めくるめく「スナック」の世界。東京のスナック 第4回:渋谷区代々木・甲斐

by Nobuyuki Shigetake

諸説はあるけど、全国に約16万軒以上存在していると言われており、コンビニが全国で約6万軒だから、その2倍以上の数。途轍もない数字であることは、言うまでもない。日本中"どこにでもある"けど、日本にしかない、日本独自の文化。それがスナックだ。
日常的に目にしているはずなのに、僕たちは思っている以上に、その実状を知らない。それどころか、一度も行ったことない、なんて人も多いのではないだろうか。それは、もしかしたらとても損をしているかもしれない。
この連載では、東京近郊のスナックにフォーカスし、名物ママへのインタビューや店舗の情報など、スナックに行く上で知っておいた方が良いことを、撮り下ろしの写真とともにご紹介。第4回は、渋谷区代々木のスナック、甲斐。さあ、重い扉を開き、中へと入ってみよう。

Photo:Atsushi Fujimoto | Text&Edit:Nobuyuki Shigetake

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甲斐マスターズのお店

代々木のランドマーク、NTTビル。

湘南新宿ラインと中央線が交差する。

摩天楼・新宿のお膝元にも関わらず、どこか鄙びた雰囲気が残る代々木。中でもとりわけ象徴的なのは、ドラマ『傷だらけの天使』で”エンジェルビル”として登場している代々木会館。屋上に建てられたペントハウスを拠点とする主人公役の萩原健一(R.I.P)がオープニングのワンシーンでコンビーフや魚肉ソーセージを勢いよく貪っていて、これがまた、非常に美味そうでお気に入りのワンシーン。

とまあ余談はあれど、今回の舞台はその代々木会館の斜向かいにある居酒屋スナック・甲斐。代々木駅からは歩いておよそ2分ほどの好立地。

渋すぎる看板には、”甲斐マスターズのお店”との文字が。「コレは一体なんぞや」などと考えながら、酔っていたら100%踏み外すであろう、とても急な階段を慎重に降りると、酔客たちの楽しそうな声が聞こえてくる。