2019年LAクラフトビールの旅 前編

by Yu Onoda and Keita Miki

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— ちなみに、最新のクラフトビールということに関して、今のトレンドはどんなことになっているんでしょうか?

村越:2、3年前にアメリカ東海岸で”ヘイジーIPA”と呼ばれる甘くて濁ったビールのブームがあったんですけど、それが一般層に定着して、どのブルワリーも売り上げの柱として、作るようになりましたね。

大曽根:あとは甘いスタウトと呼ばれる”ペイストリー・スタウト”とか、甘酸っぱくて、色もジュースとかお菓子っぽい”ラクトサワー”とか。そういうものが東海岸で流行ったことで、ビール好きが一気に広がり、その状況が拍車をかけて、新しいものを求めている層がその後の動きを模索している段階です。

村越:そのなかでも流行る流行ると言われながら、木の樽で熟成させる製法に手間がかかることもあって、いまいち突き抜けきらなかった”サワーエール”が鉄のタンクでもっと気軽に作られるようになり、”ケトルサワー”として広がりつつあります。

— そういえば、コーチェラ・フェスティバルのフードコートに90以上のブルワリーが250種以上のクラフトビールを出している常設スペースがあって、日本ではまだ一部の人しか知らない”サワーエール”が普通に飲まれているという話を聞きました。

大曽根:そう。成熟度という点でも市場規模という点でもアメリカは日本と比べものにならないものがあって。だからこそ、僕らはお店のオープンから間もない時期にアメリカへ視察、買い付けに行く必要があったんです。