藤井健太郎のoff-air 第1回:渡辺淳之介(WACK 代表取締役)

by Keita Miki

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— なるほど。じゃあ、そろそろ次のクジも引いてみますか?

藤井:えー、「最近の趣味」。

渡辺:なんか急にほのぼのしちゃいますね。

藤井:(笑)。何かあります? 趣味。

渡辺:英語ですね。僕、本当に全く英語が喋れなくて、今、英会話のAEONに通ってるんですよ。週2で。

— ちょっと意外ですね。

渡辺:それがめちゃくちゃ楽しくて。Amazon Fashion Week TOKYOに初参加したときにわかったんですけど、音楽よりファッションの方が垣根がないんです。ショーも超酷評されましたけど、本国のWWDとかも記事で扱ってくれてたりとかしてて、「あ、これは英語が出来た方がいいな」と。

藤井:今の若い子たちは外国人との距離も近いですしね。

渡辺:そうなんですよね。しかも子どもって何となくのフィーリングで結構喋れるんですよ。なので、僕が通いはじめたときに息子もAEONに入れました。

— 息子さんは今おいくつなんですか?

渡辺:3歳です。そのぐらいからならネイティブの発音ができるらしくて。そういう家だと親が直されるって聞きました。3歳から通ってる子供は「アポォ」みたいな。

藤井:(笑)。

渡辺:あ、それともう1個趣味にしようと思ってたことがあって。東京芸大の院に映像研究科っていうのがあって。最近英語と同じで勉強欲が出てきたので、そこのメディア映像専攻を受けたんですよ。これも趣味になり得るなと思ってたんですけど、書類審査で落ちましたね。

藤井:(笑)。

— 落ちちゃったんですね(笑)。

渡辺:結構真剣にポートフォリオとか作って提出したんですけど、多分バカにしてると思われたんでしょうね。一応ポリシーみたいなので、”メディア映像専攻の中では色んなメディアを駆使して色んな表現ができる。現場でデキる人を目指す”みたいなことを書いてあったから、ぴったりじゃんと思ったんですけど。僕の中では受かる気満々で、「俺、色んなことやってんな~」とか思いながらポートフォリオとかつくってたんですけどダメでした。

— オチがついたところで、また次のクジです。渡辺さん、引いてください。

渡辺:じゃあ……。「平成と言えば」ですね。あ、僕、だいたい平成と同い年くらいです。

藤井:僕も昭和は小学校前半までだから、平成がほぼ全てではありますかね。

— 仕事で平成生まれの方と関わることも増えたんじゃないですか?

藤井:まぁ、もう平成生まれの人でも30歳ぐらいだったりしますもんね。

渡辺:クジ、もう1個行っていいですか?

— だんだんツマミみたいになってきましたね。

渡辺:えーと、「東京」。いよいよ単語になってきましたね。

— お2人ともご出身は東京ですよね?

藤井&渡辺:そうですね。

藤井:僕は練馬区なんで真ん中ではないんですけど。

渡辺:僕は多摩市です。京王線が通ってたので、新宿、渋谷が出やすかったんですけど、基本的に渋谷で遊んでました。新宿は怖かったんすよ。何人か友達はいたんですけどそいつらも本当に悪くて。渋谷はセンター街にイラン人がいるくらいで、結構高校生でも遊べたんです。僕が中高生のときはクラブ、ほとんどIDチェックもなかったですし。

— お2人の周りで、おもしろい人に共通する生い立ちの特徴やセオリーってあったりしますか? 場所に限らず。

渡辺:ミュージシャンだと、金持ちが多いなとは思います。そもそも音楽って今の時代、そんなに稼げないんで、良いとこ育ちの人たちが多い気がします。話してると、「え、お前の実家、代官山?」みたいな。

藤井:(笑)。

渡辺:下北のバンドブームみたいなのが10年くらい前にあったんですけど、その時も育ちよさそうな人たちが多いなーって思ってました(笑)。

藤井:最近だとあんまりそういうことがないですよね。ちょっと前の方があった気がする。

渡辺:そうですね。でも、やっぱりイギリスのマンチェスターみたいなムーブメントは日本では生まれにくそうだなと思います。労働者階級の音楽とか。日本はそもそも階級がほとんどないので。

— テレビの世界にも裕福な育ちの方は多いんですか?

藤井:社員の中には確かにいますけど、でも今は減ってますね。今はテレビ局が必ずしも良い就職先でもなくなってると思うし、たぶんコネ入社とかも少ないんじゃないかなぁ。

— 尖ってたり、おもしろい人に共通項はありますか?

藤井:僕らは言っても普通のサラリーマンなので、尖ってるのとかの前にちゃんとしてないとダメで。自分が面白いと思うものを人に見てもらうまでに下積みっていうか、ちゃんと段階を踏まなきゃいけないんです。番組をつくるにしても実は基礎がかなり必要で、そこは発想力よりは普通に勉強ができることの延長線上だったりとか、理屈でこういうときにはこうしたらいいんだなっていう学びだったりだとか。そこにたどり着くまでに居なくなっていく人が結構多い印象があります。さらにそこに自分のオリジナリティを詰めるってなると、なかなか大変ですよね。