昨日の一週間スナップ冒頭でも触れられていましたが、もう学生さんは夏休みに突入する時期なんですね…。なんともうらやましい話でありますが、夏休みには読書も付き物です(なんといっても、読書感想文という宿題の存在がありますので。笑)。
社会人になり、本を読む機会が少なくなったという方も多いかとは思いますが、たまには学生時代を思い出しながらゆっくり読書を嗜むというのも夏の粋な過ごし方の1つではないでしょうか。
さて、前置きが少々長くなりましたが、そんなわけで本日は当Clusterが選ぶ、この夏、イチオシの書籍をご紹介させて頂きます。
今年6月にブルース・インターアクションズよりリリースされ、ファッション業界の人々を中心に密かに話題となっていた「メンズウェア100年史」。本書はセントラルセントマーチンズ校で講師を務めるファション史家、キャリー・ブラックマン(Cally Blackman)による著書を日本語訳したものであり、その内容は驚くほどに秀逸です。
まず、なんといっても圧巻なのは本文中に使用されている写真とイラストのクオリティ。いわゆる、一般的なファッションの歴史本とは異なり、写真とイラストを中心とした構成の本書ですが、そのどれもが文句なしにカッコよく、抜群にハイセンスな仕上がりとなっています。
また、それだけに留まらず、守備範囲の広さについても別格。
著者がメンズファッションの原点だと主張するイギリス国王、エドワード7世からはじまり、サヴィル・ローのテーラード、軍服やデニムの変遷、ザズー・スタイル、ピーコック革命、ロドチェンコの作業着、ジョン・レノン、毛沢東、チェ・ゲバラ、マーロン・ブラント、ジェームス・ディーン、デヴィッド・ボウイ、ジミ・ヘンドリックス、マルコム・マクラーレン、フレッド・ペリー、スキンズにパンクス、はたまたRUN DMCのヒップホップスタイルにニュー・ロマンティックス、グランジ、記憶に新しいエディ・スリマンの登場とトム・ブラウンのタイトなジャケットまで、ここでは到底語りつくせないほどの多種多様なスタイルが取り上げられ、タイトル通り、ここ100年のメンズファッションの歴史が分かりやすく紐解かれています。
正直なところ、本書の素晴らしさをお伝えするにはまだまだ文字数が足りないのですが、実際に手にとってからの楽しみを残す意味でも今回はこの辺で。
とにもかくにも、カバーに掲載された野口強氏のコメントからも分かるように、ファッションを学ぶ初心者はもちろん、ファッションを愛する全ての人々にオススメ出来る名著となっていますので、是非この夏のお供に!