カンパニー松尾(AV監督) × ファーストサマーウイカ(アイドル)
笑いあり、涙あり、顔射ありの大作『BiSキャノンボール』の裏側。

by Mastered編集部

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この映画はBiSでしかないなって。BiSを全うさせるにはこれ以上ないぐらいの説得力のある映像だし、「なんで全うさせてくれないんだ」って言ってる様がまさにBiSだなって。(ファーストサマーウイカ)

— 関係性が構築できているからこそ余計な事はしたくなかったと。

カンパニー松尾:潰してやるっていう感じが見えてくるまでは関係性が築けてると思ってたんですよね。だから目も合わせてくれなくなった時におかしいなーって思いましたよ(笑)。まぁでも、それはそれで、泣いたっていう事実も含めてそういう感情が出たのであれば良いのかなと。僕がハメ撮りやAVを撮っている中で何でセックスをするかって言うと、気持ち良いからっていうのもあるんですけど、一番は人間の素の部分が出るからなんですよ。ウイカさんはハメ撮りに至る前に感情を出してくれたし、それはそれでハメ撮りに変わるようなものであったような気もしなくはないので。目的は隠されているんだけど、1人の撮影者とその対象者がどれだけコミニュケーションを取れるかというのが大事だったから、たった2日間の出来事ですけど、色んな付き合い方があって、出会って話して、その後どうなったのかってのが映ってればいいかなと。

ファーストサマーウイカ:今もそうですけど、松尾さんは変な小手先のテクニックじゃなくて、気持ち優先の言葉を使って攻撃をするタイプなんですよね。諭すというか。だからさっきも言いましたけど、乗せようみたいなところが一切なかったんです。この前、当日の得点表がどうなっていたかを知って、これかーって(笑)。映画館でテレキャノの劇場版も観てますけど、得点表見るまでは全く分からなかったです。松尾さんにTシャツの背中にサインしてくれって言われたからサインしたんですけど、それはポイントと関係なくて、別になんでもなかった(笑)。

カンパニー松尾:あれは梁井がコショージさんにサインもらってて、いいなーって思ったから、じゃあ俺もって(笑)。

ファーストサマーウイカ:露骨なアプローチがあったら私の対応も変わって、全く違う作品になってたと思いますよ。

カンパニー松尾:俺から見たら、「ハメ撮りしたら100ポイント」ってルールが決まった時にこれはもう0か100のどっちかしかないなと思ったんですよ。細かいポイントを積み重ねても意味がない。だから今回は小銭稼ぎはいらねーな、と。でも、歴代のキャノンボールは小銭稼ぎしてる人が最後にちゃんと勝つんですけどね(笑)。

ファーストサマーウイカ:今まで何年やってるんですか?(笑)

カンパニー松尾:17年。1回も優勝してないんですよ。初回から言ってるんだけど、俺が優勝するためにやってるんです。でもいつも優勝者は違うんですよ。

— 本気で優勝する気はあるんですよね?

カンパニー松尾:もちろんですよ(笑)。確かにこれだけ結果出てなかったらやる気あんのかって思われるのも無理ないですけどね(笑)。

BiS解散LIVE 「BiSなりの武道館」

BiS解散LIVE 「BiSなりの武道館」

— 松尾さんは事前にBiSについての情報を調べたんですか?

カンパニー松尾:ほとんど調べてない。だって最後の最後まで「ビズ、ビズ」って言ってたくらいですからね(笑)。僕だけじゃなくて、梁井とかみのるもそう。事前に伝えてはいたんですけど、集まったら案の定なんにも調べて無かった(笑)。「ビズ」って言うと、のんちゃんが怒るんですよね? 映画観たらすごく怒るんじゃないかな。連発してたし。

ファーストサマーウイカ:のんちゃんに関して一番不安なのは靴下の事ですね。多分あれボコボコにされますよ(笑)。みちるさんと二度と口聞かないと思いますね。私はゲラゲラ笑っちゃいましたけど。

カンパニー松尾:みちるちゃん、面白いよね。彼にとっての靴下は、脱ぎたてのパンツかそれ以上のものなのかもしれないね。

ファーストサマーウイカ:ちなみに、のんちゃんはみちるさんのこと嫌いらしいですよ(笑)。たま出る関西弁もすごい嫌、みたいな事も言ってたから多分本当です。

— 最初に聞けば良かったんですけど、そもそも松尾さんはBiSについてそこまで知らないにも関わらず、なぜこの話を受けたんですか?

カンパニー松尾:始まりとしては、大橋仁くんの写真集『そこにすわろうとおもう』のメイキング・ムービーを俺たちが作っていて、それを七尾旅人さんのイベントで上映したんですよ。24分ぐらいの映像なんだけど、高根さん(SSTVの担当プロデューサー)がそれを観て、「撮りませんか?」って言ってくれたんです。ただその時はキャノンボールの編集中だったんで「何も考えられません」って逃げてたんですよ。でも、どんなグループか気になるので少し調べるじゃないですか。そしたら歴史があって、活動自体がネタになってて、そのBiSという活動の中で最後にAV監督にドキュメンタリーを撮らせるっていうのは非常に流れとして分かりやすいなって思いました。解散前のBiSの姿は誰もが知ってる事実だけど、解散後の彼女たちまで撮れればオリジナルなわけです。うちらにしか撮れない画がある。解散してバラバラで撮るから6人のカメラマンが必要で、俺が信頼する6人となると自然とテレキャノのメンバーになってしまうんですよね(笑)。ただ、困った事に彼らはBiSに何の思い入れも無いわけだし、解散後のダイレクトな気持ちなんて撮れない。悪い癖なんですけど、だったら餌を与えてレースをさせればいいと。

一同笑

ファーストサマーウイカ:劇中で私が「なんでBiSを最後まで全うさせてくれないんだ」って憤慨しながら発言してるシーンあるんですけど、松尾さんがあそこを汲んでくれて本当に良かったって思いましたね。BiSは、常に大人たちに翻弄されて自分たちがやりたい事とは違う方向に進んでいるのに、最後には横浜アリーナという終着点に辿りつくという、よくわからないシンデレラストーリーなんです。だからこの映画はBiSでしかないなって。BiSを全うさせるにはこれ以上ないぐらいの説得力のある映像だし、「なんで全うさせてくれないんだ」って言ってる様がまさにBiSだなって。それを松尾さんが抜いてたのもスゴイし、自分で言ったにも関わらず私天才だなって思いました(笑)。

カンパニー松尾:まぐれ、まぐれ(笑)。

ファーストサマーウイカ: それこそ渡辺さん(BiSのマネージャー)が本編でも言ってたように「他人が介在するのがアイドル」で、はたからすると私たちがメインのように見えるんですけど、実際には違ってファンと自分たちとの間にとてつもなく大きな力が働いてるんです。それによってBiSが完結したっていうのも本当にBiSっぽいし。これはBiSなりのキャノンボールだなって思います。

カンパニー松尾: BiSに対する渡辺さんの仕掛けの集大成ですよね。渡辺さんも俺たちがどこまでやるか読めてなかったし。俺たち自身も読めていなかった。どこまで君たちが許して、どこまでやるのかわからない。そんな中でのドタバタ劇。BiSのメンバー、渡辺さん、テレキャノメンバー、全員が揃うことによってBiSらしい関係が成り立つっていう。

渡辺淳之介:「We are BiS」ね(笑)。BiSの中で最後に公開されるのがこれだっていうのがヤバい。

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