KID FRESINOが切り開くヒップホップの新しい景色

by Yu Onoda and Keita Miki

2018年の日本のヒップホップシーンにおける最大の話題作であるラッパー、ビートメイカー、KID FRESINOの3年ぶりとなる新作アルバム『ài qíng』が完成した。
この作品は、彼が2017年にニューヨークから帰国して以降の目覚ましい進化を刻み込んだ大きな節目となるアルバムであり、バンド形態による5曲と自身によるビートを軸に、Seiho、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、BACHLOGIC、VaVa、Aru-2が楽曲を提供。さらにJJJ、C.O.S.A.、ISSUGI、Campanella、5lack、鎮座DOPENESS、ゆるふわギャングのNENE、Ryugo Ishidaというシーンを代表するラッパーを招き、バンドサウンドもダンスミュージックをも飲み込みヒップホップの枠組みを大きく広げてみせた傑作といえるだろう。
今回のインタビューでは、画期的なアルバム『ài qíng』における音楽面での変化を追いながら、KID FRESINOの音楽観について話をうかがった。

Photo:Kazuhiko Fujita&KID FRESINO | Interview&Text:Yu Onoda | Edit:Keita Miki

オリジナルが生まれ得ない時代であるならば、新しい引用の仕方であったり、その組み合わせを土台に曲作りをすることで、オリジナルであると言い張ろう、と。(KID FRESINO)

— 今回のアルバム『ài qíng』は、2017年に帰国したニューヨークでの経験やそれ以降の体験や変化が元になったフレシノくんにとっては大きな節目となる作品になりましたね。思い起こせば、2017年1月リリースのEP”Salve”はニューヨークから日本への移行期の作品であり、今回のアルバムでも引き続き行われたバンド形態でのレコーディングに初めて挑んだ作品でもあるわけですけど、それまで何の知識も経験もなかったにも関わらず、バンドでの制作に向かったのは何がきっかけだったんですか?

KID FRESINO:何か新しいことをやりたいという気持ちはあったし、現行のUSヒップホップに呼応した作品を作りたいとも思ったんですけど、自分でやるにしてもすぐにはそういうビートを形に出来そうになかったですし、周りにも作れる人がいなかったので、状況を打開する手段はバンドだろうと思ったんですよ。

KID FRESINOのEP”Salve”

— そして、以前、対談でもお話いただきましたが、フレシノくんがかつて愛聴していたヒップホップバンド、LOOP JUNKTIONの元メンバーにして、現在はペトロールズのベーシストである三浦(淳吾)さんを足がかりに、バンドを組織して臨んだ最初のレコーディングは改めて振り返っていかがでした?

KID FRESINO:言いたいことがあっても、楽器のプレイヤーに伝わる音楽のボキャブラリーを持っていなかったので、それを言葉に出来ないもどかしさもあったし、メンバーとの関係性も出来ていなかった状況下で、実際、伝えることを諦めた部分が音源にそのまま残ってしまったりもして。制作の進め方としては、三浦さんにベースラインを持ってきてもらって、そこから曲を膨らませたり、キーボードの佐藤(優介)さんにデモを作ってきてもらったりしながら、それぞれがその時のベストを尽くした作品ではあるんですけど、今にして思えば、”Salve”は最初の実験結果って感じで、まだまだやりようはあったんですよね。その後、バンド・メンバーが変動して、ドラムの石若(駿)くん、スティールパンで(小林)うてなさんが加わった今回のアルバムでは、”Salve”での改善点を踏まえて、メンバー間のコミュニケーションを取りながら、最初に音を出す場に自分も入って、何もないところから曲を作っていったことで、新たな段階での進化を形にすることが出来たと思います。

— バンド形態によるヒップホップというと、Kendrick LamarやChance The Rapperがそうであるように、ファンクやソウル、ジャズがベースになったオーセンティックな作風が多いなか、今回のアルバムは他にはない個性的なものになりましたよね。

KID FRESINO:だから、バンドでやりたかったことは、ポスト・エブリシングですよね(笑)。ただ、今回、バンドと作った曲ではサンプリングを使っていないんですけど、もちろん、それぞれの曲にはアイデアの元となった音楽はあって、間接的な形の引用というか、引用のその先を見に行くつもりで取り組んだんですけどね。つまり、オリジナルが生まれ得ない時代であるならば、新しい引用の仕方であったり、その組み合わせを土台に曲作りをすることで、オリジナルであると言い張ろう、と。

— では、アルバムのオープニングナンバーであり、先行シングルの段階から大きな話題となった”Coincidence”はどのように作られたんでしょうか? この曲は変拍子を用いて、緻密に構築された楽曲はポストロック的とも評されましたよね。

KID FRESINO:この曲の着想のきっかけは、UKのポップシンガー、Will Joseph Cookの”Plastic”ですね。BPMが速くて、スティールパンを用いているその曲をリファレンスとして、みんなで聴いてから、バンドでゼロから曲作りを始めたんですけど、その時点では(小林)うてなさんがいなかったので、佐藤(優介)さんにKorgのキーボードでスティールパンの音を弾いてもらったんですけど、そこから先の作業は変拍子のリズムも含め、斎藤さんがYasei Collectiveでやってることを持ち込んでくれたんです。そのリズムを石若(駿)くんがあの超絶的なドラムで叩いてくれて。その後、スティールパン奏者として、うてなさんが加わって、ラップのヴァース部分に関しては佐藤さんがキーボードで作ったスティールパンのループなんですけど、それ以外の部分に関しては、うてなさんが自由に弾いてくれて、特に間奏部分の着地のさせ方はみんな舌を巻いていましたね。

— その楽曲で変拍子を乗りこなすラップの研ぎ澄まされたセンスとスキルは突き抜けたものを感じました。

KID FRESINO:変拍子に変化していく曲に対して、ラップは最初から最後まで一気に考えたわけではなく、4小節単位で考え、構成していったので、自分にとっては、そこまで難しい作業ではなかったです。あと、リリックに関して、この曲の「例えば~」っていう歌い出しは、映画『NANA』の劇中歌で伊藤由奈が”ENDLESS STORY”という曲を歌っていて、そのフックが「たとえば誰かの~」っていう一節から始まるんですけど、その”例えば”を曲の頭に持ってきたら、新しい曲になるんじゃないかなって。”Coincidence”はそんな感じで作っていきましたね。

— リファレンスとなる音楽と引用の仕方のユニークさというか、リファレンスや引用があったとしても、真似したり、そのまま引用しているわけではない、と。

KID FRESINO:曲作りにおいては、そのスタンスこそが一番重要だったかもしれないです。

— 新作アルバムにおけるバンドでの制作がフレシノくんにもたらしたものは?

KID FRESINO:今までサンプリング素材ありきで曲作りをしてきた自分にとって、曲作りを料理に例えるなら、特定のサンプリング素材を使う時点で中華料理かフランス料理かイタリア料理か、その大まかな方向性は決まるんですよね。でも、バンドでのゼロからの曲作りは、今日は何を食べるのかを考えて、買い物に行くところから料理を始めるようなものであって、ミュージシャンにとっては極々当たり前なことなんでしょうけど、自分にとっては、本当の意味でのアーティスト活動の始まりということになるのかな、と。

— バンドでのレコーディングやライヴを重ねることで、メンバー間の関係性も変わりましたか?

KID FRESINO:三浦さん、斎藤さん、佐藤さんに対する信頼感はもちろんなんですけど、新たにメンバーに加わったうてなさん、石若くんにしてもそうですね。うてなさんはセンスの塊みたいな人で、彼女がイエスと言ったら、イエスだと思うし、彼女がノーなら、ノーだろうなとホントに思うので、信頼を置いているし、勉強にもなりますよね。石若くんにしてもあのドラムは特別なものだと思いますし、一緒にやるようになった当初は、仕事だからやってくれているんだろうなって思っていたんですけど、ある時、ライヴが終わった後に石若くんが「フレシノくんの背中を見てて、この人、付いていけると思った」って言ってくれたんですよ。もちろん自分はうてなさんと同じように、彼のプレイやセンスを信頼しているし、お互いの信頼関係がどんどん深まっているように思いますね。

— スタッフの方に伺ったところ、当初はライヴ後の打ち上げの意味が分からないと、頑なに拒否していたのに、ある時期から打ち上げをやるようになったそうですね。

KID FRESINO:そう、反省会をするようになったんですよ(笑)。それ以前の自分には作品やライヴをより良いものにしていこうという気持ちが薄かったということなんでしょうね。”テキトー”って格好いいじゃんって。そういう気持ちは今でもあるんですけど、俺は気合いを入れているところを見ると笑っちゃうタイプの人間なんですよ。真剣にやっている人に対して、本当に申し訳ないんですけど、自分のなかにはそういう感覚があって、性格が悪いというか、反省して、より良いものにしていこうという気概とか気合いとかキモいなって(笑)。そう思っていたんですけど、実際に話してみると「こういうことも出来たんだけど……」っていう意見が出たりして、「え、そうだったんですか。それが出来るなら、そうして欲しかったな」って思ったりして。より良いものが出来るなら、その方がいいなって(笑)。

— はははは。当たり前のことにようやく気づいた、と。

KID FRESINO:そうなんですよ(笑)。みんなにお酒を飲んでいただいて、本人たちが思っている本当の気持ちを聞き出したり、話し合ったり、そういうことの重要性がよく分かりましたね。

— 思わず笑ってしまったんですけど、よくよく考えると、今までのフレシノくんはバンドの関係性とは対極のところで、DJをバックに、一人でステージに立って活動してきたわけですから、すごい進歩だな、と。

KID FRESINO:まぁ、根底は変わらないかもしれないけど、聴いてくれてる人は増えているみたいだし、ある程度は真面目にやろうかなって(笑)。

— そうやって生み出したバンドサウンドに乗せるラップとトラックに乗せるラップのアプローチはどう変えましたか?

KID FRESINO:トラックものは、全ての音がバーンと出ているので、それに負けないように自分もバーンとラップするだけ。それに対して、バンドものは音に幅と奥行き、つまりは空間があって、その音に繊細な強弱が付けられているので、トラックに乗せるラップのようにバーンとやってもフィットしなくて、音に合わせて、強弱をつけたり、喋るようにラップしてみたりしながら、情緒をつけてラップする必要があるんです。そのために、実験を繰り返しながらの作業になったことで、今までより遥かに難しくなりましたね。

C.O.S.A. × KID FRESINOのアルバム『Somewhere』

— そして、今回は、近しい間柄のJJJ、ISSUGI、C.O.S.A.、Campanella、そして、5lack、鎮座DOPENESS、ゆるふわギャングのNENE、Ryugo Ishidaと、ラッパーのフィーチャリングが多いですよね。

KID FRESINO:そうですね。C.O.S.A.くんと連名で作ったアルバム『Somewhere』を機に、人と音楽を作るのが楽しいなと思うようになって、むしろ、一人ではやりたくないなと思って、”Salve”を作ったということもあるし、その流れで今回も人と音楽を作りたいなと思ったんですよね。

— 同時にこのアルバムは配役、配置、流れを考えるプロデューサーとしてのフレシノくんのアルバムでもあるのかな、と。

KID FRESINO:まさにそうだと思います。

— その後、制作を進めるなかで、今回のアルバムはバンド編成の楽曲とトラックものが共存した作品になりましたけど、どんな作品をイメージしていましたか?

KID FRESINO:今回のアルバムでは、バンド編成の楽曲とトラックものが共存したChance The Rapperのミックステープ『Coloring Book』のような作品、その先をずっと作りたかったし、ここ1、2年で気づいたダンスミュージックの面白さを反映しつつ、自分のなかではヒップホップの歴史において、一番の傑作だと思っているKendrick Lamarの『Good Kid M.A.A.D City』が念頭にあって、あのアルバムのクオリティを目指したいなと思いました。制作に関しては、タイミングも重要だったというか、ダンスミュージックに惹かれていったちょうどその頃、Seihoくんから「ラップして欲しいビートがあるんですけど、興味ありますか?」って連絡があって。すごい偶然だったんですけど、自分が求めていた方向性でもあったし、そういう良い出会いにも導かれて、目指しながらも無理だろうなと半ば諦めていた『Coloring Book』のような作品を自分なりに形に出来たかなって。

これもまたMasteredの別のインタビューでお話させていただきましたが、フレシノくんはダンスミュージックに開眼して、現在はDJとしてもヒップホップとハウスのクロスオーバーパーティ『OFF-CENT』を全国各地で開催していますよね。改めて、フレシノくんにとって、ダンスミュージックの魅力とは?

KID FRESINO:以前はダンスミュージックを家で聴いているやつは頭がどうかしてると思っていたんですよ(笑)。というのも、ダンスミュージックはクラブの現場で映える音楽だと思っていたし、音楽が生み出すテンションが家にいる時に合うはずがないと思っていたので、音楽としても苦手だったんです。でも、実はいま家で一番聴きたい音楽なんですよね。アッパーすぎるトラックはともかく、淡々と刻むビート感や音楽としての程良い存在感、トラックの抽象性なんかが考え事をしたり、本を読んだり、ぼーっとしたりする時にフィットするというか、実は生活に寄り添ってくれる音楽なんだなということに気づいてから、大好きになりましたね。

— ただし、Seihoさんがトラックを手がけた”Cherry Pie for ài qíng”しかり、5lackをフィーチャーした”Fool me twice”しかり、ヒップホップよりBPMが速いダンスミュージックにラップを乗せるとなるとこれもまた大きな挑戦ですよね。

KID FRESINO:ダンスミュージックにラップはいらないでしょという意見ももちろん念頭にはあって、今回の作品が出ることで、そういう意見があってもいいと思いますし、もしかすると4つ打ちが好きな人のなかには他のダンスミュージックとは違う良さを感じる人もいるかもしれない。それは分からないので、自分にとっては大きなトライアルでした。それでもやってみたかったんですよね。一つ心強かったのは、自分がダンスミュージックに開眼したタイミングで、ラッパーのVince Staplesがダンスミュージックの影響を独自に消化したアルバム『Big Fish Theory』をリリースしたこと。その他にもA$AP Rockyが今年出した最新作『Testing』であったり、ダンスミュージックの影響を受けたヒップホップの素晴らしい作品が背中を押してくれたんですよね。

— そして、客演で素晴らしい仕事が続いているCampanellaの切れまくったラップをフィーチャーしている”Attention”のビートは初顔合わせとなるBACHLOGICです。

KID FRESINO:日本のヒップホップを聴いていた自分にとっては、雲の上の存在だったBACHLOGIC氏と仕事をしてみたいという気持ちがまずあって。”Attention”のビートをお願いするにあたって、リファレンスとしてSminoやSevdalizaの音源を渡したんです。彼らの作品が今っぽく聞こえるのは、ラップや歌だと感じていたので、他のラッパーが頼むようにBACHLOGIC氏が得意とする派手なトラックを敢えて依頼せず、ラップや歌で現代性を持たせようと思ったんです。ラップに関して、自分のヴァースを入れた音源を渡して、Campanellaにラップを入れてもらったら、最初はしっくりこなかったので、3回くらいやり直してもらったのかな。でも、最後に入れたラップがあまりにすごかったので、これなら俺のラップはいらないでしょって思って、俺のヴァースは消して、自分は歌だけにしました。今回の作品から自分で歌うようになっているのは、最近、C.O.S.A.くんとも「ラッパーがラップしかしないのは音楽に対して怠慢なんじゃないか」と話していたんですけど、そう思って、Kendrick Lamarも歌い始めたんだと思うし、より良い音楽を作っていくうえで歌が必要な場面はあるんじゃないかなって。だから、自分でもそれを実践してみただけ。まぁ、みんなもやっているし、当たり前のことですよね。

— さらにビートメイカーでは、JJJをフィーチャーした”Way to nice”のケンモチヒデフミさん、”Retarded”のVaVaくんと組むのも初めてですよね。

KID FRESINO:ケンモチさんは、水曜日のカンパネラの”メロス”という曲を聴いて、ドラムパターンの信じられない仕事ぶりに感動して、一人のファンとしてお願いしました。というか、実は最初にJJJの方がケンモチさんと仕事をしたがっていて、その話に俺が相乗りしたというか、俺の方が先に仕事をすることになったので、先達に敬意を払う意味でもJJJにラップで参加してもらったんです。VaVaくんは以前から知り合いで、どこかのタイミングで仕事をしたいなと思っていたんですけど、沢山送ってくれたビートのなかにアルバムの足りない要素を補ってくれるビート、簡単に言えば、感傷的なことを歌えるビートがあったので、お願いして使わせてもらって、”Retarded”を作りました。

— その一方で、リリックにおいては、「Cheaters Never Win(悪は滅びる)」とか「Money doesn’t grow on trees(金のなる木はない)」というような格言やことわざを用いたり、抽象化した心理描写を盛り込んでいるところは今回の大きな特徴だと思うんですけど、ラップというのは、本来、直接的な表現が基本になっていて、フレシノくんも過去の作品ではそういうラップをしていましたよね。今回、アプローチを変えたのはどんな意図があったんでしょうか?

KID FRESINO:リリックでは意味のない情景を書いていることが多かった気がします。直接的なラップというか、ラップで具体的な話をしたくなかったんですよね。意味のないことを意味のあるように紡いでいくアプローチはかつてのDavid Bowieがやっていたことでもあると思うんですけど、そういう手法に興味があったというか、念頭にずっとありましたね。

— それが1週間で音楽が消費されてしまう現代に対するフレシノくんの抗い方なんですかね。つまり、瞬く間に消費される直接的な表現に対して、色んな角度から長く楽しめる抽象性を作品に持たせた、とか。

KID FRESINO:なるほど。まぁ、でも、今の時代、みんなそれぞれ色んな音楽を聴いているわけで、恒久的に長く聴かれる作品は存在しないんじゃないかなって思いますけどね。いいと思ったものでも結局飽きるし、自分のなかで本当にいいなと思っても、そういう気持ちは1週間くらいしか維持しないですからね。だから、時代に抗うつもりはないし、名盤とかクラシックだとか、そういう枠組み自体、もういらないんじゃないかなって。いい音楽は常にドンドン出てくるし、そこにはインスタントに作られたもの、長い時間をかけて作られたものが混在していて、それが速いスピードで消費されていく。もし、みんなが異議を唱えて、その流れが変わるんだったら、それはそれでいいと思うし、でも、今は毎週毎週出てくる新しい音楽をチェックするのが楽しいですからね。俺は戻ったりせず、毎日常に新譜を聴いているし、自分の音楽もその一部になるだけなんですよね。

KID FRESINO 『ài qíng』

発売中
品番:DDCB-12103
価格:2,700円 + 税
Released by Dogear Records / AWDR/LR2

■収録曲
1. Coincidence
2. Cherry pie for ài qíng
3. Arcades ft. NENE
4. Ryugo Ishida interlude
5. Winston ft. 鎮座DOPENESS
6. CNW
7. Fool me twice ft. 5lack
8. Attention ft. Campanella
9. not nightmare ft. ISSUGI
10. Aru-2 interlude
11. Nothing is still ft. C.O.S.A.
12. Way too nice ft. JJJ
13. Retarded