秘密のロケーションを移動しながら、毎回、質の高いウェアハウスパーティを行っているロンドンのパーティー・クルー、バッド・パッション。新鋭セレクト・ショップ「LN-CC」の運営を行っているダン・ミッチェルほか、クリス・ストーカー、アンディ・ベインブリッジからなる彼らは、ゲストDJにイジャット・ボーイズやニック・ザ・レコード、フェリックス・ディッキンソン(フーリッシュ・フェリックス)、マーク・セヴン、フォレスキー、日本からも瀧見憲司とディスコセッションをフィーチャーし、世界のカッティング・エッジなダンス・ミュージック・シーンで噂が噂を呼んできた。
そして、その最新回が2月17日にロンドンのLN-CCショップ内に新設されたクラブ・スペース(サウンド・デザインはDJハーヴィーのパーティ”モイスト”やロンドンのLOFTパーティを手がけてきたミッキー・ボイル)にて行われた。今回ゲストにフィーチャーされたのは、ニューヨークのアンダーグラウンド・パーティ、ノー・オーディナリー・モンキーを主宰し、アンダーグラウンド・シーンで絶大な信頼を得ているレーベル、ゴルフ・チャンネルを運営するアントン・エステバンとフィル・サウスだ。
映像作家としてアレキサンダー・マックイーンやコム・デ・ギャルソン、アウディなどのプロジェクトを手がけてきたアントンに対し、フィルはロンドン郊外出身。マンチェスターの大学にてケミカル・ブラザーズ結成以前のトム・ローランド、エド・シモンズと音楽制作を行っていた彼は、1998年にニューヨークに渡り、自身のロフトでパーティを始動。トーマスとエリックの”Rub N Tug”パーティに大いに刺激を受けながら、のちにMap Of Africaを輩出するレーベル、ワットエヴァー・ウィ・ウォントを主宰することになるカルロス、アントンと共に、現在も不定期で続くパーティ、ノー・オーディナリー・モンキーをスタート。ロフトや野外、ルーフトップでのパーティはNYシーンの一角を担っている。
一方、ゴルフ・チャンネルもまた、2007年のファースト・リリース以来、ストリクトリー・リミテッドのディープなヴァイナルをフロアに投下してきた要注目なレーベルだ。マークE「R+B Drunkie」やDJネイチャー a.k.a. DJマイロ「This Side Of Heaven」、ジャスティン・ヴァンダーヴォルゲン(ex Chk Chk Chk) a.k.a. Try To Find Me「Get To My Baby」といったアンダーグラウンド・ヒットを重ねながら、世界中のDJの信頼を積み重ねてきた。
今回のバッド・パッションは、そんな彼らのレーベル最新作であるゴースト・ノートの12インチ・シングル「ゴースト・ノート? – Kapwa/Abularyo」リリース記念と、このシングルをもとに作られた映像作品の上映を兼ねたスペシャルなパーティだ。当日、リミテッドなキャパシティの会場はかなりの盛り上がりを見せたそうだが、ヨーロッパのパーティ・ジェットセッターのようにはなかなか遊びに行けない日本のダンス・ミュージック好きのために、バッド・パッション・クルーより当日のライヴ・ミックスを入手。Clusterにてワールド・エクスクルーシヴな公開となった。まだまだ謎の多いバッド・パッションとノー・オーディナリー・モンキー/ゴルフ・チャンネルのサウンド・コラボレーションをこの機会に是非お楽しみ頂きたい。
Anton Esteban and Phil South at LN-CC Feb 17th 2011.mp3 by Clstr.net