風景や人物など表層的な美醜だけでなく、被写体の奥にある生々しい情景を捉えられる写真家として国内外で注目を集めてきた笠井爾示。ナン・ゴールディンに見出され、荒木経惟に感化される形で写真集『Tokyo Dance』を発表した90年代半ば以降、その写真哲学は自身の作品かコミッションワークかを問わず一貫しており、数多くの女優・俳優、ミュージシャンたちが、彼のファインダーの前で内面をさらすことを許してきた。
本展は、昨年公開された単独主演映画『さよなら渓谷』(大森立嗣監督)が第35回モスクワ国際映画祭審査員特別賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けた、女優・真木よう子をモスクワ郊外で撮影したもの。別荘やホテル、地下鉄などのプライベートシチュエーションで捉えられる彼女の姿は風景と呼応し、笠井氏のスナップ写真のライブ基調とドキュメンタリーアプローチでの視線で切り取られることにより、これまでのタレントグラビア的な話法とは異なる柔らかく、リラックスした姿を現している。
本展で展示されているオリジナルプリント約30点は全て購入することができるほか、写真集など関連アイテムも販売されるとのこと。
【笠井爾示「MUSCOVITE」】
開催場所:GALLERY SPEAK FOR
東京都渋谷区猿楽町28-2 SPEAK FOR B1F
TEL:03-5459-6385
開催期間:2014年1月17日(金)~ 1月29日(水)
開廊時間:11:00~19:00(最終日のみ18:00まで)
休廊日:木曜
協力:FUJI FILM
http://www.galleryspeakfor.com/