庄司信也 × 安孫子真哉 × 角張渉の『レコ道 ~ 音楽トキワ荘 ~』 第2回(ゲスト:伊賀大介)

by Mastered編集部

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— 伊賀さんをはじめ、昔からスタイリストとして活躍している方々は、音楽に精通している方が多いように思います。近年はそういった音楽とファッションのリンクが少なくなったようにも感じるのですが、いかがでしょうか。

伊賀:確かにそんなにリンクしてないかもね。

安孫子:僕もそう感じますね。「パンク最高!」っていう人がいなくなりました。

— 安孫子さんにとってファッションってどんな存在ですか?

安孫子:とりあえず、オレンジ色のマフラーをしていればお洒落なんじゃないかと思ってましたよ(笑)。

庄司:Jリーグ発足当時の選手もみんな派手なマフラーしてたもんね(笑)。

安孫子:死ぬほど体型がずんぐりむっくりなので、ファッションに関しては早々に機能面重視へとシフトしました。でも、一応こだわりもちゃんとあって。昔は無地のスタジャンばかりを着てましたね。アメカジ+パンキッシュを意識して。

庄司:そんなあびちゃんも高校生の時は、全身、MILKBOY(ミルクボーイ)で固めてたらしいけどね。

安孫子:でしたね~(笑)。今ってファッションにお金をかけづらい世の中だと思うんですが、今の子達はさらっとスマートに無理しすぎてなくて、格好良いなって感じますけどね。

伊賀:相対的にファッションのレベルが底上げされてるよね。びっくりするぐらいダサい人とかって最近いないし。昔はファッションに興味がある人とない人ってはっきり分かれていて、その混在している感じがすごく面白かったんだけど。ヘビメタ系とか、今は全然いないし。境界線が無くなってしまったんだよね。

庄司:たしかに。ダサい格好は出来なくなったよね。これは伊賀くんから聞いた話なんだけど、スタイリストって職業はファッション誌とか広告のモデルや俳優の人物像を立体的に魅せないといけないんだけど、伊賀くんは映画とか舞台のスタイリングもしているから、映画の世界観やその状況までも演出しないといけない。そうした中で、”格好良くない人”のスタイリングをするとなると、今の洋服屋で販売している服の中から、”格好良くない服”をチョイスするのが難しいんですよね。すげぇ話だなと思ったんです。ダサい服が売ってないって(笑)。

伊賀:本当に中々見つからないんだよね(笑)。

安孫子:なるほどね~。

庄司:スタイリストは素敵で、格好良いモノだけを演出するだけ職業じゃないんだなって知りました。

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