ここはカバンが擬人化された世界。この世界に存在するのは、カバン人(カバンビト)と呼ばれる人々です。
このちょっと不思議な世界の片隅に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんとおばあさんは2人で小さなカバン工場を営んでおり、来る日も来る日もせっせとカバンをこしらえていました。
ただ、2人は長いこと子宝に恵まれず、工場の跡取りがいないまま、気付けば齢70を迎えることに。
そんな2人がいつものようにせっせとカバンをこしらえていたある日のこと………。
おじいさんとおばあさんのカバンを買っていった百姓から、「カバンの中に赤ん坊が入っていたよ!」という驚きのクレームが入ったのです。
そして、おじいさんとおばあさんが恐る恐るカバンを開けてみると、そこにはなんとも可愛らしい笑顔で微笑む赤ん坊の姿が!
大好評だった前篇に続く、この後篇では新たに個性豊かなカバン人たちが登場!
果たしてカバン姫の心を射止めるカバン人は現れるのか!? そしてカバン姫に隠された秘密とは………? 遂にベールを脱いだアニメ版『カバン姫』と合わせて、最後までじっくりと楽しんでくださいませ。
Photo:Masaya Fujita、Styling:Shunsuke Mori、Hair&Make:Kazuki Fujii(ACQUA)、Model:Yurie Akutsu、Text&Edit:Keita Miki、truck:emufucka、Special Thanks:e.m. Showroom
カバン姫 後篇
「(私、何か忘れてることがある気がする………。なんだっけなぁ………。)」
「姫、どうしたんじゃ? 次の候補者が来るぞ? では4人目の方、どうぞ~」
「カバン姫さん、こんにちは!(コンニチワ!)。僕達LINKは兄弟なんです!(驚イタ?)。僕らと結婚してくれたら(毎日3人イッショダヨ!)。」
「どっちのカバン人さんと話せば良いのか、いまいち分からないな………。ところで、君達は何が出来るの?」
「一番の強みは僕らは組み合わせても、別々でも便利に使えるってことなんです(ソレダケジャナイヨ!)。体はナイロンのツイル地に特殊加工を施したもので(スゴク丈夫ダヨ!)、要所のレザー部分はベジタブルタンニンで鞣されたすごくエコなカウレザーになっているんだ(地球ニ優シイ!)。カバン姫さんも僕らと共に一蓮托生の人生を歩みませんか?(Shall we bag!?)。」
「君達と一緒にいると聖徳太子くらい聞き上手になりそう。でも、まずは試させてもらうね。」
「どうかな? じいや、ばあや。」
「うーむ………、悪くは無いが、そもそも姫は生粋のセレブリティなので、バッグを2つ使うほどの荷物を持ち歩くことが無いんじゃないかのぅ………。」
「だよね、ちょっと私にはオーバースペック気味かな………。」