20世紀において、写真と映画の歴史に最も影響を与えた人物のひとりに挙げられるRobert Frank。同世代以降の写真家に多大な影響を与え、今なお世界中に根強いファンを持つ彼の作品を見ることができる、新しいカタチの展覧会『Robert Frank: Books and FIlms, 1947-2016』が遂に日本にも上陸。11月11日（金）より東京藝術大学大学美術館 陳列館にて開催される。

Robert Frankの作品のオリジナルプリントには高い価値が付いており、ギャラリーや投資家たちは展示に関して厳しい条件を課しているため、従来のスタイルの展覧会を行うことはきわめて難しいという。そうした事態を解消するためにスタートした本展は、主に大学や学校などの教育機関を会場として世界を巡回。どんな会場にもすぐに設置できる廉価な新聞用紙に印刷し、あえて商品としての価値を下げるという方法を用いて不可能を可能にした。

さらに印刷された作品は会期の終了とともに破棄することで、美術市場の思惑でもある売買と消費のサイクルを回避。この展覧会の原案がRobert本人の耳に届いた時、彼はこう言った。「安くて、素早くて、汚い。そうこなくっちゃ！」

会期前の11月9日（水）、10日（木）のイベントでは世界最高峰のアート出版社と謳われるドイツのSteidl社の創業者 Gerhard Steidlも来日。Gerhard Steidl本人によるワークショップやレクチャーを行う。他、映像作家としてのRobert Frankを追った新作ドキュメンタリー映画『Don’t Blink – Robert Frank』の上映会なども行われる。詳しい情報はこちらよりチェックするとしよう。

【Robert Frank: Books and Films, 1947-2016】
開催期間：2016年11月11日（金）〜11月24日（木）
開催時間：10:00〜18:00［会期中無休］
開催場所：東京藝術大学大学美術館 陳列館
東京都台東区上野公園12-8
http://steidlxtua.tumblr.com

Robert Frank Tunnel (video still), color and black & white, 4 minutes, 2005 © Robert Frank

Robert Frank checking the cover of the Steidl edition of The Americans in Göttingen, 2007 © Gerhard Steidl