カンパニー松尾(AV監督) × ファーストサマーウイカ(アイドル)
笑いあり、涙あり、顔射ありの大作『BiSキャノンボール』の裏側。

by Mastered編集部

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ドキュメンタリーって嘘をつけないんですよ。でも、本当のドキュメンタリーを作れてる人たちって実はあんまりいない。(カンパニー松尾)

— 観てて思ったんですけど、この映画で一番おいしいのは渡辺さんですよね。

ファーストサマーウイカ:渡辺さんはおいしい。なんかスゴく良い人みたいに「アイドルを信じますよ」とか言ってるし。私に詰められてる時は、本当に申し訳ないことをしたみたいな顔になってたのに(笑)。

渡辺淳之介: BiSは俺の壮大なプロパガンダだから、そう映るのもしょうがない。だって俺、カメラ回ってる時に下手な発言をしちゃいけないって、BiSのメンバーより全然真剣だったからね。

ファーストサマーウイカ:文句言い過ぎてかわいそうなことしたなって(笑)。緊張も相まってか、ずっとソワソワしてたし。それで高根さんに矛先を変えたっていう(笑)。

SSTV高根:アーティストにあそこまで直に攻められることってメディアの人間には滅多にない事だからスゴく良かったよ。新鮮だった。

カンパニー松尾:アレだったら高根さんも仕事した気になりますよね。間接的に表に出ない攻められ方されてもストレスにしかならないけど。

ファーストサマーウイカ:顔射に対して周りの大人たちが騒ぎ始めるシーンが入りますよね。これからアイドルをやる子もいるから、そのシーンを観たときに申し訳ないことしちゃったなって思いましたね。

渡辺淳之介:俺はあんまり気にしなかったけどね。BiSはBiSだから。

カンパニー松尾:誰もこんな事やろうとしないし、BiS以外では出来なかった。そこはやっぱり面白いし、作りあげたものは大きいと思うよ。人間ね、ツラい思い出の方が記憶に残っていいんですよ。そういうことも後々笑い話になっちゃうのよ。この撮影に入る前に、もし本当にヤったら世に出せるんですかって渡辺さんに話しをしたら「出さざるを得ないね」って腹をくくってましたよ。

ファーストサマーウイカ:渡辺さんが腹をくくっても(笑)。

渡辺淳之介: カメラ回ってるの分かっててハメたら自己責任だろ(笑)。

カンパニー松尾:AV女優じゃなくて、アイドルだけどハメれるっていう、そういう新しいアイドルだって別にやりようによってはアリですよ。

ファーストサマーウイカ:BiSがそのボーダーを作ったかもしれないですね。今までもBiSそのものが問題で、例えば全裸でダイブしろって言われた時も、狂った人が現れて突然そんな事を言いだして、メンバーの一部も狂ってたから受け入れてしまいそうになったりして。本当にただの事故だったんですよ。でも、みんなはそれをエンターテイメントに昇華して、元々出来上がってたシナリオみたいに見るんですよ。だからBiSキャノも私たちが絡むことによって出来レースみたいに思われるのだけはスゴイ嫌ですね。特に私とかは最後に「アレ?」って思われる様なシーンがあるじゃないですか。

カンパニー松尾:ウイカさんは猜疑心の塊なんだね(笑)。

ファーストサマーウイカ:光栄です。松尾さんにそんなこと言ってもらえて(笑)。

カンパニー松尾:そんな風に考えなくていいと思うよ。そういう事言う人たちは絶対にいるわけだけど、実際は違うんだから。ドキュメンタリーって嘘をつけないんですよ。でも、本当のドキュメンタリーを作れてる人たちって実はあんまりいない。だからそういう風にみんな疑うのかもしんないけど、俺とか俺の周りにいる人たちがやってることは本当のドキュメンタリーだから変な風には見られないんですよ。だから、そういうことは心配してないです。

非常階段×ゆるめるモ!のアルバム『私をノイズに連れてって』

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— でも作品全体において観る側に考える余地を残してますよね。

カンパニー松尾:いつもそうですよ。なるべく見た人に考えてもらえるような作りにしようと思ってます。僕が編集してるから、僕の主観的なチョイスになってはいます。起きたことは起きたことでいじれないから、それをどう見せるかがドキュメンタリーの編集だし、そういった意味で僕の味付けはちょっと入ります。今回も入ってますよ。

渡辺淳之介:こんなのやっちゃたら、やりたい人出てくるんだよ。今BiSHのオーディションをやってるんですけど、「BiSみたいなことをやりたいです」って言うんだから。そういう子に、BiSでやってなかったことで何がしたいか聞いたら、「おしっこかけたいです」って。客にだよ(笑)。俺本人に言っちゃったよ、非常階段っていうバンドがいて、アルケミーレコードってところに連絡したらきっと採用してくれると思うよって(笑)。だから実際はBiSがボーダーを作ったというより、取っ払っちゃった部分がいっぱいあると思う。俺はアイドルを信じてたけどね。

— これを観た他のアイドルからキャノンボールやってくださいってオファー来たらどうするんですか?

カンパニー松尾:来ないですよ。これでバレてるもん。

ファーストサマーウイカ:この前のプロレスキャノンボールみたいに、キャノンボールが一人歩きしていって、テレキャノ自体がいずれ1つの文化みたいに。

— アイドルの登竜門的な。

カンパニー松尾:ならない、ならない(笑)。BiSとの組み合わせでしかこうはならなかったと思いますけどね。東京女子流キャノンボールとかないでしょ(笑)? そういう意味で、コショージさんのアレは歴史的名シーンでしょ。人のオナラをあんな風に聞いたの初めてだからね。AVでよくある、ウンチする時に出ちゃったとか、そういうものではないじゃないですか。ある意味アイドルムービーとしてアレが撮れ高、一番スゴイんじゃないかな。

— 最後にお2人のココだけは見て欲しいという『BiSキャノンボール』のポイントを教えてください。

カンパニー松尾:まず、キャノンボールと謳いながらもBiSキャノンボールはテイストが違います。キャノンボールチームとBiSが途中で仲違いをして、そこから各々が先に進んだでいったところを見てほしいですね。トラブったり、人生つまづいてばかりですけど、そうなった時にどうするかってためにもこの作品は是非観てもらいたいです。アッパーな作品ではないですけど。

ファーストサマーウイカ:まさにハメるかハメられるかっていう、その戦いを見てほしいですね。BiS最後の戦いなんで。私はこれを代表作だって思ってます。ファーストサマーウイカの代表作です。

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【『劇場版 BiSキャノンボール2014』】
2015年2月7日からテアトル新宿ほかにて全国上映中
監督:カンパニー松尾
出演:プー・ルイ/コショージメグミ/ヒラノノゾミ/テンテンコ/ファーストサマーウイカ/カミヤサキ/渡辺淳之介/カンパニー松尾/バクシーシ山下/ビーバップみのる/タートル今田/梁井一/嵐山みちる/平澤大輔
企画・制作:有限会社ハマジム
配給:SPACE SHOWER NETWORKS INC.
http://bis-cannon.jp/