— まずは3月に都立大学駅にオープンしたショップ、The Slop Shopについてご説明をお願いします。
大曽根:一言で言えば、クラフトビールに特化した酒屋です。販売している100種類以上のボトルや缶、5種類の生ビールは角打ちのように店内で試飲が出来ます。お店のコンセプトは、”Liquid Gems(液体の宝石)”。読んで字のごとく、扱っているクラフトビールは決して安いものではないんですけど、満足感が得られるものを取り揃えています。品揃えとしては、世界中の最新クラフトビールとベルギーやドイツといったヨーロッパ各国の伝統的なビールの2本柱ですね。
— 世界中には無数のビールがあるわけで、The Slop Shopでは、その時々のいいものを厳選したクラフトビールのセレクトショップというわけですね。そのセレクトの基準だったり、コンセプトというのは?
大曽根:ただ単に流行っているから扱うということはなかったりするので、意図している部分はもちろん、無意識的にも自分たちの好みが反映されてますね。例えば、麦茶のごとくイギリスのパブでダラダラ飲めるイングリッシュ系やラガーのような地味なものとか。
村越:それは僕のなかでの流行りですね。
— 色んなタイプのビールを飲んできて、何周か回って、トラディショナルなビールに辿り着いた、みたいな(笑)?
大曽根:そうそう。面白いのが、個人的な好みを店頭で大々的に打ち出しているわけではないのに、そういうものが店頭でよく動いたりするんです。僕らはこのお店を始める以前、クラフトビールの輸入卸の会社で働いていたんですけど、その時の経験上、一般的に知名度が高い”IPA”スタイルのビールと比べると、酸っぱいビールとして知られる”サワーエール”や酸味と塩味が特徴の”ゴーゼ”スタイルのビールのような変わり種は動きが鈍いとされているんですけど、うちのお店は何故かそういうビールがよく売れるんです。