CA4LAとのコラボレーションハットが発売。クラムボンのミトが語るポップとオルタナティブ

by Atsushi Hasebe

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— 以前にニコ動に出始めた時も、色々言われるかもしれないけど、若者に自分たちの音楽を届けるために出なくては行けないと仰ってましたね。

ミト:当時のニコ動って、外から見たらまだ得体の知れないメディアでしたからね。どの時代もそうだと思うんですけど、未だに私たちがやってるような活動って一つにくくれないものだと思うので、なんとも言いようがないと思うんですよね。ジャンルとしても捕らえられないですから。でも、そういうなんとも言えない状態なところに必ずいるってことが重要で、それを続けていると、最終的に何をやっても私たちのものとして取り込めていけちゃうんですよ。個が強いからかもしれませんが、先陣を切ると、必ずどこかで文句を言われるんですよ。それを20年もやっていると、 逆にそれがないと面白くなくなっちゃうんです。音楽ってもともとは、政治だったり思想だったりを提示するファクターだったわけです。だけど、今は娯楽に特化しているだけ。まだまだもっとパワーがあると過信しているわけです。音楽を変な小さい箱に収めたくないんですよね。

— 社会的に影響があることに絡めようとしているわけですね。

ミト:お金の話をするというのも、それはそれで社会的な部分だと思うんですけど、我々がやると、キャッチーというかポップに見えるんですよ。なので、それを有効活用しない手はないわけです。

— クラムボンはオルタナティブだけど、常にポップだってところもポイントかもしれませんね。Masteredの読者は音楽好きが多いとは思いますが、若い読者が多く、これまでにクラムボンに触れてこなかった読者もいると思います。そんな読者に何かメッセージをいただけますか。

ミト:クラムボンの音楽は、多分、普段聴いているような音楽ではないと思います(笑)。いわゆる普段聴かないのとして聴いてみるというのはアリだと思いますね。ただ、そんなに構えて聴かなくてもいいかもしれません。我々の音楽は結構耳に入ってくるように作られているので。

— オルタナティブな音楽って好き嫌いが出やすいですが、クラムボンの音楽ってそうではないですもんね。

ミト:そうですね。嫌いになる要素はあまりないように思いますね。濃いのは確かですけど、人懐っこさがあると思います。なんか新しい形で音楽と接したいという時にでも聴いてみて欲しいですね。

mito(ミト)
同じ専門学校に通っていた、原田郁子、伊藤大助とのスリーピース・バンド、clammbon(クラムボン)を結成。1995年から活動開始。1999年にメジャーデビュー。20周年の2015年には代々木公園でのフリーライブや日本武道館公演を開催。その年メジャーを離れ、翌年ミニアルバム『モメント e.p.』をライブ会場で発売。以降、リリースしたCDはライブ会場と活動に賛同するショップで販売している。
http://www.clammbon.com/