“昔好きだったもの”にまた戻ってきているような気がします。EFILEVOLを立ち上げた時は、もう少し今のトレンドに貪欲で、ファッションらしいことに挑戦していたなと思うんですよ。面白いと思う感情だけに突き動かされて始めたのがEFILEVOLだったので。そういうことでいうと、BINをこの場所に作ったのも「こんな辺鄙なところにお店があったら面白いな」という好奇心からでした。あと、実はこの店舗にはいろいろ仕掛けが施されてあって。入り口にマンホールが6個ぐらいあるんですけど、全て24金で塗装してあるんです。ここに関しては、お店で1番お金をかけた場所なんですけどね(笑)。今は、いわゆるコンテンポラリーなファッションから少し引いていて、それよりも伝統技術や職人技など古い薫りがするものに惹かれています。Presageの持つ雰囲気もそれと似ていて、手元に身に着けていると自然と波長が合うような気がするんですよね。
—最後に、服装についても“面白さ”を追求したりするのでしょうか?
阿久津:それはありますね。持っているものも、パリのお土産Tシャツとかダサいものが多いです。普通の人が着ないようなものでも、抵抗なく着ることができるんですよね(笑)。ちょっと拍子抜けしているものが好きといいますか。例えば、今日の服装でいったらGORE-TEX®の緑のシューズなんですけど、これを普段履きするっていうセンスが他の人から見ると面白いらしいです。友達と一緒に買い物に行くと「お前っぽい」って必ずいわれるんですよ。みんなこのアイテムは「絶対黒でしょ」ってなる時に僕がいいなって思うのは違う色で、いつも自分は着眼点が人とずれている気がします。時計に関しては、このPresageのように少し控えめな佇まいを持ったものを選ぶことが多いですね。
—“古き良き”や“伝統”など、阿久津氏から何度も出る彼のキーワードのような言葉は、Presageを選んだ理由の象徴であるようだった。
【Seiko Presage】
品番:SARX051
価格:120,000円 + 税
身の周りのほとんどがデジタル化してしまった時代だからこそ身に着けたいのが、1881年の創業から続くSeikoの歴史や職人による技術が研ぎ澄まされ生まれた機械式時計 Seiko Presage。実用性と機械式の味わいを融合させた日本製のドレスウオッチで、堂々たるオーラを放っている。
製品の詳細に関してはこちらのページを参照。
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