©Lui Nemeth Courtesy of The Mass
12月15日(日)まで開催される今回の個展では、紙やキャンバスに描かれたLui Nemethの新作20点ほどを、The Massの3つの空間で鑑賞することが可能。
以下は本展に関するステートメント。
Lui Nemethは、創作プロセスに深く根ざした独自の視点で現代絵画にアプローチしている。彼女の作品では、物理的な形や物体が意図的に排除され、内面の奥深くにある表現しがたいものを探求し、明確な具象表現を避けている。芸術的な形式に対するアプローチは、直感とリズミカルな即興性を重視し、各色や筆致が相互に影響し合うことでその本質を現し、木炭やパステルで「縫い合わせる」ように複雑な要素が統一され、調和が生まれる。
今回の展示 『Chromatic Studies』は、昨年からのアイデアを引き継ぎ更に発展させたもので、さまざまなメディアや材質を通じて感情の風景を描き出している絵画は感情の現実としての存在を探求する手段であり、音楽のように特定の意味を探ることなく直感的に伝わるものだと捉えている。即興的に色が重なり合い、動きを通して調和していく過程に、音楽制作との共鳴が見出され、そこに人生の複雑さが表れている。各色は独自の感情を持ち、それらが重なり合うことで、存在の美しさを体現する豊かで多層的な表現が生まれる。
彼女の作品の中心には、「エネルギー」の絶え間ない探求がある。音と色の感覚的な二重性、存在を質感のある動きに凝縮する試み、あるいは記憶的な特性を通じて、そのエネルギーの探究が作品のさまざまな形に影響を与えている。制作全体にわたって、芸術行為そのもの、表現の生成プロセスに焦点が置かれており、そのプロセスは即興性や絶え間ない変化が本質的に重視されている。創作過程の展開に意義を見出し、完結した表現ではなく、継続的な問いとして提示され、動きによって作品が絶え間なく動き続ける状態を保つ。
東京に生まれ、アーティスティックな家庭環境と、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズで培ったLui Nemethのクリエイティビティを垣間見られる貴重な展示を、くれぐれもお見逃しなく。
開催日時:2024年11月21日(木)~12月15日(日) 12:00~19:00(月曜、火曜は休館)
開催場所:The Mass
東京都渋谷区神宮前5-11-1
入場無料
http://themass.jp/gallery1/