英国発のストリートカジュアルウェアブランド[ザ・ダファー・オブ・セントジョージ(The DUFFER of St. GEORGE)]。1984年に設立され、瞬く間に世界中へ広がったこのちょっとやんちゃなブランドは、もともとセレクトショップだった、というと驚く人が多いかもしれない。でも、事実だから仕方がない。この事実を知らなかったあなた、ダファーの本当の歴史、知りたくない?
Photography:Takuya Murata、Edit:Yusuke Asano(EYESCREAM.JP)
ダファーのスゴイ歴史。
設立が1984年というのは先ほどいったとおり。エディ・ブレンダーガスト(Eddie Prendergast)とマルコ・ケアンズ(Marco Cairns)という2人の洒落者が、上質なアメリカン・ヴィンテージクローズとアンティークを取り扱う衣料販売会社としてスタートさせた、というのがこのブランドの始まり。「エディ・ブレンダーガストって、どこかで聞いたことがあるな」という人は、情報通。このエディという人は、ロンドン市内で今最も熱い場所「イーストエンド・ショーディッチ地区」に「プレゼント(Present)」という人気ショップを始めた注目人物。今は、マルコがひとりでデザインクリエイティブを担当しているんだそう。
会社設立の1年後、この2人がついにショップをオープンさせるんだけれど、それもノッティングヒル・ポートベローに出店。このあたりもちょっとひねくれてて良い。ちなみに、会社名でありブランド名でもあるこのザ・ダファー・オブ・セントジョージというのは、1960年代の英国コミック誌『Boy’s Own』に掲載されていた物語のタイトルからとったもの。もっというと、「会社にするにあたって何かしら名前が必要だから、漫画雑誌をパッと開いて、そこにあった名前を使った」ものなのだというからもう最高!そうやって、半ば強引に名前を決めたようにみえて、意外とブランドにフィットしているから不思議。名前っていうのはこうやって決めたほうが結果的に良いのかも。
さて、本題に戻ってこのセレクトショップ。英国ではもう伝説。オリジナルアイテムでいえば、スウェード使いのカーディガンが80年代後半から90年代にかけて流行していたACIDJAZZでは定番になるし、[レッドウィング(REDWING)]のワークブーツをいち早く入れたのもここ。さらには、その後ヨーロッパで大ヒットした[カーハート(Carhartt)]を展開したのもここがイギリス初。そんなこんなで、BRITISH FASHION COUNCILから「INNOVATIVE DESIGNER OF THE YEAR’ AWARD」を受賞したり、「THE DESIGNER OF THE YEAR」を受賞したり、「Retailer of the Year award 」を受賞したりと大忙しのうちに、世界各国で展開するようになっていった、なんて漫画みたいな、ウソみたいなストーリーなのだけれど、これがすべてホントのことだからスゴイ。そういわれると、ますますダファーのことが気になってこない?