10 Of The C: Vol.6 渡辺俊美(TOKYO No.1 SOULSET/THE ZOOT 16/猪苗代湖ズ)

by Mastered編集部

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巷を騒がすクリエイターたちの持ち物って、どんなもの? Mastered編集部が今気になるクリエイターに、愛用の私物の中から、これぞ!と思う10個のモノを厳選してご紹介していただくコーナー「10 Of The C」。第6回目となる今回は、3月14日(水)に3年振りとなるニューアルバム『Grinding Sound』をリリースするTOKYO NO.1 SOULSETのボーカル/ギター、ソロユニットであるTHE ZOOT 16、猪苗代湖ズのメンバー等々として幅広く活躍するミュージシャン、渡辺俊美氏にご登場頂きます。

ミュージシャンとしてはもちろん、プロデューサー、デザイナー、アーティストと多岐のジャンルに渡り第一線で活躍する同氏ですが、今回は“一生もの”というテーマのもと、お気に入りの私物をセレクト。本コーナー初となるミュージシャンの登場という事もあり、否が応にも期待が高まりますね。それでは皆様、早速ですが、目を凝らしてじっくりとご覧下さいませ。

PHOTO:SATORU KOYAMA (ECOS)

#1. MacintoshのC-22(ステレオ・真空管プリアンプ)70年代

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「最初はマッキントッシュ。この3つはセットなんですね。もう12、3年使ってます。セッティングがしてあって日常的に使ってるんですけど、ジャズを聴くにも、レゲエを聴くにも、とにかく音が最高。ただ盤を集めれば聴く事は出来るんですけど、どうせ聴くならいい音で聴きたいからね。車をいじるのと同じでこだわりだすと終わりが無いんだけど、これで色々な音を聴いてみて1つ分かったのは、1950年代〜60年代の音にはこのセッティングがベスト。一生使えるものですね。」

#2. MacintoshのMC240 (ステレオ・真空管パワーアンプ)60年代

#3. Garrardの301 (レコード・プレーヤー)60年代

#4. レイバン(Ray-Ban)のCLUBMASTER

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「これは最近購入した物。このブロウの感じだとか、クラシックな雰囲気なのに内側に柄が入ってるところが気に入ってます。今流行しているようなフレームがやたらと大きいものは僕の好みでは無いので、だいたい昔ながらのかたちというか、ベーシックな黒縁のものをいつもかけてますね。レイバンはやっぱりロックです。」

#5. コーヒーパーコレーター

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「これも日常的に使っているものです。コーヒーが最近好きですね。ドリップもいいんですけど、これで入れる水出しコーヒーは苦みが抑えられるんで、お湯を飲んでいる感覚に近い。女性で妊娠してる人とか、苦みが苦手な人にはオススメです。何杯でも飲めちゃうんですけど、朝は遅刻しちゃうんで3杯までと決めてます(笑)。」

#6. 府川和泉作の珈琲マグ(三島唐津焼)

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「それでさっきのパーコレーターで入れたコーヒーを飲むためのマグカップがこれ。持ち手もそうなんですけど、一番大事なのは飲み口。自分の唇と飲み口が合うかどうかが重要なんです。でも、これはその点も完璧ですね。柄も派手ではなくて、シルエットは洋風なのに唐津焼。一生物ですね、これも。」

#7. 石川昌浩作の硝子ピッチャー

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「このピッチャーの作者である石川昌浩さんという方はまだ36歳くらいで若いんですが、本当に素晴らしいものを作ります。蜂蜜色というか、何とも言えない斬新な色が良いんですよね。「DJはレコードをかけるんじゃなくて、命をかける」なんて言いますが、これはまさしく、命を吹きかけている。1年前くらいに引っ越しをしたんですけど、その時に折角なら良いものを揃えようと思って、ガラス関連のものは全部この人の作品を使っています。」

#8. 大山柳太作の銅製・卵焼き器

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「卵焼き機って色々と有名なものがあるんですが、これは高松の大山柳太さんというおじいちゃんが作っているもの。熱が均一に広がるから通常よりふっくらした物が出来るんです。返しもすごく良い。一度使い始めたら、普通の卵焼き機では満足出来なくなっちゃいましたね。」

#9. 有次のペティーナイフ

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「これも頂き物。“俊美”って名前まで彫ってくれていて、ちゃんと定期的に磨いて使っています。切れ味が全然違うし、これ1本で大抵の料理は大丈夫かな。」

#10. 池波正太郎の男の作法

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「最後はこの本。僕は30歳を過ぎてから初めて読んだんですが、20代の時に読んでおけば良かったなぁとつくづく思います。20代の頃にこの本に書かれているような事を意識していたら、もっと20代を大切に生きたのかもしれないとか、人に優しく出来たのかもしれないとか、そういう事を考えさせられます。でも、男はこうあれという説教じみたことは一言も書いていない。感じるものなんです。読むとすごく楽になる本だし、引き締められる。人にプレゼントした事も何回もあるし、つまづいた時とかリセットしたい時に読む本ですね。今回は“一生もの“というテーマでものを集めてみたんだけど、これも紛れもなく一生ものですね。」