カバン姫 前篇

by Mastered編集部

ここはカバンが擬人化された世界。この世界に存在するのは、カバン人(カバンビト)と呼ばれる人々です。

このちょっと不思議な世界の片隅に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんとおばあさんは2人で小さなカバン工場を営んでおり、来る日も来る日もせっせとカバンをこしらえていました。

ただ、2人は長いこと子宝に恵まれず、工場の跡取りがいないまま、気付けば齢70を迎えることに。

そんな2人がいつものようにせっせとカバンをこしらえていたある日のこと………。

おじいさんとおばあさんのカバンを買っていった百姓から、「カバンの中に赤ん坊が入っていたよ!」という驚きのクレームが入ったのです。

そして、おじいさんとおばあさんが恐る恐るカバンを開けてみると、そこにはなんとも可愛らしい笑顔で微笑む赤ん坊の姿が!

※本特集内に掲載されている商品価格は、全て税抜価格となります。

Photo:Masaya Fujita、Styling:Shunsuke Mori、Hair&Make:Kazuki Fujii(ACQUA)、Model:Yurie Akutsu、Text&Edit:Keita Miki、Special Thanks:e.m. Showroom

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VICTORIAN MAIDENのワンピース 28,000円(VICTORIAN MAIDEN TEL:06-6357-2644)、ATELIER PIERROTのヘッドドレス 6,500(ATELIER PIERROT TEL:03-3475-0463)、その他スタイリスト私物

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おじいさんは赤ん坊を見た瞬間、「この子を私たちの工場の跡取りにしよう」と決めました。
カバンから生まれたその赤ん坊は2人に「カバン姫」と名付けられ、すくすくと育ち、超キュートな女の子へと成長しました。
その超キュートなルックスは、周囲のカバン人たちをすぐさま虜にするほどで、いつしかおじいさんもその可愛さから工場の跡取りにするという当初の目的をすっかり忘れてしまいました。
おじいさんはカバン姫にまるで人形のような洋服を着せ、すこぶる甘やかしながら育てていたのです。

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おじいさんとおばあさんのカバン工場はカバン姫を一目見る為に集まったカバン人たちで溢れ、2人のカバンは驚くべきスピードで売れていきました。
いつしかカバン姫もお年頃となり、彼女へのカバン人たちからの求婚は熾烈を極めました。あまりにも多い求婚の数に嫌気がさし、遂におじいさんとおばあさんはオフィシャルでカバン姫の結婚相手のオーディションを行うことに。
国中から集まったカバン人の中から、最終的に5人が選出されました。そして運命の最終オーディション。彼らに対して、カバン姫は言いました。

「あなた達はどんな方法で私を幸せにしてくれるの?」

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