NICHOLAS DALEYの2021年秋冬コレクションが公開

by Keita Miki

NICHOLAS DALEY(ニコラス デイリー)の2021年秋冬コレクションが公開された。

シーズンテーマは”Forgotten Fury”。

1970年代の映画とそのサウンドトラックを掘り下げ、黒人文化とマーシャルアーツの関わりを表現した、今季のコレクション。

世界中で巻き起こっている黒人の人権に対する政治的なアクティビズムを受け、黒人映画が革新された70年代の映画をインスピレーションとしたコレクションを製作。当時人気を博したアクション映画には高度な技術による戦闘シーンと前衛的な衣装、視聴者を熱狂せるサウンドトラックが用いられ、その組み合わせこそが成功の鍵であった。スクリーンに勇ましく、誇り高い黒人像が描写され始めた歴史の転換期である。多くの人にとってマーシャルアーツは哲学に則り、自己実現をエンパワーするものであったのだ。

中でもJim Kelly(ジム・ケリー)とRon van Clief(ロン・ヴァン・クリーフ)は時代の異文化精神を体現した象徴であり、同じ年に公開を迎えた『Black Belt Jones』と『Black Dragon』は東洋の武道を取り上げたブラックスプロイテーション映画の傑作として、マーシャルアーツと黒人文化の結びつきを強固なものとした。

コレクションでは、前述の映画に使用されたサウンドトラックを中心に、当時の音楽を深く掘り下げ、とりわけCurtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)の『Superfly』、Isaac Hayes(アイザック・ヘイズ)の『Shaft』、James Brown(ジェームス・ブラウン)の『Black Caesar』にフォーカス。

さらには現代的なリファレンスとしてWu-Tang ClanのRZAに象徴されるヒップホップシーンとの関係性を模索し、異なる時代背景と文化の結びつきを探っている。

映画やサウンドトラックなどの豊富なリファレンスから抽出したエッセンスは、ユニークなシルエットやグラフィックへと変換。

70年代を彷彿させるカッティングやビスポークで製作した生地、ワークウェアを再解釈したスタイルと共に、黒人文化とマーシャルアーツの結びつきを色濃く反映している。

【お問い合わせ先】
ELIGHT Inc.
TEL:03-6712-7034
http://www.nicholasdaley.net/