[BURBERRY]っていうコート、知ってる?

by Mastered編集部

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[バーバリー(BURBERRY)]のレインコートって、それ自体が「バーバリー」という名前だったと知ってた?言い換えれば、「バーバリーのレインコートの一般名称」そのものがバーバリーだということ。これって実はかなりスゴイ。他のブランドでは聞いたことがない。しかも、名付けの親は稀代の洒落者、ウィンザー公ことエドワード8世だというから、ファッション好きなら一度は袖を通しておいたほうが良い。そんな由緒正しきバーバリーのレインコート=トレンチコートについて、もっと詳しく知っておこう。

photography:Takuya Murata
Edit:Yusuke Asano(Mastered)

トレンチコートのスゴイ歴史。

バーバリーのトレンチコート 210,000円(バーバリー・インターナショナル TEL:0120-046-225)


トレンチコートの歴史は、バーバリーの歴史そのもの。創業は1856年で、創始者の名前はトーマス・バーバリー。ドレスメーカーで下積み修行をした後、自らのブランドを立ち上げたんだそう。でも、初めはトレンチコートなんてなくて、十数年後の1881年に、ようやくトレンチコートのもととなるレインコートが誕生。当時、ゴム引きのクロスが主流だったレインコート業界に震撼を与えたバーバリーのレインコートは、なんとコットン100%。シェークスピアの戯曲『テンペスト』に登場する怪物キャリバンの上着の描写にちなんで、「ギャバジン」と名付けられたこの生地は、織られる前に撥水加工が施されているので、防水性も抜群。しかも通気性も高いので、瞬く間に広まって行ったのだとか。

その後、エドワード8世にも愛用され、バーバリーのコートが必要なときには「私のバーバリーを持ってきなさい!」と言っていたというのは、あまりにも有名。「英国王室ご用達」のいわゆるロイヤルワラントを2度も授かるブランドとなったわけです。

1901年には、英国軍対御用達の紳士服店兼デザイナーになり、トレンチコートの前身となる「タイロッケン(tie rocken)」コートが登場。ウェストにベルトがついて、段々と形もトレンチコートっぽくなってきました。

さらに、時代は進んで第一次世界大戦。この時、塹壕(トレンチ)での戦闘に対応できるよう改良され、「トレンチコート」として知られるようになったのだとか。ちなみに、このあたりの歴史についてもっと詳しく知りたい方は、バーバリー公式サイト上のヘリテージコーナーで資料とともに見ることができるので、そちらを参照のこと。

次のページはトレンチコートの歴史的ディテールについて。