Vol.109 TONAN & ISSAC with BUSHMIND – 人気DJのMIX音源を毎月配信!『Mastered Mix Archives』

by Yu Onoda and Keita Miki

MasteredがレコメンドするDJのインタビューとエクスクルーシヴ・ミックスを紹介する『Mastered Mix Archives』。今回取り上げるのは、ヒップホップグループ、ROCKASENの2MC、今年3月にソロアルバム『DURATION』を発表したばかりのTONANとRC SLUMより5月下旬にソロアルバム『RESUME』のリリースを予定しているISSAC。
地元千葉のテクノ / ハウスパーティ、『Future Terror』の洗礼を受け、ダンスミュージックをはじめとする広義のストリートミュージックのもとで育まれた唯一無二の個性を誇るROCKASEN。BUSHMINDがメンバーとして加入し、2017年にリリースした7年ぶりのアルバム『Two Sides Of』において、その音楽性は大きく進化。研ぎ澄まされたワード・センスとスキル、ヒップホップの枠組みを積極的に逸脱したトラックは高く評価されたが、TONANとISSACの2人はそのままの勢いでソロの制作をスタートさせた。TONANはGradis NiceのトラックにTAMTAMのKuroをフィーチャーした”Meimetsu”をはじめ、ビートメイカーのGREEN ASSASSIN DOLLARやip passport、DJ HIGHSCHOOL、STARRBURST、ラッパーのCampanella、ERAを迎え、よりカジュアルに。そして、ISSACはBUSHMINDとの制作を軸に、ビートメイカーのOWL BEATSとMAD KRANKE、ラッパーのCHAPAH(GAMEBOYS)、MIKUMARI、MC KHAZZ、MIKRISに加え、ブルックリンのデュオ、M.O.P.をフィーチャーし、よりエクスペリメンタルに。それぞれの世界を探求し、3年越しのソロアルバムを完成させた。
今回は陰になり、日向になり、2人の作品を支えたBUSHMINDを交え、TONANとISSACへのインタビューを敢行。平日、社会人として働きながら、ディープに音楽を極める彼らの作品世界を紐解くと共に、2人にDJミックスの制作を依頼。BUSHMINDがマニピュレートした前半のTONANサイドから後半のISSACサイドへ。それぞれのアルバム同様、ROCKASENの二面性をお楽しみいただけるはずだ。なお、ISSACは5月下旬のリリースに先駆け、アルバムからこぼれた未収録曲”GIRLS”が公開されたばかりなので、そちらのチェックもお忘れなく。

Interview & Text : Yu Onoda | Photo:Kazuki Miyamae | Mix manipulated by BUSHMIND(TONAN side) | Edit:Keita Miki

※ミックス音源はこちら!(ストリーミングのみ)

「パーティーでバカやったりしていても、皆んなどこかで何かの為にその日その日をMakeしようとしてるんだなって(TONAN)」

— 2017年の復活作『Two Sides Of』から3年。ROCKASENを取り巻く状況はどう変化しましたか?

BUSHMIND:一番アガったのはTONANくん自身だよね?

TONAN:そうですね。『Two Sides Of』のインタビューでも話したと思うんですけど、自分自身、あのアルバムが完成するまでの間に苦しい時期もあったので、作品をリリースしたことで悩みや迷いが解消されましたね。一時期はモチベーションが下がった事で、2人に心配をかけたり、背中を押してもらったりましたね。『Two Sides Of』を出した直後にこの先のことを3人で話した際、次のステップとして、ROCKASENの楽曲のほとんどを手掛けるタカアキさん(BUSHMIND)以外のビートメイカーと曲を作れるようにならないとラッパーとしてダメだろう、と(笑)。独り立ちというか、いち早く自発的に動く事が2人への自分なりのアンサーになると思ったんです。

— TAM TAMのKuroさんをフィーチャーしたTONANくんのソロシングル”Meimetsu”のリリースが2018年と早かったのもそういう理由があったんですね。

TONAN:ソロワークとして、一番最初に取り掛かったのは、高校の先輩でもあるDJ HIGHSCHOOLから提供してもらったビートで制作した”The End”と”Making for you”からで、”Meimetsu”はその後でした。当時リピートしていた不朽の名作『L.O.C.- Talkin’ About Money』をFEBBと共に作り上げたGRADIS NICEに直接連絡アプローチして提供してもらったビートをもとに”Meimetsu”は出来たんですが、完成を目前にしたある日3人で飲む機会があったんですよ。

BUSHMIND:2人がソロを作ることになって、近況報告がてら集まったんだよね。

TONAN:その席でタカアキさんが、ソロの制作を手伝おうかって言ってくれたんですよ。すごい嬉しかったんですけど、ビートを提供してもらっては自ら課せたルールに反するなと(笑)。ただ、漠然とタカアキさんの魔法はどこかでかけてもらいたいという気持ちはありました。ならば、ビートメイカーではなく、アレンジャーとしてならルール違反にはならない(笑)。GRADIS NICEのこのビートもKUROさんの歌声もセンチメンタルで絶妙なエモ感が相まって、すでに”良い曲”としては成立していましたが、単なる”良い曲”で終わらせない要素をタカアキさんの魔法に委ねました。

BUSHMIND:2人には俺以外のビートでソロをやって欲しいと言ったのに、ISSACが俺のビートを使いまくるので、それはTONANくんに不公平だろう、と(笑)。そう思って、TONANくんにも声をかけたんです。

TONAN:”2人の手を借りない”ということは、ソロ作品のコンセプトにおいて大きな割合を占めていたんですけど、その頑なさが制作の行き詰まりに繋がりそうな瞬間もあって、タカアキさんにそう言ってもらえたことで、気持ちが楽になりましたね。

— ISSACは、ROCKASEN復活からソロまでの流れは?

ISSAC:『Two Sides Of』は、今までと全然違うラップのスタイルで臨んだ作品だったんですけど、それによって幅も広がり、自信にもなって。確か、3年前のインタビューでは、キャラを変えて、ソロアルバムを作ってみたいって話したと思うんですけど、その言葉通り、今回のソロは自分のコミカルな側面が反映された作品になりましたね。自分のなかでは『Two Sides Of』の二面性と地続きな感覚があって、自分の履歴を振り返った時の光と陰、そこでの思ったことをつぶやいてみて、最終的に面白いオチが付けば、あの時はダサかったけど、今は格好いいことやってるからOKでしょって。そういうポジティヴィティに重きを置いた作品になってます。

BUSHMIND:”Make It Positive”って曲があるくらいだからね。

ISSAC:(笑)。まさにそういうことです。

— では、ISSACも早い段階からソロの構想は固まっていた、と。

ISSAC:そうですね。一番最初に録った曲は”NO.2”だったんですけど、働くことに大半の時間を費やしている中で、生きていくための仕事なのか、仕事のために生きているのか、どういう生き方が自分のオリジナルだったのか、みんな同じような葛藤があると思ってて、人によって立場や内容は違えど、働いていることは同じことだろうから、具体的に仕事のことを書こうと思って。”No.2”はタイトルそのままというか、組織のNo.1にとって最も必要な存在がNo.2で、No.1はNo.2になれないからNo.1なんだと、でもNo.2は? ていうところからアルバム制作が始まって。GAMEBOYSのCHAPAHをフィーチャーした”Victims”は、社内での保身や出世欲のあまり、人としての付き合いすらできなくなってしまった犠牲者達に対し、客観視することの重要性を歌ってます。どこの世界でも同じだと思うんですよ。

— 身の回りのことを歌うヒップホップのマナーに則れば、平日は社会人として働いている2人にとって、仕事というトピックは避けられないですよね。

TONAN:自分のアルバムだと”Making for you”がまさにそういう曲で。年齢を重ねるにつれ、生活環境が変わったり、自分のこと以外にお金が必要になってきたり。10代や20代の頃はその日が楽しく遊べればいいやくらいのメイクマニーだったのが、いつからか急にそんなわけにもいかなくなっちゃう。それなりの対価を得る為には、それなりの時間や気持ちも必要になってくる。生きる上で当たり前の事なんですが、昔と今の”メイクマニー”の捉え方が変わってくる感じが、なんだか世知辛さと切なさがミックスされて何とも言えない気持ちがして。近い人じゃないと普段の顔は知らないじゃないですか。パーティーでバカやったりしていても、皆んなどこかで何かの為にその日その日をMakeしようとしてるんだなって、勝手に思って作った曲です。辛いけど、余裕って事にしたくて(笑)。

— そして、それぞれの試行錯誤、紆余曲折を経て、TONANくんの『DURATION』とISSACの『RESUME』は3年越しのソロアルバムになるわけですが、完成まで長かったですか?

TONAN:自分のなかでは急いでるつもりだったんですけど、それでも時間は経ってしまうという(笑)。

BUSHMIND:2人ともそれぞれ止まってる時期もあったからね(笑)。

TONAN:当初は2人して同じ日にソロアルバムを出そうという計画だったんですが、ISSACの特性からしてそれは難しいだろうなと思っていたし、それを踏まえて、自分もリリースを遅らせようかと考えたりもしました。でも、早くリリースしたい気持ちが勝ってしまい、先にアルバムを出すことにしました(笑)。

— 平日働いて、なおかつ家庭も持っていたりすると、音楽に割ける時間には限りがあると思うんですけど、どうやって制作を進めていったんですか?

ISSAC:俺は首都高ですかね。

TONAN:首都高(笑)。

ISSAC:毎日車で通勤していて、仕事でも割と車の時間が多いので、合間にNetflixやHuluを観たりしているんですけど、それと同じノリでタカアキさんからもらったビートを聴きながら、頭が空っぽな状態でリリックを考えたり。あと、自分の仕事は出張がすごく多くて、夜の時間ががらっと空いたりするので、ホテルで制作することも多かったですね。

TONAN:自分も職場まで片道2時間の通勤時間が重要だったりしますね。半分寝ながら新譜をチェックしたり、NetflixやYouTubeを観たりするなどして、自分の時間を過ごしながら、気に留まったトピックや思いついたキーワードをiPhoneにメモしておくんです。ほとんどの楽曲の下地は電車の中で出来ているかも。

BUSHMIND:ラップの録りは? TONANくんはiPhone使ったりしてたんだっけ?

TONAN:今回、ソロの楽曲を作るにあたって、どうしてもオートチューンがやりたかったんです(笑)。オートチューンを使って録音出来るiPhoneアプリを見つけて、提供してもらったビートを流し込んで夜な夜な一人居間でトライ&エラーしてました。便利な世の中だなって(笑)。録音したデータをスタジオに持っていて、エンジニアにイメージを共有する流れでした。

— そして、TONANくんのアルバム『DURATION』では、GREEN ASSASSIN DOLLARがビートを手がけた”Yours”にCampanellaとERAをフィーチャーしていますよね。

TONAN:CampanellaはROCKASENを名古屋に呼んでくれたり、その後も東京のライブで一緒になったりしていて、嬉しいことに「いつか、ERAくんを交えた3人で一緒に曲をやりたい」って言ってくれたんですよ。ただ、彼のフィールドで実現するのは自分にとっては正直ハードルが高いと思ったのと、ERAくんとは以前、ERAくんの楽曲に参加させてもらった経緯もあったので、ならば、自分から発信しようと長らくタイミングを探っていました。そして、今回のソロアルバムを作るにあたって、重要なポイントで誰かをフィーチャーしようと考えていたところ、WD SOUNDSのMERCYくんがGREEN ASSASSIN DOLLARを紹介してくれて。ビートを聴いた瞬間、タイミング来たなと(笑)。そんな経緯を経て、”Yours”はCampanellaとの話をようやく形にできた曲でもあるんですよ。

— 一方、ビートメイカーでもあるISSACは『Two Sides Of』でも細かく録ったラップをつなぎ合わせる手法にこだわっていましたけど、ソロアルバム『RESUME』ではボーカルのオーバーダブを突き詰めて、声だけでもすごいことになってますよね。

ISSAC:最初はタカアキさんの家で録ったり、ROCKASENの録りをやってる若いやつのところで録ったりしてたんですけど、人に気を遣ったり、迷惑をかけたりするので、最終的には秋葉原の貸スタジオに独りこもって録るやり方に落ち着きましたね。そして、好きにやるからには歌を歌ったり、ラップでやれることは最大限にやってみよう、と。

BUSHMIND:最大で何トラック使ったんだっけ?

ISSAC:ラップだけで30トラック以上ですね。

— そこまで声を重ねるともはやR&Bの領域ですよね。

TONAN:自称千葉のD’angeloだもんね?

ISSAC:(笑)。R&Bを聴いてるとものすごいレイヤーで声を重ねているし、遠い近いとか、上と下とか立体的に声が配置されているじゃないですか。それをラップでやりたかったんですよ。

BUSHMIND:でも、最初のデモミックスを聴いたら、音が整理されてないというか、ぐっちゃぐちゃでお化けが出そうな曲になってたよね(笑)。

ISSAC:あれ、こんな声入れたかな? って。

TONAN:でた! お得意の心霊現象(笑)。

    ISSACの未発表曲”GIRLS”(Produced by BUSHMIND)

— はははは。しかも、ISSACはTONANくんが自分のソロでは封印したBUSHMINDのトラックを惜しげもなく使っていますよね。

BUSHMIND:トラックを渡した俺も悪いんですけど、ISSACが家に来た時、ビートメイカーの候補を15人くらい挙げたのに、オファーすらせずに、「タカアキさん、このトラックもらっていいですか?」って(笑)。

TONAN:それは酷い(笑)。

BUSHMIND:でも、ISSACは他の人が選ばないトラックをピックアップして、それをいい感じに仕上げてくるから、俺としても渡し甲斐があるというか、それが積もり積もって、こんな事態になってしまったという(笑)。

— しかも、アルバムを締め括る”The Faster Life”は、KNZZ aka MAD KRANKEのトラックにMIKRISと共にフィーチャーしてるM.O.Pって、”Ante Up”でお馴染み、ブルックリンのM.O.P.ですよね?

ISSAC:ニューヨークから沖縄に引っ越してきたFAFAっていうモロッコ生まれの黒人の連れがいて、彼と一緒にアメリカのラッパーを招聘して、ジャパンツアーを組んだりしているんですけど、以前呼んだラッパーたちがアメリカに戻った後、俺たちの評判を周りに広めてくれて、それを聞きつけたM.O.P.のLil’ FameがFacebook経由で連絡をくれたんですよ。M.O.P.は昔よく聴いてて、レコードもいっぱい持ってるし、現役感もあるから、試しにオファーしてみたら、予算的にも全然収まる感じだったんで、正式にお願いしたんです。そして、日本代表戦ということで、M.O.P.に対抗できる日本のラッパーは彼しかいないと。MIKRISが飛び抜けて上手いでしょって思ったんですよ。

TONAN:あのテクニカルなラップをフックからサビまで一1本で一気に録っちゃう。サクッと。

BUSHMIND:にしても、ちゃぶ台をひっくり返すような組み合わせだよね(笑)。

ISSAC:ここには安らぎはないんだぞって(笑)。

— はははは。しかも、TONANくんのアルバムがROCKASENのレーベル、ASSASSIN OF YOUTHからなのに対して、ISSACのアルバムは、”Give Me Back”で一緒に曲をやっているMIKUMARI、MC KHAZZ、OWLBEATSが所属する名古屋のRC SLUMからのリリースですよね。

ISSAC:RC SLUMとの繋がりというと、一番最初はTYRANTですよね。池袋BEDでライブを観て、同い年でこんなヤベえやつらがいるんだと衝撃を受けて。その後、俺たちがアルバム『Welcome Home』を出した時のライブで”It’s A New Day”を歌った時、DJ BLOCKCHECKが俺のリリックを口ずさんでて、「え、何で?」と思ったら、好きで聴いてくれていたりもして。そんなこともありつつ、レーベルオーナーのソウタ(ATOSONE)と何度も会っているうちに、あいつのセンスとか生き方に感銘を受けて、機会があったら何か一緒にやりたいなと思っていたので、ソロアルバムを作るにあたって、ソウタに相談して、RC SLUMから出すことになったんです。

— RC SLUMからのリリースというトピックもそうですけど、ISSACのアルバムはBUSHMINDのキレまくりのトラックと相まって、ラップアルバムの先鋭性を突き詰めた作品であるのに対して、TONANくんのアルバムはカジュアルでコンテンポラリーな作品になっていて、2人の方向性が面白いくらいぱきっと分かれましたよね。

TONAN:自分は基本的にカジュアルなものが好きなので、最初の段階からそういうアルバムが作りたかったんですよ。初めてのソロアルバムという事もあったし、ROCKASENとはまた違ったポップなテイストを自分なりにバランス良く落とし込む事で様々な年代や層に届くよう意識しました。今回はフィジカルでリリースすることを念頭に、1曲目から最後まで通しで聴けるものにしたかったので、ここもタカアキさんの魔法に頼って、イントロの制作とSTARRBURSTのスキットのアレンジをお願いしつつ、曲順を組んでもらい、アルバム作品としての一貫性を持たせました。

BUSHMIND:最初はどうなるかと思ったけど、最終的には上手くいったよね。

TONAN:そうですね。アレンジャーやエグゼクティブ・プロデューサーといったポジションからタカアキさんのフィルターを通すことで、ROCKASEN感は上手くパッケージできたんじゃないかなって。

BUSHMIND:俺にとってもこのポジショニングは初めての経験だったから、TONANくんのアルバムで得た経験は大きかったですね。

TONAN:自分とISSACがそれぞれソロを作っている間に、タカアキさんはasuka andoさんとの楽曲”Kiss With You”やミックスCDをリリースしたり、3人それぞれやっていたことが知らない間に上手くリンクしていたのは、やはりグループならではじゃないかと思います。これも最初の段階から3人の新しい動きを最終的にROCKASENで活かすという目的が共有できていたので、自然とそういうことができたんじゃないかなって。

— TONANくんが”持続”を意味する『DURATION』、ISSACが”履歴”を意味する『RESUME』で、共に時間の流れを感じさせるアルバム・タイトルになっているところも熱いな、と。

TONAN:たまたまなんですが、アルバム・タイトルの意味するものが近いというか似てるんですよ。

BUSHMIND:それに、ずっと活動しているとトピックに行き詰まるラッパーも多かったりするけど、2人とも今の生活や遊びをラップに落とし込めてるじゃん? それはこの先、ROCKASENとして活動していくうえでもデカいと思うんだよね。

— そう。2人の活動は、年齢、経験を経たラッパーの在り方の1つの提案だと思うんですよ。仕事をしながら、家庭を持って、子供を育てながら、最高な音楽を続けることができるという可能性を提示することが大人の音楽家の役割なんじゃないかなって。

ISSAC:そう言ってもらえるとラッパー冥利に尽きますね。

TONAN:素直にうれしいです。音楽と向き合う時、どこか後ろめたさを感じたりする瞬間がたまにあるんですけど、そういう言葉を聞くとどこか救われるというか。音楽にはその時々にしか表現できないものがあると思いますし、今回のソロを経たROCKASENのニューシーズンは間違いなくヤバいことになりますよ。

ISSAC:間違いない。

— ROCKASENの今後に大いに期待しつつ、最後にTONAN & ISSACにお願いしたDJミックスについて一言どうぞ。

TONAN:それぞれがアルバム制作期間中に聴いていた曲を中心としたミックスになります。前半は自分の選曲をBUSHMINDにミックスしてもらい、後半はISSACのセルフミックスというスペシャルな構成です。いつも以上に音楽に触れる時間が増えたと思いますので、是非そのお供に。

ISSAC:Weldon Irvineの”Yasmin”にRejjie Snowの”Acid Trip”をエディットして乗せたらばっちりハマって、この路線でいこうと決めたらどんどん楽しくなってしまって、最初にできたMixは50分以上あって、「長すぎる」ってBUSHMINDに怒られました(笑)。最終的にBUSHMINDがまとめあげて、ROCKASENっぽい内容になったんじゃないかと思います。