要注目の国内10ブランドに取材を敢行し、編集部が気になった10アイテムについて、込められた思いやこだわりなどをデザイナー・ディレクターの方々に解説していただく本企画。
三番目に登場していただくのは、雰囲気溢れる色使いと素材使いで人気の『ts-20』です。
なお、「ts プラス 通し番号」というブランド名のフォーマットは今季限りだそうで、来季からは世界展開を視野に『ts(s)』とその名前を一新するそう。
そんな設立10周年を迎え、さらなる進化を続ける同ブランドを手がける鈴木卓爾氏に、会心のコレクションについて解説していただきました。
今シーズンのテーマについて
これといったテーマは設けず、色と光沢感をポイントにしたトラッド感のある服作りをベースに、ワーク・ミリタリー・スポーツのエッセンスを盛り込んでラインナップを展開しています。
気分を解放するカジュアルな思考と引き締めるフォーマルな思考、それぞれの要素の間でいかに独特なスタンスでバランスをとるかにこだわり、絶妙な個性を持った「ありそうで無い物作り」を心掛けていますね。
編集部が選んだ10アイテムをディレクター自ら徹底解説
#01. ガンクラブチェックのセットアップ
「黒×ネイビーのチェック柄で仕上げたセットアップです。
ガンクラブチェックやグレンチェックなどの中でも秋冬っぽい柄を、綿×麻で作ることによって春っぽさを出してます。
ディテールでは、ハンティングの要素を取り入れたり、裏パッチポケットにしていたりとさりげない部分にこだわって仕上げています。」
ジャケット 44,100円
パンツ 23,100円
(ともにナットソー・ハードワーク カンパニー)
#02. マドラスストライプのセットアップ・シャツ
「マドラス地の上からオーバーダイしたセットアップです。
元のマドラスはかなり派手なんですが、後染めすることでよく見ないと分からないくらいな色合いに仕上げています。
着込んでいくうちに色が抜けてきて、元の色が見えてくる面白さもあります。」
ジャケット 34,650円
パンツ 23,100円
シャツ 18,900円
(すべてナットソー・ハードワーク カンパニー)
#03. ヘリンボーンのライダース
「ヴィンテージ織のヘリンボーンを使用したライダースです。ODグリーンのライダースってなかなか見ないので。
袖をリブに変更したりしてミリタリーの要素を取り入れつつ、前身の仕様をダブルとシングルをミックスさせたようなデザインにして、さり気ない部分にウチらしさを感じさせる作りになっています。」
42,000円(ナットソー・ハードワーク カンパニー)
#04. ダルトーンカラーのジャケット
「ダルトーンカラー、くすんだパステルカラーのアイテムを作りたくて。これもセットアップで展開していて、同じ素材のパンツもあります。
この絶妙な色めでスタイリングにポイントをつけたいな、と思って。
ジャケットはCPOジャケットをモチーフに仕上げています。」
29,400円(ナットソー・ハードワーク カンパニー)
#05. ハンティングベスト
「綿に麻を35%混紡したデニムで作ったベストです。
しっかりとリネンの風合いも残しつつ、デニムらしい雰囲気に仕上がってるこの感じはなかなか見かけないかと。
カットソー地のベストと重ねる、ベスト on ベストのレイヤードで着こなすような提案もしています。」
29,400円(ナットソー・ハードワーク カンパニー)
次のページに続きます。