対談:Mocky × Campanella

by Yu Onoda and Keita Miki

2018年11月に新作アルバム『A Day At United』をリリースし、来たる3月20日より、約3年ぶりとなるジャパンツアーを行うMockyことドミニク・ジャンカルロ・サレロ。FeistやKelela、Moses Sumney(モーゼズ・サムニー)らを手掛けるカナダ出身の人気プロデューサーであり、ソロアーティストとしても2009年の『Saskamodie』と2015年の『Key Change』という2枚のアルバムがロングセールスを記録。洗練を極めた生音主体の滋味深い音楽世界は日本において幅広いリスナーに愛されており、世界的にその音楽センスも高く評価されている(『カウボーイビバップ』や『サムライチャンプルー』でお馴染み)渡辺信一郎監督による4月放送のアニメ『キャロル&チューズデイ』において、劇伴の担当に抜擢されたことも記憶に新しい。
今回のジャパンツアーでは、坂本慎太郎、Ahh! Folly Jet、鶴岡龍、中村佳穂BANDらのサポートが既に発表されているが、3月25日の名古屋公演にはMockyと現在楽曲制作を行っているというラッパーのCampanellaの参加が新たに決定。そのマジカルなパフォーマンスで観る者全てを魅了するMockyの来日公演を目前に控え、Masteredでは2016年に行ったインタビューに続き、昨年秋に行ったMockyとCampanellaのスペシャルな対談をお届けする。

Photo:Takuya Murata | Interview&Text : Yu Onoda | Edit:Keita Miki | Translation:Ai Hanadate

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アメリカのトレンドであるトラップをコピーしただけのものは世界中に腐るほどあるけど、そういう音楽はナンセンスだよね。もはや音楽にジャンルは関係ない時代だし、広く開かれているべきだよ。(Mocky)

— まだ、作品はリリースされていませんが、CampanellaとMockyが新曲を作っているとの話を聞きまして、両者の対談をセッティングさせていただきました。まず、コラボレーションを行うに至った経緯を教えてください。

Campanella:以前からMockyの作品はもちろん聴いていたんですけど、僕だけじゃなく、周りの友達の間でもMockyの”Birds Of A Feather”はすごい大事な曲なんですね。そして、僕は、Feistだったり、Moses Sumneyの音楽も大好きで、Mockyは彼らの作品のプロデュースも手がけているじゃないですか。そういう話をレコード会社の僕の担当と話をしているなかで、「Mockyの関連作品がそんなに好きだったら、彼にトラックを頼んでみるのもいいんじゃない?」っていう話になったんです。

Mocky:それはうれしい話だね。Campanellaから話をもらって、データやメールをやり取りしつつ、楽しく仕事をさせてもらっているから、もっとパーソナルに、ディープに作業が出来たらいいなと思っていたんだ。だから、今回、こうして会うことが出来てうれしいよ。

Campanella:そう言っていただいて、こちらこそ光栄です。