1992年に刊行された、インディペンデント雑誌の先駆けとも言われる雑誌『Purple Prose』の創立者の一人として知られる編集者、エレン・フライスが、世界各国のクリエイターとの交流を収めた新たな書籍『Les Chroniques Purple』を刊行。彼女と親交の深いアーティストや写真家の作品の掲載のほかに、自らのエッセイを掲載するなど、よりパーソナルな世界観を追求した自身の「伝記」とも言える一冊が登場した。また、本書の刊行を記念した展覧会が5月16日（金）まで原宿のギャラリースペース、VACANTにて開催されている。
既存のファション誌とは異なるアートの精神を背景に持つ『Purple Prose』は、アート性の高いファッション写真が彩る斬新な誌面が話題を呼び、ファッション業界、出版業界を活気付けさせた伝説の雑誌だ。2000年代に入って“ZINE”カルチャーが流行したことや、現在の日本でもインディペンデント出版がひとつのムーヴメントとなったように、『Purple』が起こした波紋は今でも世界中に広がっている。

そんな同誌を作り上げた彼女による今回のプロジェクト『Les Chroniques Purple』は、フランスの田舎町で子育てに専念するかたわら、2013年元旦より自身が主催するWebサイトでスタートさせたもの。世界各国40人以上のアーティストや写真家の作品の掲載に加え、自らエッセイなどを綴り、よりパーソナルな記事づくりを展開。日本からは、写真家のホンマタカシ、美術家のKYOTARO、デザイナーで、かつて『Purple』のアートディレクターでもあった大類信、ファッションブランド［COSMIC WONDER（コズミックワンダー）］などが参加している。

Webサイト上のプロジェクトは丸一年の活動を通して400以上の記事を残して昨年末に終了となったが、今回はその中から厳選されたアーカイブ記事を、VACANTとのコラボレーションにより日本語、英語の二ヶ国語で書籍化。また、4年ぶりとなる待望の書籍の刊行を記念してVACANTにて開催されている展覧会では、書籍内で掲載された作品が実際に展示されるなど彼女の世界観を満喫できる機会となっている。6月6日（金）からはCenter for COSMIC WONDER Osakaにて巡回展も行なわれるとのこと。インディペンデント出版という新たな潮流を起こした敏腕編集者の彼女が今新たに記録したものを、是非ご覧になってみてはいかがだろうか。

【書籍概要】
タイトル：『Les Chroniques Purple』
発売日：2014年5月3日（土）
発行部数：5,000 部
言語： 英語、日本語（日本版のみ日本語訳冊子付）
サイズ：A4 変形 (210 x 279mm)
ページ：約300 ページ
印刷：カラー＆白黒、オフセット
価格：¥2,900 ( 税抜)
流通先：日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア地域
制作：VACANT、Les Editions Purple
発行元：VACANT (Fat Love Co. Ltd.)
編集長：エレン・フライス
AD ：エレン・フライス、永井祐介(VACANT/NO IDEA)
デザイン：須山悠里

【展覧会概要】
会場：VACANT
住所：東京都渋谷区神宮前3-20-13
TEL：03-6459-2962
会期：2014年5月3日（土）～16日（金）
開館：12:00～20:00 ／休館日： 5月7日（水）
入場料：¥300 （仮）
主催：VACANT、Les Editions Purple
企画協力：Makoto Orui
後援：在日 フランス大使館/ アンスティ チュ・フランセ日本
協力：COSMIC WONDER、水戸芸術館現代美術センター　
http://www.vacant.vc

【巡回展】
会場： Center for COSMIC WONDER Osaka
会期： 2014年6月6日（金）～22日（日）
開館： 12:00～20:00
入場料：Donation
※上記内容は予告なく変更される場合が御座います。予めご了承下さい

Fernando Mariani
“Medanenses”

Yuko Noguchi
“A Quiet Place”

大類信
“My Ceramics”

ホンマタカシ
“Fiction Diary”