写真集レーベル『M』から写真家・大森克己の『STARS AND STRIPES』が発売されました!

by Mastered編集部

この時、この場所でしか撮れなかった写真。

『STARS AND STRIPES』<br>3,360円<br> (マッチアンドカンパニー)

『STARS AND STRIPES』
3,360円
(マッチアンドカンパニー)

1994年、写真新世紀においてロバート・フランク賞を受賞したことで、一躍脚光を浴びた写真家・大森克己。ロバート・フランクといえば、昨年、50周年記念エディションとしてシュタイデル社より刊行された『The Americans』が記憶に新しい写真界の巨匠です。ちなみに、この『The Americans』は、写真の世界を変え、方向性を決定したと言われるような1冊。そんなロバート・フランクが認めた写真家というのだから、それはもう間違いないのです。

その大森克己と前回ご紹介させてもらったアートディレクター・町口覚がつくったのが、こちらの『STARS AND STRIPES』。2009年1月20日午前10時、ニューヨーク、ハーレム142丁目、気温-1℃、晴れ。アメリカ合衆国第44代大統領バラク・フセイン・オバマの就任セレモニーのパブリックビューイングを撮りおろした写真集です。この瞬間にしか撮れないであろう緊張感のある厳粛な息遣いが聞こえてくるようです。この時、この場所で、何を着て、何を思っていたのか? ファッションとしての“星条旗”、アメリカへの憧れの象徴である“星条旗”とはまた違った、希望としての“星条旗”がとても印象的です。
こちらの写真集以外でも、『Switch』5月号で別カットが楽しめるのが面白い。正直、もっと見てみたいです。何度でもページをめくり返したくなってしまいます。繰り返し見たくなるのは、『The Americans』と同様です。全40P、写真点数16点というささやかなページ数ですが、つくりはしっかりしていて、意外と重量感もあり、判型も大きいので写真が見やすいです。

この写真集が販売されている、写真集レーベル『M』のWEBサイト『bookshop M』もリニューアル・オープン。日本の写真集を世界へ所属させるための流通装置として生まれ変わりました。こういったインディペンデントな存在として、世界に挑戦していくことが、これからの日本にとって必要なことなのではないかと思います。

TEXT: 小笠原民織