『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(原題:Buena Vista Social Club)』で音楽映画の金字塔を打ち立てたドイツ人映画監督、ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)。彼が約20年間もの間、企画、構想を練りつづけ、遂に完成した渾身の最新作『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』が第84回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートを果たした。
ヴィム・ヴェンダース自身12年ぶり、通算2度目の長編ドキュメンタリー映画賞ノミネートとなった本作品は、稀代の振付家・舞踊家として天才の名をほしいままにしながら2009年に急死したピナ・バウシュ(Pina Bausch)の遺産をアート映画としては世界初の“最新3D映画”として蘇らせた意欲作。ダンサーと共に踊る3Dクレーンカメラの開発により撮影された映像は、「舞台は“生”で鑑賞するもの」という既成概念をぶち壊し、五感のすべてを圧する映像体験革命としてベルリン、トロントなど、世界14もの映画祭で注目を浴びた。