コレクションの大トリを飾るのが、Bボーイスタイルにはかかせない、ヘッドウェアの数々。膨大なコレクションのなかから、厳選したごく一部を紹介する。
冒頭で触れたSupreme x Louis Vuittonはもちろん、GUCCIも2018年クルーズコレクションでDapper Danのデザインをモチーフにし物議を醸すなど、近年なにかとハイファッション界から熱視線を集めているオールドスクールヒップホップファッション。そんな現状についてどう思っているのか、illllllllllluss氏に問いを投げかけてみた。
i「80年代のRUN DMCとadidasの関係値とはまた異なる、所謂ストリートブランドへのスポーツブランドやハイブランドの歩み寄りはびっくりします。(Louis Vuittonメンズアーティスティックディレクターの)キム・ジョーンズだってGimme 5(注:90年代にGood Enoughなどを扱っていたロンドンのディストリビューションエージェンシー)出身でしょ。デザイナーは大体自分と近い世代。あの時代にしか生まれ得なかったカルチャー・空気感がみんな大好きなんですよ。
曲でいうと、Ultimate Breaks & Beats(注:名ブレイクビーツを集めた、ヒップホップ史上に残るブートレグコンピレーションシリーズ)だけで作ったような、ドラムブレイクが2つも3つも聞こえてくる、クリアランスなんか知るもんかといったような曲。服でいうとDapper Dan。共通している、あの“いなたさ”がたまらないんですよ。DEV LARGEの言う「盗みの美学」、つまりイリーガルであることの魅力は、HIPHOP文化を育んできた重要な要素だと思っていて。レコードは再発するけど、服は真似たモノをつくることしかできない時代なので、上手にサンプリングをするSupremeではなく、オリジナルを掘り続けます」
フェイク(精巧な偽物)ではなく、あくまでブートレグ(海賊版)。
そして、ブートレグだからこそ意味があり、価値がある。
ヒップホップカルチャーの価値観に毒されたコレクターの戯言、と切って捨てるのは簡単だが、カルチャーと紐付いたファッションが注目を集める今だからこそ、共感されるべき感覚なのかもしれない。
白虎隊で有名な城下町で活動するDJ。本特集では紹介しきれなかったコレクションをInstagramに投稿しているので、是非こちらもあわせてチェックを。